株式投資やFXをしている方は、「CFD」という言葉を耳にしたことが多いのではないでしょうか?
CFDを聞いたことはあっても、どういった投資なのか理解していない方も少なくはないと思います。
CFD取引は一般的に知られていない金融商品ではありますが、便利な仕組みの投資方法です。
本記事ではCFDについての解説とメリット・デメリットを紹介していきます。
CFD取引の基本的な仕組み
CFDとは、「Contract For Difference」の略語で、日本語では「差金決済取引」の意味になります。
株式投資では現物の株式売買で利益を出しますが、差金決済取引は現物の売買は行いません。
CFD取引は、FXと同様に預けた証拠金で対象銘柄を売買差金で決済します。
CFD取引はFXに似ていると思う方も多いのではないでしょうか?
事実FXはCFD取引の一種であり、通貨取引に特化している差金通貨取引になります。
FX経験がある方には、比較的にCFD取引の感覚もつかみやすいでしょう。
CFD取引の種類
CFD取引の種類には2つあります。
- 取引所CFD
- 店頭CFD
取引所CFDは、取引所の管理運営を行っており日本では「クリック株365」が唯一の取引所CFDです。
店頭CFDは、CFD会社により管理運営されています。
店頭CFDの場合は、CFD会社と投資家は利益相反関係になるので信頼できるCFD会社を選ぶことが大切です。
CFD取引のメリット
レバレッジ(倍率)をかけて取引できる
レバレッジとは、証拠金として投資元本を入れ元本よりも大きい金額の取引を可能にする仕組みです。
レバレッジをかけることで、小額の資金でも多くの利益を得る可能性があります。
例えると、証拠金を10万円入れた場合には100万円の取引を行うことができるのです。
投資した銘柄が110万円に値上がりすると、10万円の利益になり利益率は100%になります。
一般的な現物株取引では、100万円の投資でも10万円の利益で利益率は10%しかありません。
現物株取引と比べるとCFD取引の資金効率の良さがよく分かると思います。
半年などの期間で資産を5倍~10倍と増やした方の多くはレバレッジを利用して取引をしていることが考えられるでしょう。
売り注文から入ることが可能
CFD取引では、信用取引と同じく売りからのポジションで入ることができます。
株式投資では、一定の基準を満たして信用取引口座を開設するなど条件を満たさないと空売りすることはできません。
しかし、CFD取引ではFXなどのように売りからポジションを持てるので、利益を出せる可能性広がります。
相場は下落した時の方がスピードは速いので、売りのポジションを持てるのはメリットといえるでしょう。
24時間取引できる
CFD取引では、24時間いつでも参加できるメリットがあります。
午後3時に閉まってしまうので、日中仕事している方は取引市場にリアルタイムでの参加は難しいでしょう。
しかし、CFD取引では世界中の指数や金融商品が投資対象になります。
自身の仕事が終わった後でも、世界の何処かしらで開いている市場があるのです。
CFD取引は、リアルタイムで誰でも取引に参加できるのがメリットお一つといえます。
配当が受け取れる
CFD取引では、買いポジションを保有していると配当金相当額を受け取れる場合があります。
配当の額は取引金額に応じて計算されるため、配当金相当額にレバレッジがかかるのです。
レバレッジがかかることにより、配当額が大きくなりやすく利回りも大きくなる可能性が高いといえます。
売りポジションを保有していると、配当額相当を支払わなければならないので注意してください。
CFD取引に手数料がかからない
CFD取引では、レバレッジをかけて取引することで多額の手数料がかかる懸念をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
CFD取引には、手数料をかけることなく取引可能なのです。
しかし、日をまたぐ取引の場合はオーバーナイト金利がかかることがあり、全ての無料で取引できるわけではありません。
即日決済ですと手数料無料のメリットを活かせるのでおすすめです。
投資対象(銘柄)が豊富
取引対象の銘柄は、「証券CFD」「商品CFD」の2つに分類されます。
