株主という言葉はよく聞くけど、どんなメリットを受けられるかはいまいちよく分からないという方は多いのではないでしょうか。
株主は一部のお金持ちしかなれないと思っている方も多いのですが、実は株主は誰でも簡単になることができます。
さらに、多くのお得なメリットを受けることもできるのです!
今回は、株主のメリットやなる方法、注意点などを、株式投資初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
そもそも株主とは
では、早速株主のメリットについてお伝えする前に、そもそも株主とはどのようなものか簡単にご説明します。
株主とは具体的にどのようなものか、皆さん理解できていますか?
株主…会社に出資した変わりにその会社の株を持っている人のこと。会社のオーナー
つまり、株主とは簡単に言えば会社のオーナーです。
株式投資をすることで、誰でも会社のオーナーになれるのです。
多くの人は、「自分が会社のオーナーなんて考えられない」と思うかもしれませんが、例えば、トヨタでもソニーでもYahoo!でも、数万~数十万程度のお金から株を買うことができます。
ただ、オーナーと言っても会社を自分一人で好きなようにできるわけではありません。
あくまでも共同オーナーの一人であるということです。
極端なことを言えば、会社が発行している株をすべて買い占めれば、その会社を100%自分のものにすることができます。
反対に1株だけ買うなら1株分だけその会社のオーナーになれるということです。
株主になるメリット
では、株主になることで、具体的にどのようなメリットを受けることができるのか、ご説明していきます。
株主が受けられる主なメリットは、以下の3つです。
- 経営参画ができる
- 配当金を受け取ることができる
- 株主優待を受けられることができる
それぞれ詳しくご説明していきます。
1.経営参画
株主が受けられるメリット1つめは、経営参画ができることです。
先ほどお伝えしたように、企業の株を購入することでどなたでも株主=会社のオーナーになることができます。
つまり、会社の経営に参加する権利を得ることができるのです。
では、具体的にどのように経営参画ができるのでしょうか。
答えは、株主総会に参加できるのです。
株主総会…株主が集まって重要なことを採決したり承認したりする会議のこと。原則として、年に1回行われる
株主総会では、企業を経営するに当たって重要な事項を決定します。
例えば、後ほどご紹介する「配当金」を出すか、出さないのかも株主総会で決定されるのです。
株を買うだけで、会社の経営に参加できるって、なんだかわくわくしますよね。
ちなみに、少し上級編になるのですが、「共益権」についてもご説明させていただきます。
共益権とは、会社経営に参加できる権利です。
共益権は、以下の2つの権利があります。
- 単独株主権…1株でも所有していれば得られる権利
- 少数株主権…一定株式数、または一定割合の株式を所有する株主のみが得られる権利
なぜ単独株主権と少数株主権があるのでしょうか。
答えは、会社経営の重要な決定をするにあたって、1株でも有していれば行使できるとしてしまうと、会社の経営に混乱をきたす可能性があるからです。
では、単独株主権と少数株主権の具体例について詳しくご紹介していきます。
ここに挙げたのはほんの一例です。
【単独株主権】
- 株主総会における議決権
- 取締役の違法行為を差し止め請求する権利
- 会社が新規に株式を発行するのを差し止め請求する権利
- 株主総会で行なわれた決議の取り消しの訴えを提起する権利
【少数株主権】
- 議題提案権(株主総会で議題を提案する権利):議決権の100分の1または株式数300以上
- 議案通知請求権(株主総会で提出する予定の議案を、別の株主に通知するよう要求する権利):議決権の100分の1または株式数300以上
- 株主総会の招集手続きについて検査役を選任するよう求める権利:議決権の100分の1
このように、株を多く持てば持つほど、会社にとって重要な決定を下すときに大きな力を持つことができるのです。
2.配当
株主が受けられるメリット2つめは、配当金を受け取ることができることです。
では、そもそも配当がどのようなものか、ご存じですか?
