株式投資の勉強をしていると必ず目にする「権利落ち日」。
株式投資初心者の方は特に、難しく感じられるのではないでしょうか。
今回はそんな「権利落ち日」について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
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1.「権利落ち日」を簡単に解説
権利落ち日…株主がある銘柄を保有することで、株主権利(配当・株主優待)を受け取ることができる最終日の翌営業日のこと。権利落ち日以降に株を購入しても、株主権利を得ることができない
2.「権利落ち日」を丁寧に解説
「権利落ち日」とは?わかりやすく解説
では、「権利落ち日」についてわかりやすく解説していきます。
権利落ち日とは、簡単に言えば、配当や株主優待といった株主の権利を受け取れる最終期限日の次の日のことです。
つまり、権利落ち日に株を買っても、配当や株主優待を受け取ることはできません。
残念な日ということですね…。
「権利落ち日」が関係するのは「配当」と「株主優待」
では、権利落ち日はどんな時に重要になってくるのでしょうか?
答えは、「配当」と「株主優待」を受け取りたいときです。
株式投資には、主に以下の3通りの稼ぎ方があります。
- 値上がり益…「安く買った株を高く売る」ことで、差額が利益となる方法
- 配当益…株主に対し、会社の利益の一部を還元することで得られる利益
- 株主優待…自社の商品や割引券という形で株主に利益を還元する方法
このうち、配当益と株主優待を受け取るために、権利落ち日が関係してきます。
配当と株主優待を受け取るには、権利落ち日以降に株を買ってはいけません。
「どういうこと?」と思われている方が大半ですよね。詳しくご説明していきます。
まず、配当と株主優待を受け取るには「権利確定日」に株主でいる必要があります。
株主と権利確定日は、皆さんご存じですか?
株主…企業の株を持っている人のこと。株主は会社のオーナー
権利確定日…企業の決算日。細かい日時は企業によって異なる。この日に株主であれば株主優待を受けることができる
しかし、だからといって権利確定日に買っても配当や株主優待を受け取ることはできません。
なぜなら、株主として株主名簿に名前が登録されるには、権利確定日の3営業日前までに株を買わなければならないためです。
この権利確定日の3営業日前の日のことを権利付き最終日といい、権利付き最終日の翌日が今回ご紹介する「権利落ち日」です。
権利付き最終日…権利確定日の3営業日前。この日に株主でいることで、権利確定日に株主名簿に名前が記載される。つまり、配当金と株主優待を受け取るためには、権利付き最終日に株主でいることが必須
つまり、権利確定日に株主でいるには、3営業日前の権利付き最終日までに株を買う必要があるということです。
「権利落ち日」までのスケジュールは?
多くの言葉がでてきて、頭がこんがらがっている方が多いのではないでしょうか?そこで、表にして「権利落ち日」までのスケジュールをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
2月1日 | 4営業日前 | |
2月2日 | 3営業日前 | 権利付き最終日 この日に株主であれば配当を受け取れる |
2月3日 | 2営業日前 | 権利落ち日 この日に株主になっても配当は受け取れない |
2月4日 | 1営業日前 | |
2月5日 | 権利確定日 | |
2月6日 |
初心者の方にとっては、複雑で難しいですよね。
よく分からなくなったらぜひ上記の表を参考にしてください!
知らないと損?「権利落ち日」で必ず知っておいてほしいポイント
権利落ち日がどのようなものか、ご理解していただけたでしょうか。
では、ここからは「権利落ち日」で必ず知っておいてほしいポイントを以下の3点ご紹介していきます。
- 権利落ち日は株価が下がる
- 権利落ち日を利用した空売りがお得
- 「権利落ち日」「権利確定日」「権利付き最終日」の3つを整理しよう
どれも知らないと損をしてしまうので、ぜひ頭の片隅にでも入れてください!
