マンション経営を行なっている人のほとんどが確定申告が必要となります。
しかしマンション経営を行なっているもののホントに自分は確定申告が必要なのか。
仮に必要な場合どうやって手続きを行なえばいいのかわかりませんよね。
そこでこちらの記事では確定申告が必要な人のパターンと仮に必要な場合、どんなことに気をつけながら申告の手続きを行なっていけばいいのかについて紹介します。
現在、マンション経営をやっており初めての確定申告を迎える前だという人はぜひ最後までご覧ください。
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マンション経営と確定申告の関連性
マンション経営で収入が発生するためほとんどの人が確定申告が必要となります。
この章ではマンション経営でかかってくる税金やマンション経営をやっている人の中で具体的に確定申告が必要な人はどんな人なのかを紹介します。
マンション経営と税制
マンション経営をするには物件取得時の課税と相続時の課税に加えて毎年かかる税金があります。
具体的には土地の価値に対して課税をする固定資産税と都市計画税、利益に対して課税をする所得税、住民税、事業税、消費税などがあります。
この中で個人経営の場合は固定資産税、都市計画税、所得税、住民税の4つがかかり法人化をするとさらに事業税、消費税がかかるようになります。
事業税はマンション経営が個人事業として認められた場合に所得に応じて収める税金です。消費税は課税対象の収益が1000万を越えない限り課税されません。
マンション経営でかかる税金は「自動で課税されるもの」と「確定申告で課税されるもの」の2つに分けられます。
マンション経営における確定申告の重要性
マンション経営で家賃収入を得ている人のほとんどは確定申告が必須となります。
具体的には、会社からの給与や年金以外で源泉徴収をされていない不動産収入が20万円以上ある人は確定申告を行なわなければなりません。
またマンションローンの借入金は経費に含めることができないため、借り入れにより収支が赤字になっているという人も確定申告が必要です。
仮に確定申告を行なわなかった場合、追加税やペナルティが発生するため必ず行いましょう。
マンション経営の確定申告で押さえるべきポイント
マンション経営で発生する家賃収入は不動産所得という区分になり、家賃収入から必要経費を引いた金額が課税の対象となります。
ここではマンション経営の確定申告で押さえるポイントについて紹介していきます。
- 収入の申告
- 経費の計算と申告
- 不動産投資の税率と減価償却
収入の申告
確定申告には白色申告、青色申告、法人申告の3つがあり、特に届け出をしなければ自動的に白色申告になります。
白色申告は単式簿記の簡易的な帳簿づけで良いことになっていますが、特別控除がなく基礎控除しかうけることができません。
一方で青色申告は白色申告より知識を要する帳簿付けが必要となりますが特別控除や損失の繰り越しなど節税になるメリットが多くあります。
青色申告は事前の申請が必要であり、申請は開業から2か月以内で青色申告に変更する場合は3月15日までに届け出が必要なので注意しましょう。
法人名義でマンション経営を行なう場合は、決算手続きの後に税務申告手続きを行ないます。
不動産業務が本業の場合の勘定科目は「売上」になります。
経費の計算と申告
家賃収入がある場合、税金、減価償却費、管理費、修繕積立費、水道光熱費、損害保険料、消耗品、交通費、通信費、ローン返済金のうちの利息分、税理士・司法書士への報酬、青色事業専従者(家族)への給与(青色申告者のみ)、災害などが原因の損失、回収できなくなった家賃などが経費になります。
逆にローン返済の元本金、マンション経営の事業と関係のない個人的に利用した費用、所得税、住民税は経費として計上することができません。
節税になるからと言って経費計上をしすぎると結果的に収入が少なくなってしまいます。
短期的には節税効果を得られますが長期的にみると金融機関からの評価が下がってしまうので注意しましょう。
不動産投資の税率と減価償却
また年数の経過に伴い、資産価値が低下するものに対して反映されるのが減価償却費です。
不動産投資の場合、物件の購入金額を一括で経費計上せず定められた年数分継続的に経費計上されるため、法定耐用年数を超えるまでは建物そのものが経費の一部となります。
マンション経営で発生する税金とその対策
マンション経営で発生する税金にはどのようなものが存在するのでしょうか。
税金の種類と対策についてご紹介します。
所得税と住民税
マンション経営では所得税と住民税が発生します。
所得税は所得に対して課せられる税金の事を指します。給与や所得、預貯金の利子や株の配当金などが所得税を課されます。
所得税の税率は、所得が多ければ多いほど高い税率が課せられる「累進税率」になっています。
課税対象となる所得金額が増えるごとに税率が5%から45%まで高くなります。住民税の税率は、ほとんどの地域で所得金額の10%です。
