北海道は日本で最北端に位置し、人口も約560万人を超えるエリアで、不動産投資を行う上でも長期的な需要を見込めます。
降雪によるマンション・アパート需要の高さや、札幌市への人口流入などを考慮して、投資戦略を適切に組み立てることが大切です。
しかし、北海道内で不動産投資に適したエリアはどのあたりか、不動産投資を行う上での注意点はあるのか、初心者の方は疑問に感じることも多いでしょう。
そこで本記事では、北海道で不動産投資を行うメリットを紹介します。
北海道の特徴やおすすめエリア、注意点も解説するため、遠方から道内の不動産への投資を検討している方も参考にしてください。
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北海道の特徴
北海道の基本情報について、特徴を抑えておきましょう。
- 北海道の特徴
- 札幌市の人口
- エリアごとの家賃相場
北海道の特徴
日本最北端の北海道は、太平洋・日本海・オホーツク海の三つの海に囲まれた広大な島です。
統計資料に基づいたデータによれば、人口は約514万9405人(男性約243万、女性約271万)を擁しており、日本人口の約4.1%を占めています。
また、面積は83,424㎢で、日本国土の面積の約22.1%を占めており、九州と四国の合計面積よりも広くオーストリア国とほぼ同じ規模です。
札幌市の人口
2023年現在、北海道の総人口は514万人で、そのうち札幌市に在住している方は195万9512人です。
一時期、札幌市の人口は200万人を超えていましたが、2021年・2022年の調査では減少傾向を示しています。
しかし、札幌市内の需要は高いため、エリアの選定を的確に行うことで、空室を恐れずに不動産投資へチャレンジ可能です。
札幌市の人口減少は現在も進行中ですが、2030年までの人口減少ペースは比較的緩やかと推測されています。
エリアごとの家賃相場
北海道で人気の高い「札幌市中央区・札幌市北区・札幌市西区」の家賃相場をまとめました。
1R・1DK | 札幌市中央区 | 4.85万円 |
---|---|---|
札幌市北区 | 4.07万円 | |
札幌市西区 | 2.93万円 | |
1LDK・2DK | 札幌市中央区 | 6.23万円 |
札幌市北区 | 5.32万円 | |
札幌市西区 | 5.29万円 | |
2LDK・3DK | 札幌市中央区 | 8.99万円 |
札幌市北区 | 6.31万円 | |
札幌市西区 | 6.46万円 |
札幌市中央区は札幌市の行政区で、交通インフラの整備が整っており、企業の本支店なども集中しています。
また、西区・北区でも、単身者・ファミリー層向けの賃貸経営が検討できます。
北海道で不動産投資を行う際は、相場などをよく観察して需要を的確に見極めましょう。
北海道で不動産投資を行うメリット
北海道での不動産投資におけるメリットを紹介します。
- 札幌市の需要が高い
- 活発な再開発事業
- アパート・マンションのニーズが高い
札幌市の需要が高い
日本国内では、首都圏以外の多くの地域で人口が減少し、札幌市でも人口減少は続いていますが、区別で見るとマンション・アパートの需要が高くなっています。
特に注目すべきは、札幌市中央区・西区などで、 地下鉄駅やJR駅のあるエリアを中心に、大型分譲マンションの建設数が上昇している点です。
この背景には、特定のエリアで生活に不便を感じる方の人口流入も関係しているため、長期的な需要が見込めるでしょう。
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活発な再開発事業
北海道の中でも、札幌市での不動産投資はアパート・マンション需要の向上だけでなく、都市機能の向上や再開発事業も魅力です。
札幌駅周辺でも多くの再開発事業が進行中で、都市として更なる発展が期待されるため、単身者・ファミリー層向けの物件の需要が見込めます。
また、地下歩行空間「チ・カ・ホ」が開通によって大通駅や市役所本舎、北海道経済センタービルへ簡単にアクセスでき、積雪などへの対策も万全です。
アパート・マンションのニーズが高い
北海道でも札幌市などは、年間の降雪量が約500cmを超えるほどの厳しい冬を迎えます。
そのため、一戸建ての賃貸住宅では、入居者自身が雪かき作業を行う必要があり、敬遠される傾向もあります。
反対に、マンションや集合住宅では、雪かきなどの作業は管理会社へ一任できるため、賃貸の選択肢としてアパート・マンションのニーズが高いです。
北海道で不動産投資を行うデメリット
北海道での不動産投資におけるデメリットを紹介します。
- 管理業者への管理委託費が高い
- 降雪などによる修繕費が高額になるリスクがある
管理業者への管理委託費が高い
北海道にて不動産投資を始める際、他の地域と比較すると物件の管理委託費が高額になる恐れがあります。