配当…会社が稼いだ利益の中から、株主が直接受け取れる分け前のこと。配当は年に1回か2回行われる
つまり、株を買う=その企業のオーナーになることができるため、会社が利益を上げれば持っている株に応じて分け前を受け取ることができるのです。
また、配当金は会社の利益が大きくなれば増え、業績が悪くなれば減りはするものの、手持ちのお金が減ることはないため、着実に利益を得られる方法と言えるでしょう。
ただし、すべての企業が配当を出すわけではないことに注意してください。
例えば、業績が悪い企業は利益に余裕がないため、配当金を出すことはありません。
また、ベンチャー企業はたとえ利益が出ても新規事業の資金に回すことが多いため、配当金を出さないところが多いです。
配当金を受け取りたいなら、投資する企業が利益の上がる事業をしているのか、また配当を実施しているのかを事前に確認するようにしましょう。
3.株主優待
株主が受けられるメリット3つめは、株主優待を受け取ることができることです。
では、株主優待とはどのようなものなのでしょうか。
株主優待…株を持っている人(=株主)に対し、会社の利益を還元する制度の一つ。自社の製品や割引券など、特徴は企業によって様々
つまり、簡単に言ってしまえば株主優待とは企業からのプレゼントです。
内容は企業によって様々ですが、自社製品や割引券、食などが多いと言われています。
配当に株主優待を加えた実質配当利回りが5%超える銘柄も多いです。
普通に銀行で預けても、利回りが5%と高くなるのはあり得ないですよね。
つまり、配当と株主優待だけで利益を得ることも十分可能なのです!
配当と株主優待を受け取る条件
1点注意してほしいことがあります。
それは、配当と株主優待を受け取るには「権利確定日に株主でいる」条件があることです。
では、権利確定日とはなんでしょうか。
権利確定日…企業の決算日。詳細な日時は企業によって様々。権利確定日に株主でいることで、配当金と株主優待を手に入れることができる
ここまで読んでいただいた方のなかには「じゃあ権利確定日に株を買えばいいのか」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、権利確定日に株を買っても配当金を受け取ることができません。
なぜなら、株主として株主名簿に名前が登録されるには、権利確定日の3営業日前までに株を買わなければならないためです。
この権利確定日の3営業日前の日のことを権利付き最終日といい、権利付き最終日の翌日を権利落ち日と言います。
- 権利付き最終日…権利確定日の3営業日前。この日に株主でいることで、権利確定日に株主名簿に名前が記載される。つまり、配当金と株主優待を受け取るためには、権利付き最終日に株主でいることが必須
- 権利落ち日…権利付き最終日の翌日。この日に株主になっても配当金や株主優待を受け取ることはできない
たくさんの言葉がでてきて分かりにくいと思うので、例として下の表にまとめました。
ぜひご覧ください。
2月1日 | 4営業日前 | ||
2月2日 | 3営業日前 | 権利付き最終日 | この日に株主であれば配当を受け取れる |
2月3日 | 2営業日前 | 権利落ち日 | この日に株主になっても配当は受け取れない |
2月4日 | 1営業日前 | ||
2月5日 | 権利確定日 | ||
2月6日 |
つまり、権利付き最終日に買って権利落ち日に売れば、株を1日しか保有してなくても配当金がもらえるのです。
「超お得じゃん!」と思われるかもしれませんが、他の投資家も同じように考えています(笑)
そのため、権利付き最終日に向けて株価が上がり、権利落ち日に株価が下がることは頻繁に起きています。
もし配当金や株主優待目当てで株を買うなら、権利付き最終日の数週間前までに買っておくのがおすすめと言えるでしょう。
株主になるデメリット
株主になることで考えられるデメリットは下記の通りです。
- 業績悪化により資産が減るリスクがある
- 倒産により株式の資産価値が無くなるリスクがある
業績悪化により資産が減るリスクがある
株式を購入して株主になった後、購入時よりも株価が下落することも考えられます。
株の価値が下がることはつまり資産が減ることでもありますから、結果として損失が発生するリスクがあります。
これを値下がり益(キャピタルロス)ともいいます。
また企業の業績が悪かった場合や、経営方針の見直しによって配当金が減少することもあります。
倒産により株式の資産価値が無くなるリスクがある
万か一会社が倒産すると、購入した株式の資産価値が無くなります。
持株数に応じて、会社に残っている資産は株主に返金されますが、それでも多くの場合損失は避けられないでしょう。
また、会社の不祥事などで上場廃止になった場合、株式の価値が激減するリスクもあります。
株主になる方法
株主になるとお得がいっぱいとおわかりいただけたでしょうか。
では、ここからは具体的にどのように株主になるのかをご紹介していきます!
ぜひ参考にしてください。
株を買えば誰でも株主になれる
株主になるには、株を買えばよいのです。
では、株はどのように買うことができるのでしょうか。
株を買うには、証券会社で株取引専用の口座を開く必要があります。
証券会社には、多くの数がありそれぞれ様々な特色があります。
手数料や情報提供サービス、取り扱う金融商品も証券会社によって全く異なります。
自分の投資スタイルと掛け合わせ、どのようなサービスを受けたいのか、株以外の金融商品で買いたいものは何か、を整理し最適な証券会社を選びましょう。
証券会社を選ぶ際のポイントは以下の4つです!
