不動産投資

土地活用に高齢者施設が向いているって本当?メリット・デメリットや経営方法を解説

編集者:Money Theory編集部

土地活用の方法として近年注目されている高齢者施設。

少子高齢化社会の現代では高齢者施設の需要が高まっており、長期的に安定した収入を得ることができます。

しかし土地活用で高齢者施設を選ぶメリットやデメリットが分からない、高齢者施設といっても具体的にどんな施設があるか知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は土地活用で高齢者施設を作るメリットやデメリットから、経営方法や施設の種類まで解説しました。

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土地活用に高齢者施設を作るメリット

roujinIMGL8080_TP_V土地活用の方法として高齢者施設を選ぶメリットは多く、他の土地活用では得られないものもあります。

下記が土地活用に高齢者施設を作るメリットになります。

土地活用に高齢者施設を作るメリット
  • 条件の悪い土地でも活かせる
  • 安定した収益が得られる
  • 管理の手間がほとんどない
  • 節税効果がある

各メリットについて詳しく解説していきます。

条件の悪い土地でも活かせる

土地活用の定番として挙げられるものはアパートやマンション経営ですが、こういった賃貸経営は駅や商業施設の近くの土地でないと需要があまりありません。

ですが高齢者施設は利便性の高さよりは、広い土地や閑静な環境が求められるので、他の土地活用に向かない土地でも生かすことができます。

安定した収益が得られる

高齢者施設の土地活用は需要の高さや業者への一棟貸しである点から、安定した収益が得られます。

高齢者施設は入居希望者がいても施設の定員が埋まっていて入居できないという問題があるくらい、需要に対して供給が足りていないので、一度作れば長期的に安定して収益が得られます。

また一棟貸しの物件は利用者の人数に関わらず固定料が支払われるので、賃貸のような空室リスクはありません。

管理の手間がほとんどない

高齢者施設の土地活用は基本的に一棟貸しで行われるので、管理の手間がほとんどないことがメリットとして挙げられます。

一棟貸しの物件は大規模な修繕以外のメンテナンスは事業者側が行うので、土地の所有者が行うことは何もありません。

大規模な修繕も10〜15年に一度になるので、その間は不労所得を得ることができます。

節税効果がある

こちらは多くの土地活用に当てはまることになりますが、持っている土地に建物を建築し、経営することで固定資産税や相続税を節税できます。

土地の面積が広くなるほど節税効果が大きくなるので、広い土地が必要な高齢者施設ではより効果を受けられます。

土地活用に高齢者施設を作るデメリット

メリットの多い高齢者施設での土地活用ですが、デメリットも存在します。

下記が土地活用に高齢者施設を作るデメリットになります。

土地活用に高齢者施設を作るデメリット
  • 賃料の下落リスク
  • 収益性が低い
  • 用途転用が難しい

各デメリットについて詳しく解説していきます。

賃料の下落リスク

土地活用で高齢者施設を作る場合、介護報酬改定によって賃料が下落するリスクがあります。

介護報酬改定とは
自治体から支払われる介護報酬で、3年に一度改定される。

介護報酬は高齢者施設を経営する事業者にとっては大きな収入源となりますが、改定によって下げられることも多く、介護報酬の下落によって賃料減額を申し出されることに繋がるのです。