他の都市で必要のない雪対策や、雪かき業務を管理会社へ一任できるため、コストが嵩みます。
長期的な経営を検討している方は、コスト面を総合的に評価して、エリアや物件を選択しましょう。
降雪などによる修繕費が高額になるリスクがある
中古の収益物件を購入する際、北海道は降雪による災害が考えられるため、築年数に見合った劣化がないかを確認することが重要です。
降雪や積雪によって、設備の劣化や破損が進行しやすく、札幌市などの物件では購入後に高額な修繕費が発生するリスクがあります。
風除窓や雪囲いパネルの設置、屋根の雪対策リフォームなど、空室リスクを回避するためにも対策を徹底しましょう。
北海道で不動産投資におすすめのエリア
北海道での不動産投資でおすすめのエリアを紹介します。
- 札幌市中央区
- 札幌市西区
- 札幌市北区
札幌市中央区
札幌市中央区は、都心の華やかさと整った街並みが魅力で、賃貸需要も高いです。
官庁や数々の企業、商業・文化施設が密集し、緑豊かな自然環境や歴史的な建造物も豊富なため、地元住民だけでなく観光客からも愛されるエリアです。
オフィス街でもあり単身者の居住が多いですが、子育て支援にも力を入れていることからファミリー層からも人気を集めます。
地価の上昇率が高いため、他のエリアと比べて物件価格が高くなる傾向がありますが、安定した賃貸経営が可能です。
札幌市西区
札幌市西区は、豊かな自然と治安も良いエリアで、子育てに最適な環境です。
交通面も抜群で、大通駅や札幌駅周辺、さらには新千歳空港へのアクセスもスムーズにできます。
五天山公園でのキャンプやバーベキューや、白い恋人パークで楽しめる街並みなど、家族でのお出かけ先としても人気です。
そのため、ファミリー層をターゲットにした、ファミリー向けマンションへ投資することで安定した経営ができるでしょう。
札幌市北区
札幌市北区からは、地下鉄やJR、バス路線も多いため、簡単に札幌駅までアクセス可能です。
また、自家用車での移動は、札幌北インターから小樽や新千歳空港もスムーズに行けます。
北区には北海道大学札幌キャンパスや藤女子大北16条キャンパスといった大学があり、学生向けの賃貸住宅需要が高い方、大学の職員や家族への需要も高いでしょう。
ワンルームマンション投資だけでなく、学生向けの一棟アパート投資などを検討することもおすすめです。
北海道で不動産投資を行う注意点
日本で最北端に位置する北海道での不動産投資は、以下のポイントに注意する必要があります。
- 降雪や積雪への対策
- 礼金や更新料を設定する習慣がない
- 札幌市や札幌市近郊の物件を狙う
降雪や積雪への対策
北海道内でも、函館市や室蘭市などの道南・道東エリアでの積雪対策は必要ありませんが、それ以外の日本海側・道北エリアでの雪対策は欠かせません。
- 二重サッシや二層窓の設置
- 暖房の設置
- 断熱性能を向上させる工法
- 敷地内・前面道路にロードヒーディングを設置
- 前面道路に除雪車が侵入できるかの確認
物件自体のコストは、寒冷地用住宅の技術である断熱工法・二重サッシなどは、通常価格に含まれているため、他の地域での建設にかかるコストと差はありません。
しかし、ロードヒーディングや暖房の設置に関しては、初期費用が高額になる場合もあるので注意が必要です。
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礼金や更新料を設定する習慣がない
賃貸契約の習慣は全国一律ではなく、地域ごとに違いがあります。
首都圏や京阪圏、東海圏などの主要都市圏で一般的な礼金や更新料は、北海道にはありません。
そのため、北海道で礼金や更新料を取り入れた場合、条件が近い物件へ流れてしまうリスクも考えられます。
収益のシミュレーションを行う際は、礼金や更新料による収入が得られないことを前提に行いましょう。
札幌市や札幌市近郊の物件を狙う
北海道内で最大の経済圏である札幌市と札幌市近郊には、地元企業だけでなく、全国の大手企業の支店・支社が集中しています。
多くの人材や労働力、その家族などを道内外から集めているため、札幌市と札幌市近郊での人口は、他のエリアと比較しても多いです。
空室リスクは、不動産投資において一番避けるべきリスクのため、北海道での不動産投資は交通インフラや人口数でも安定している、札幌市や札幌市近郊の物件を狙いましょう。
北海道で不動産投資を成功させよう!
北海道で不動産投資を行うメリットやおすすめエリアについて解説しました。
北海道での不動産投資は、各エリアの特徴を理解し、地域の賃貸需要を反映させた戦略が必要です。
特に、積雪への対策やその関連コストの事前シミュレーションは欠かせません。
遠方からの賃貸経営を検討している方は、北海道内の不動産業者や不動産関連の企業から、適切なアドバイスを受けましょう。