- 手数料
- 情報の充実度
- 取り扱い商品
- 経営の安全性
株式投資初心者が優良銘柄を見つける方法
株式投資初心者が優良銘柄を見つけるには、身近な企業に目を向けることが大切です。
日本国内の証券取引所に上場する会社は3700以上もあります。これだけの数があるのに加えて、ネットや新聞、書籍、マネー誌等で有望銘柄の情報も溢れています。
とても一人では把握することはできません。
初心者の方は、このような莫大な量の情報を誰よりも早く入手し取捨選択することは大変難しいです。
「自分には知識も経験もないから外部からの情報を参考にして銘柄を選んだ方がいいのでは…?」と思う方もたくさんいらっしゃるかと思います。
しかし、それでも自分の身近にある会社の中から選ぶことをおすすめします。
なぜなら、身近な会社であればその会社の魅力を自分自身の経験や知識で考えることができるからです。身近にあるお店や商品であれば、定期的に点検することができます。
自分自身で得た情報や知見は、外部からの情報よりもよっぽど信頼性があります。
もし持っている会社の株価が下がった場合にも、売るべきか売らぬべきか根拠をもって判断できるのです。
経験と知識がない初心者だからこそ、身近な会社の銘柄にすることが成功のカギなのです。
株主になるリスク・注意点
株主には多くのメリットがありますが、当然リスクもあります。
リスクを完全に避けることができませんが、どのようなリスクがあるかを理解し対策することで、十分リスクを低減させることができます。
では、具体的に株式投資にはどのようなリスクがあるのか、またどんな対策を取ればよいのか、ご紹介していきます。
株価値下がりリスク
株式投資において、最も危険なリスクは株価値下がりリスクです。
株価値下がりリスクとは、買った株が値下がりしてしまい、買値より低い値段でしか株が売れなくなってしまうことです。
この株価値下がりリスクが株式投資において最も代表的なもので、投資家が一番対策するべきリスクと言えるでしょう。
つまり、株式は普遍的な価値はなく、1万円にでも1円にでもなり得るものなのです。
たとえば、100万円で購入した株が株価暴落にともない70万円の価値になってしまった場合、30万円も損をしてしまうことになります。
株は、通貨と違い額面の価値が変動します。
1万円の通貨には常に1万円の価値がありますが、1万円分の株は、10万にも1000円にもなる可能性があるということです。
株には普遍的な価値はないことを理解した上で投資することが大切だということですね。
株式の流動性リスク
もうひとつ覚えておいてほしいリスクは、株式の流動性リスクです。
流動性とは、株式の売買のしやすさです。
株式売買は売り注文と買い注文の需要と供給が一致することで初めて成立します。
ある銘柄を売りたい人が多くいても、買いたい人がいなければ売買が成り立ちません。この状態を流動性が低いと言います。
流動性が低い銘柄だと、売りたい値段よりも低い値段でしか売ることができません。これでは儲けることは難しいですよね。
流動性が高い銘柄を選んだ方が無難だということです。
- 流動性が高い…人気があり売買が盛ん
- 流動性が低い…任意がなく株を売るのが困難
リスクを軽減には分散投資が有効
では、上記のような株式投資のリスクを軽減させるにはどうしたらよいのでしょうか。
最も有効だと言われているのは、分散投資です。
では、そもそも分散投資とはどのようなものなのでしょうか。
分散投資…あえて一つのものに集中させず異なる性質のものに分散して投資すること
つまり、分散投資とは、その名の通り資産を様々な形で分散させることで、株式投資で起こりうるリスクを低減させる方法です。
例えば、100万円の資産を投資する場合、
① A銘柄:100万円
② A銘柄:40万円、B銘柄:30万円、C銘柄:30万円
では、②の方が資産分散できているため、株価が値下がりした際のリスクが低減されますよね。
一極集中投資はリターンが大きくなる可能性は高まりますが、その分失敗したときのリスクも大きくなることを覚えて投資しましょう。
株主になるメリットを理解して株式投資を始めよう
いかがでしたでしょうか。
株主には、会社経営に参加できるだけでなく、配当や株主優待と言ったお得なものを受け取ることができます。
利回りで言えば、配当と株主優待を合わせれば、通常の銀行に預けるよりもかなり高利回りでお得になります!
株さえ購入すればどなたでも株主になることができるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。