証券CFDの取引対象は株価指数先物や個別株式、株価指数などが対象であり、商品CFDでは金銀や原油が対象です。
CFD取引では、豊富な銘柄の中から取引対象を選べることが魅力といえます。
株式投資やFXでは、投資対象により専用口座の開設が別に必要があるのです。
しかし、CFD取引では口座を1つの開設で全ての銘柄が取引可能であり、手軽さもメリットといえます。
CFD取引のデメリット
レバレッジをかけるリスクがある
レバレッジにより少額の資金でも大きな利益を望める一方で、レバレッジをかけた分リスクが高くなるデメリットがあります。
CFD取引では、軽い気持ちで取引をしていると大きな損失を被ることになるでしょう。
ロスカットを使用すれば、元本以上の損失を防ぐことができますが急激に相場変動などが起きると元本以上の損失が出てしまいます。
元本以上の損失が出てしまうと、不足分の金額を追加で入金する必要もあるのです。
投資全般にいえることですが、レバレッジの倍率設定などリスク管理には入念に行うことが必要不可欠といえます。
追証の可能性がある
CFD業者に証拠金を預けることで、初めてレバレッジをかけた取引が可能になります。
しかし、証拠金の金額がCFDの評価額を割り込んでしまった場合には、FXと同様に追証が発生してしまうのです。
追証が発生すると、追加で資金を入金する必要がありCFD取引のデメリットといえるでしょう。
期日までに入金できない場合は、強制的に決済されてしまいます。
損切りラインや保証金の維持率を常に意識して、それに沿った取引を行う事が必要です。
専用のCFD口座開設が必要
CFD取引では、CFD専用の口座開設が必要になります。
一般的な証券会社では、取引できない点には注意をしましょう。
株式投資では、複数の口座で発生した利益・損失を「損益通算」することで納税額を少なくすることができます。
しかし、CFDでは株式投資と損益通算することができないのです。
CFD取引では、全ての証券会社がCFDを取り扱っているわけではありません。
CFD取引と株式投資を平行して行いたい方は、よく見極めて証券会社を選択する必要があります。
参考にできる情報が少ない
CFD取引では、株式投資や投資信託のように有名な取引ではないので情報が少ないのもデメリットといえます。
CFDは歴史が浅いため、関連本も少なくWeb上で得られる知識も限定的といえるでしょう。
CFDの情報を得るには、チャートツールに配信される「マーケットニュース」や「分析レポート」を参考にすると良いでしょう。
配当金を支払う場合がある
CFD取引では、買いポジションで入ることで配当金相当額を受け取れるメリットがあります。
しかし、売りポジションで入った場合には、買い方へ支払い義務が生じ、取引口座から相当金額が引かれることがあるのです。
買いポジションではメリットである配当金は、売りポジションではデメリットになることを覚えておきましょう。
CFD取引のリスクを回避するコツ
低レバレッジで取引する
CFD取引でリスクを減らして運用するには、低レバレッジで行いましょう。
レバレッジの目安は、3倍以下になります。
デメリットで紹介した強制ロスカットや追証をできる限り避けるには、レバレッジを下げるのがおすすめです。
レバレッジが1倍だとロスカットも追証も起こることはありません。
CFD取引では、利益ばかりに目を向けるのではなくリスク管理にも気を遣い安全に運用することが大事です。
信頼性の高い証券会社を利用する
リスクを減らして運用を行うには、信頼性の高い証券会社を利用することが大切です。
CFD価格は証券会社が自由に設定することができます。
店頭CFDは、証券会社が利益の出る価格を投資家に提示してくるので、信頼が重要となってきます。
証券会社の規模なども配慮しつつ、じっくり選ぶことをおすすめします。
CFDのメリット・デメリットを理解して賢く取引しよう
CFDの概要とメリット・デメリットについて紹介しました。
日本でもCFDを取り扱う証券会社は多くあり、仮想通貨(暗号資産)を対象にしているCFDなど取扱い銘柄が増えてきています。
自身の資産状況を考慮しメリット・デメリットを理解してリスクコントロールすれば、堅実にCFDで資産を増やしていくこともできるのです。
CFD取引を始める事で投資の幅も広がるので、興味のある方はCFDを検討してみてはいかがでしょうか?