賃料を下げないと事業者が倒産してしまい、そもそも賃料が入ってこなくなる場合もあるので注意しましょう。

収益性が低い

高齢者施設はアパートやマンションなどの土地活用と比べて、収益性は低くなります。

賃貸と比べて高齢者施設は賃料が低く設定されるので、利便性の高い土地ならアパートやマンションを建てた方が収益は大きくなります。

土地活用の方法にこだわりがない場合は、持っている土地に合った活用方法を選びましょう。

アパート経営初心者が知っておくべき基礎知識!リスクや成功するためのポイントを解説

用途転用が難しい

高齢者施設用に建物を作った場合、高齢者施設に合わせた特殊な内装をしているため、他の施設への用途転用が難しくなります。

もし今まで施設を運営していた事業者が撤退し、高齢者施設ではなく他の事業を始めようと思っても、まず今建っている高齢者施設を取り壊す必要があります。

また再度高齢者施設として使おうと思っても、新しい事業者が見つけることは難しくなります。

高齢者施設に適した土地

hospice-gebca7f1f7_1920高齢者施設に向いている土地は、下記の条件に当てはまるものになります。

高齢者施設に向いている土地
  • 300坪以上の広さがある
  • 車やバスでのアクセスがしやすい
  • 工業専用地域以外の用途地域である

高齢者施設は基本的に広い土地に建てるものなので、高齢者施設の土地募集条件は300坪以上であることが多いです。

また高齢者施設を利用する方の家族がアクセスしやすいように、車でのアクセスがしやすいように駐車場が完備されていたり、バスターミナルが近くにあることが求められます。

最後に、高齢者施設を建てることができる用途地域であるか確認しておきましょう。

用途地域とは

都市計画法によって定められた、建築できる建物の種類や用途を制限するルール。

住居系、商業系、工業系の3つに分かれ、そこからさらに13種類に分類される。

高齢者施設は基本的に工業専用地域以外ならどこでも建てることができます。

高齢者施設の経営方法

高齢者施設の経営方法は主に3つあります。

タイトル
  • 土地だけ貸し出す
  • リースバック方式
  • 自分で建物を建てて貸し出す

各経営方法について詳しく解説していきます。

土地だけ貸し出す

高齢者施設の経営方法として、土地だけを貸し出して建物の建築は事業者が行う方法があります。

土地を貸すだけなので初期費用がほとんどかからず、万が一経営が失敗した時でもリスクが少なくなります。

また定期借地権として土地を貸し出すことで、定められた契約期間を過ぎれば土地が確実に返ってくる上で、建物を取り壊して更地に戻った状態で返還されるので土地の用途転用も行いやすくなります。

定期借地権とは

あらかじめ決められた期間にのみ適用される借地権で、契約の延長は行われない。

一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権の3種類に分類される。

ただし契約期間は30〜50年と長くなるので短期の土地活用には向いていないこと、土地代のみの収入になるので他の経営方法に比べて収益性が低いことに注意してください。

リースバック方式

リースバック方式とは、土地の所有者が事業者から建設協力金を借り、そのお金で事業者の希望する建物を建築する方法になります。

リースバック方式では建築費を抑えながら建物の所有権を得ることができ、建設協力金の返済は月々の賃貸料で相殺するので返済の負担もあまりありません。

ただし建物の所有権は土地のオーナーにあるので、土地の用途転用を考える場合は自分で取り壊す必要があります。

また建設協力金を返済し終えるまでは賃貸料が満額は入ってこないことに注意してください。

自分で建物を建てて貸し出す

高齢者施設の経営方法として、自分で高齢者施設を建てて事業者に貸し出すという方法もあります。

自分で大きな施設を建てるので膨大な建築費を自分で負担することになりますが、土地と建物を合わせた賃貸料が満額入ってくるので、定期借用権やリースバック方式よりも高い収益性を期待できます。

高齢者施設の種類

では実際に土地活用で高齢者施設を建てる場合、どういった施設が選択肢に挙がるのでしょうか。

高齢者施設には下記のような種類があります。

タイトル
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

各施設について下記で詳しく解説していきますので、地域の需要に合った施設を建てましょう。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、本格的な介護と生活支援を提供する施設になります。

要介護の方のみを受け入れる介護専用型と、身の回りのことを自分でできる自立している方・要介護の方どちらも受け入れる混合型があり、サービスは要介護度に合わせて定額で支払うので予算が立てやすく人気の高い施設となります。

ただし介護付き有料老人ホームは、都道府県から特定施設入居者生活介護の指定を受ける必要があることや、事業所数に総量規制がかかるため、地域の状況によってはそもそも介護付き有料老人ホームを建てられないことがデメリットになります。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、自立している方から要介護の方まで幅広く入居できる施設になります。

イベントやレクリエーションが充実しており、他の入居者とコミュニケーションを取りながら生活を充実させていけます。

住宅型有料老人ホームは総量規制がないので、需要さえあれば誰でも建築することができます。

ただし住宅型有料老人ホームではホームのスタッフが介護サービスを行う必要がないので、介護の必要がある場合は別の介護事業者とも契約を結ぶ必要があります。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、要介護3以上の認定を受けた方が入居する施設になります。

医療費控除によって低価格で手厚いサービスを利用できるため、看取りまで任せる利用者も多くいます。

そのため長期での入居になることが多く、入居希望者がなかなか入居できない状況になっているので、施設の需要は高くなっています。

ただし特別養護老人ホームは公的施設の扱いになるので、自治体や社会福祉法人との連携が必要になります。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は介護施設ではなく、住宅として扱われる施設になり、サ高住とも呼ばれます。

外出や外泊が許可されていることが多く、あくまで住居であるため共同生活の負担が少なく自由度の高い生活を送れることがメリットです。

サービス付き高齢者向け住宅は、一定の条件を満たせば建築費や税金の優遇措置を受けることができるので、土地活用に活かしやすくなっています。

ただし生活援助や介護サービスはスタッフに義務付けられていないので、もし必要になった場合は別の介護事業者とも契約を結びましょう。

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利便性の低い土地を活用するなら高齢者施設を建てよう

少子高齢化社会で需要の高まる高齢者施設は、利便性の低い土地でも入居者が見つかりやすく、賃貸に活かしにくい土地でも安定した収入を得ることができます。

高齢者施設は種類も多いので、地域に他の高齢者施設があっても用途の違うものを経営すれば入居者は見つかりやすくなります。

施設の運営は事業者に任せて土地のオーナーは土地や建物を貸し出すだけでいいので、不労所得を得るためにも土地活用に高齢者施設は有効です。

自分の持っている土地の立地に合わせて、土地活用に何を建てるか決めましょう。

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