権利落ち日は株価が下がる
ポイント1点目は、権利落ち日は株価が下がることです。
なぜなら、配当や株主優待を得るために、多くの投資家が権利付き最終日を目指して株を買うからです。
反対に、権利付き最終日の翌日、つまり「権利落ち日」は配当金や株主優待目当ての投資家が株を売ってしまうため、株価は下落します。
本当に配当や株主優待の内容が魅力的だと思うなら、株価の動きを気にせずに売買するのも一つの投資手法です。
しかし、値上がり益がメインで配当益や株主投資をおまけと考えるなら、権利付き最終日直前に株を買うのは損をすることになるので避けることをおすすめします。
権利落ち日を利用した空売りがお得
権利落ち日は、株価が下がると申し上げましたが、ここまで読んでくださった方のなかには「権利付き最終日に空売りをして、下がったところで買戻しすれば利益がでるのではないか」と思われた方も多いのではないでしょうか。
実際、確かに利益は出ます。
しかし、1点注意していただきたいことがあります。
空売りしている場合、空売りしている分の配当金を支払わなければならないことです。
つまり、空売りをしている場合以下のことを理解しておく必要があります。
- 売却益<支払う配当金⇒損失が出る
- 売却益>支払う配当金⇒利益が出る
権利落ち日を利用した空売りは確かに儲かりますが、注意も必要です。
「権利落ち日」「権利確定日」「権利付き最終日」の3つを整理しよう
では、最後に「権利落ち日」「権利確定日」「権利付き最終日」の3つを整理しましょう。
- 権利確定日…企業の決算日。詳細な日時は企業によって様々。権利確定日に株主でいることで、配当金と株主優待を手に入れることができる
- 権利付き最終日…権利確定日の3営業日前。この日に株主でいることで、権利確定日に株主名簿に名前が記載される。つまり、配当金と株主優待を受け取るためには、権利付き最終日に株主でいることが必須
- 権利落ち日…権利付き最終日の翌日。この日に株主になっても配当金や株主優待を受け取ることはできない
「権利落ち日」が関係するもの①配当
権利落ち日がどのようなものかはご理解していただけたでしょうか。
では、ここからは権利落ち日が関係する「配当」について、詳しくご説明していきます。
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配当とは?
そもそも配当とは、どのようなものか皆さんご存じですか?
配当…会社が稼いだ利益の中から、株主が直接受け取れる分け前のこと
つまり、企業の株を保有している人(=株主)に対して、企業の利益の一部を現金で配布するのです。
つまり、株を買う=企業のオーナーになることができるため、会社が利益を上げれば持っている株に応じて分け前を受け取ることができるのです。
また、配当金は会社の業績によって、増えたり減ったりすることはありますが、比較的着実に利益を得られる方法です。
ただし、1点注意しておくべきことあります。
それは、すべての企業が配当を出すわけではないことです。
例えば、業績が悪い企業は利益に余裕がないため、配当金を出すことはありません。
また、ベンチャー企業はたとえ利益が出ても新規事業の資金に回すことが多いため、配当金を出さないところが多いです。
配当金を受け取りたいなら、投資する企業は今後業績が悪化しそうにないか、また配当を実施しているのかを事前に確認してから投資するようにしましょう。
配当は具体的にいくらもらえる?
配当は、企業の利益の一部を受け取ることができるものだとお伝えしました。
では、具体的に配当はいくらもらえるのでしょうか。
細かい金額は企業によって異なります。
しかし、企業がどの程度配当を渡してくれるのかを調べる方法があるので、詳しくご紹介していきます。
配当をどの程度受け取れるか調べる方法は、「配当利回り」です。
では、「配当利回り」とはなんでしょうか?
配当利回り…購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値
つまり、配当利回りが分かれば大体いくら程度の配当金を手に入れることができるのか分かるのです。
では、具体的に配当利回りはどのように求めることができるのかご説明します。
配当利回り(%)=1株当たりの配当金÷現在の株価
例えば、以下のような2つの企業の株があったとします。
会社名 | A社 | B社 |
---|---|---|
1株あたりの株価 | 1000円 | 500円 |
1株あたりの配当金 | 10円 | 10円 |
上記のどちらがお得に感じますか?
1株あたりの配当金が同じなら、株価が安く投資額が低くなるB社ですよね。
これが配当利回りです。
それぞれの配当金を求めると以下のようになります。
- A社 1株あたりの配当金10円÷株価1000円=配当利回り1%
- B社 1株あたりの配当金10円÷株価500円=配当利回り2%
つまり、配当利回りが高ければ高いほどもらえる配当金は高くなりお得であるということです。
ちなみに、日本の平均配当利回りは約2%なので、投資したい企業の配当金利回りを見る際には2%を基準に高いか低いかを判断するとよいでしょう。
中には配当利回り6%という企業もあるため、ぜひチェックしてみてください!