仮に3000万の所得があれば、300万円を住民税として納付します。
消費税の取り扱い
マンション経営を行なう場合、支払う消費税と収入に応じて発生する消費税の2つがあります。
まずマンション経営を始めるには、賃貸するための事業用物件を購入しなければなりません。
その際、物件の建築費や売買代金は消費税がかかります。
土地の売買代金は消費税がかかりませんが、マンション管理をするために必要な備品の購入費、修繕費、不動産管理会社への管理委託料などにも消費税がかかります。
さらに個人事業主、法人を問わず課税対象の売上が1000万円を越えた場合。消費税を納税しなければなりません。
たとえ不動産収入が1000万円をこえていなくてもその他の事業と合わせて1000万円以上だったら納税が必要なため注意をしましょう。
これが収入に応じて発生する消費税です。
固定資産税と都市計画税
マンション経営を行なう場合、固定資産税と都市計画税も課税されます。固定資産税とは、所有している土地や家屋に課税される地方税です。
毎年1月1日時点で不動産などを保有している人に課税されます。一方、都市計画税は都市計画事業などに充てられる地方税です。
固定資産税と同じく毎年1月1日時点で不動産を保有している人に課税されます。
標準税率は3%とされていますが、各市町村ごとに異なるため必ず確認しましょう。
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マンション経営の確定申告で注意すべきポイント
マンション経営を行なう場合、ほとんどの人が確定申告が必要となりますが実際に申告をするときにどんなことに気をつければいいのでしょうか。
確定申告での注意すべきポイントについて紹介します。
- 申告の期限と罰則
- 間違いや漏れを防ぐためのチェックリスト
- 税務署とのコミュニケーション
申告の期限と罰則
確定申告の期限は毎年2月16日から3月15日となっています。
前年の1月1日から12月31日までに得た所得をもとに所得税を計算し翌年2月16日から3月15日までに納税地を所轄する税務署に確定申告を行います。
2月16日や3月15日が土日祝日の場合は翌平日が期日となります。締め切り時間は確定申告の方法によって異なるため気をつけましょう。
主に3パターンありe-taxで申告を行なう場合は3月15日(土日祝日の場合、翌平日)の23時59分、郵送で送る場合は、3月15日(土日祝日の場合、翌平日)までに消印が推されていれば有効となり、窓口に持ち込む場合は3月15日(土日祝日の場合、翌平日)の17時までとなります。
仮に提出期限を守れなかった場合、追加で罰金の支払いが必要になります。
また期限を過ぎた後に自ら申告した場合と税務調査を受けた後でも罰金の金額が異なりますので気づいた時点ではやめに申告をすることをおすすめします。
余裕を持って提出できるように早めに準備をしていきましょう。
間違いや漏れを防ぐためのチェックリスト
確定申告の間違いや漏れを防ぐために国税庁が作成したチェックリストがあります。
誤った内容の申告の防止や税務調査で指摘されるリスクを減らすことが出来るため積極的に活用していきましょう。
税務署とのコミュニケーション
確定申告で悩んだ時の相談場所として最も一般的なのが税務署です。
はじめての確定申告で悩んだらまずは税務署に相談しましょう。
原則、平日の8時30分から17時まで相談が可能です。
税務署に直接相談に行く方法や通話相談、税務署主催の確定申告相談会などがあるので好きな方法で相談をしてみてください。
また、税務署以外にも税理士の人や市町村の役場、商工会議所などでも相談が可能なので積極的に活用していきましょう。
確定申告のプロセスとマンション経営者の責任
確定申告はどのような手順で行なっていけばいいのでしょうか。
具体的な手順とマンション経営者は税金や確定申告に関する知識が必須な理由について紹介します。
確定申告の手続き
開業した後にまず申告書の色を決定します。
青色申告書の場合、開業から2か月以内に青色申告申請書を提出しなければなりません。特典を受けたい場合は開業と同時に提出が出来るように準備しておきましょう。
白色申告の場合は申告申請書の提出の必要はありません。
次に確定申告に関する情報を集めます。自分が住んでいる地域を管轄している税務署の住所や電話番号、確定申告の正確な期間など確定申告に関わる情報を集めておきましょう。
次に申告に必要な書類に漏れがないか確認します。
ここでいう書類とはレシートや領収書、各種明細書などを指し用意が出来ないと正確な申告を行なうことが出来ません。
あとで準備をするとなると時間がかかるためわかりやすいように保管しておきましょう。申告のために必要な書類が準備できたら次は申告書を作成します。申告書は最寄りの税務署でもらえますし、郵送の依頼も可能です。