配当を受け取るための条件
配当がいくらもらえるかは、配当利回りをチェックすればよいとご理解していただけたでしょうか。
最後に配当を受け取るための条件をご紹介します。
配当を受け取るための条件は、権利確定日に株主でいることです。
ここで、権利確定日について、再度確認しましょう。
権利確定日…企業の決算日。詳細な日時は企業によって様々。権利確定日に株主でいることで、配当金と株主優待を手に入れることができる
しかし、権利確定日に株を買っても配当を受け取ることはできません。
なぜなら、株主として株主名簿に名前が登録されるには、権利確定日の3営業日前(=権利付き最終日)までに株を買わなければならないためです。
ちなみに、権利確定日の2営業日前がこの記事でご紹介している「権利落ち日」です。
極端なことを言うと、権利付き最終日に買って権利落ち日に売れば、株を1日しか保有してなくても配当金がもらえるのです。
そのため、権利付き最終日に向けて株価が上がり、権利落ち日に株価が下がることは頻繁に起きています。
もし配当金目当てで株を買うなら、権利付き最終日の数週間前までに買っておくのがおすすめです。
無事に配当をもらう権利を得たら、確定日から2ヶ月くらいで税引きされた金額の配当金を受け取れます。
最後に配当のポイントをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
- 配当とは、会社が稼いだ利益から株主が直接受け取れる分け前のこと
- 配当金がいくらもらえるかは、配当金利回りでわかる(平均2%で、高いほどお得)
- 配当金を受け取るには権利確定日に株主でいることが必須
- 権利確定日に株主でいるには、3営業日前の権利付き最終日に株主でいる必要がある
「権利落ち日」が関係するもの②株主優待
「権利落ち日」が関係するもの2つ目は、株主優待です。
株主優待は配当よりもよく耳にしますが、よくわかっていない方も多いのではないでしょうか。
詳しくご説明していきます。
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株主優待は企業からのプレゼント
株主優待は、簡単に言うと「企業からのプレゼント」です。
株主優待…株を持っている人(=株主)に対し、会社の利益を還元する制度の一つ。自社の製品や割引券など、特徴は企業によって様々
お得になる額としては少ないです。
しかし、現金に換算するとかなり高利回りの銘柄は多く存在します。
配当と株主優待を合わせて実質利回りが5%の銘柄もあるのです。
例えば、貯金をしようと銀行で預けても、利回りが5%と高くなるのはあり得ないですよね。
よい銘柄を選べば配当と株主優待だけでも利益を得ることは十分可能なのです!
株主優待ではどんなものをもらえるのか
では、具体的に株主優待ではどんなものをもらえるのでしょうか。
主に以下の3種類からもらえる企業が多いです。
- 食品
- 金券・チケット
- 自社製品
食品は、やはり一番人気です。
例えば、ダイドードリンコでは自社製品の詰め合わせを年2回受け取ることができます。
もし好きな飲食店や製品があったら、それらを提供している企業を探してみるのも良いでしょう。
また、金券やチケットは株主優待の中でも最も普遍的に利用できます。
せっかく株主優待をもらっても活用できなければ意味がありません。
金券やチケットであれば、活用できる場面が多いので非常におすすめです。
最後に、企業の製品が好きな方にはとても嬉しい自社製品がもらえる株主優待もあります。
例えば、化粧品会社のファンケルでは、3000円相当の自社製品、または「ファンケル銀座スクエア」利用券を受け取ることができます。
特に女性は好きな洋服や化粧品のブランドがある方も多いのではないでしょうか。
ぜひ好きなブランドを提供している企業の優待特典を調べてみてください!
株主優待を受け取るための条件
株主優待がだいたいどのようなものか、イメージしていただけたでしょうか。
では最後に、株主優待を受け取るための条件をご紹介します。
株主優待を受けとるための条件は、配当と同じく、権利確定日に株主でいることです。
つまり、権利確定日の3営業日前(=権利付き最終日)までに株を買う必要があります。
権利確定日の2営業日前(=権利落ち日)以降に買っても株主優待を受けとることはできないので、注意してください。
以下株主優待のポイントをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
- 株主優待は企業からもらえるプレゼント
- 優待内容は、主に「食」「金券」「自社製品」の3つ
- 株主優待をもらうには権利付き確定日の3営業日前までに株を購入することが必須
「権利落ち日」のポイント
- 権利確定日…企業の決算日。詳細な日時は企業によって様々。権利確定日に株主でいることで、配当金と株主優待を手に入れることができる
- 権利付き最終日…権利確定日の3営業日前。この日に株主でいることで、権利確定日に株主名簿に名前が記載される。つまり、配当金と株主優待を受け取るためには、権利付き最終日に株主でいることが必須
- 権利落ち日…権利付き最終日の翌日。この日に株主になっても配当金や株主優待を受け取ることはできない
「権利落ち日」の関連キーワード
・配当
・株主優待
・権利確定日
・権利付き最終日