また国税庁が運営している「確定申告書作成コーナー」というサイトではインターネット上で直接入力するだけで簡単に確定申告書を作ることが出来るので積極的に活用してみましょう。しかし記載した内容が合っているか心配だという人は直接税務署に持ち込みをすることをおすすめします。
インターネットですべて完結するe-taxという手段もありますが、税務署に行けば申告書の内容をその場で確認してもらえるので特に初めての確定申告をする人は税務署で直接提出しましょう。
税務会計士への依頼とそのメリット
確定申告の業務を税務会計士に依頼すると、
- 本業に専念できる
- ミスがない
- 節税できる
- 税務調査の対象になりにくい
といったメリットがあります。
税理士に確定申告を依頼する最大のメリットが本業に集中できるというポイントです。
本業と同じくらい確定申告も大切ですが、本業を伸ばすのは経営者にしかできません。
慣れない作業で時間がかかり本業に影響を与えてしまうリスクを考えたら税務会計士に全て任せてしまうというのも一つの手でしょう。
2つ目はミスが無いということです。仮に自分自身でやった場合、慣れない作業であるため時間がかかる上にミスも何個か発生してしまうでしょう。一方で税務会計士に依頼すれば正確に業務を行なってくれます。
3つ目は仮に税務会計士に確定申告の業務を依頼した場合、適切なタイミングで節税方法やタイミングについて教えてくれるため合法的な方法で最大限の節税を実現することができるでしょう。
4つ目は税務調査の対象になりにくいことです。税務会計士が作成した申告書であるかどうかで税務署に与える印象が全く変わるため、税務会計士がついているなら信用できると安心してもらうことが出来るでしょう。
確定申告におけるマンション経営者の役割
マンション経営者は税金や確定申告に関する知識を理解しておく必要があります。まず確定申告に関しては家賃収入全てが課税対象になりません。
1年分の家賃収入から必要経費を引いた分が課税対象となります。
また固定資産税などマンションオーナーの人が不動産を保有している限り、支払わなければならなない税金もあるためきちんと確認しましょう。
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マンション経営と確定申告に関するよくある質問
マンション経営と確定申告に関わるよくある質問をまとめました。
- 経費をどれだけ申告できますか?
- 確定申告をしなかった場合のリスクは?
- 確定申告を専門家に頼むべきタイミングは?
Q. 経費をどれだけ申告できますか?
マンション経営ではかかった費用を経費として申請することが可能です。
必要経費とは、総収入に対する売上原価および総収入を得るために利用した額と販売管理費などその他業務上で発生した費用が含まれます。
経費への正しい理解が節税に繋がるため常日頃からお金を使った時にこれは経費に含まれるのかといった視点を持ってみましょう。
Q. 確定申告をしなかった場合のリスクは?
確定申告を期限内に行なわないと無申告加算税や遅延滞税が課せられてしまうため、毎年2月16日から3月15日までに申告をしなければなりません。
また税務署からの調査があったあとに申告した場合と税務署からの調査の前に自分から申告した場合で課せられるペナルティが異なります。
税務署から調査があったあとに申告をした場合、本来納める税金に加えて無申告加算税を課せられる恐れがあります。
納付する税額が50万円以下の場合は15%、100万円以上の場合は20%を無申告加算税として納付が求められます。
また確定申告の期限を過ぎてから自主的に申告を行なった場合、期限後申告として扱われます。
期限後に自主的に申告した場合でも無申告加算税は課せられますが、5%で済むため気づいた時点で申告を行ないましょう。
期限後でも無申告加算税の対象にならないパターンも一部あるため確認が必須です。
Q. 確定申告を専門家に頼むべきタイミングは?
遅くとも12月末までに依頼するようにしましょう。
例年、税務会計士は年明けから3月半ばくらいまでは繁忙期であり新規の依頼を断っている事務所が多いです。
税金のプロとは言えど短期間で準備をするのはできないので遅くとも申告をする年の12月末までには依頼をしましょう。
マンション経営の確定申告をスムーズに行うために事前に流れを把握しておこう
マンション経営で不動産収入が年間で20万円以上発生する人は確定申告が必要となります。
仮に申告を行なわなかった場合、通常の納付する税額に追加してペナルティが発生するため正確に申告できるように準備しましょう。
初めての申告で不安という人は税務署や商工会議所、役場などで指導を受けることも可能です。
また本業に集中したいという方は税務会計士を利用することも検討していきましょう。
無申告の状態で放置をしてしまうのが一番まずいので周囲を頼りながら確実に申告できるように準備をすることが大切です。
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