仮想通貨の取引上として多くの投資家が利用しているのがバイナンスです。
日本語対応サービスはされていませんが、日本人の利用者もとても多いです。
バイナンスを利用しているけど、仮想通貨に税金がかかるの?と疑問を持った人はいないですか?
今回この記事では、海外の仮想通貨取引所であるバイナンスを利用した際にかかる税金について解説していきます。
バイナンスは課税対象
海外の仮想通貨取引所であるバイナンスを利用した場合でも、日本に在住している日本人は税金がかかります。
仮想通貨のまま物を購入した場合も、一時的に日本円に両替しその後購入したものとみなされるため課税対象になります。
課税対象とならないためには、バイナンス上で仮想通貨のまま保有している際には税金がかからないです。
バイナンスの損益計算システムで履歴を取得できる
バイナンスの機能の一つとして、売買取引の履歴や送付履歴を確認する機能があります。
仮想通貨のトレード回数が多い人の場合は利益や手数料の計算が煩雑になり全てを覚えておくことができません。
仮想通貨取引所からデータを引用することができるので計算漏れやデータの取得ミスがなく税金の計算に利用することが可能です。
売買取引の履歴を取得する方法
売買取引の履歴の取得は下記の4ステップでできます。
データの取得期間は最大で3ヶ月しか一度で取得することができないので、一年分のデータが欲しい場合はデータの取得期間を変更して同じ作業を4回繰り返すことで、一年分のデータを取得できます。
取得したデータはExcelファイルでダウンロードされるので、そのままエクセルで税金の計算が可能です。
- バイナンスにログインする
- OrdetsのプルダウンからTrade Hisrtoryを選択する
- Export Complete Trade Historyをクリックする
- データの取得期間を選択する
預け入れを確認する方法
預け入れを確認することもできます。
確認方法は下記の3ステップとなります。
国内取引所や、ウォレットなどを含む外部からの入金を確認することができます。
- バイナンスにログインする
- Depositをクリックする
- Export Complete Deposit Historyを選択する
出金を確認する方法
次に出金を確認する方法です。
仮想通貨によって得た利益をいくら出金しているかを確認することができます。
確認方法は下記の3ステップとなります。
- バイナンスにログインする
- Withdrawalをクリックする
- Export Complete Withdrawal Historyをクリックする
確定申告が必要な3パターン
給与所得や公的年金収入があるが仮想通貨の利益を含む雑所得が20万円以下の場合と、被扶養者で仮想通貨の利益を含む雑所得の合計が38万円以下であれば確定申告を行う必要はありません。
上記の条件に当てはまらない場合は、必ず確定申告が必要です。
上記の条件を加味した上で確定申告が必要なパターンは3パターンとなります。
また一言に確定申告と言っても確定申告の用紙は下記の2つがあります。
確定申告書A:会社員、パート、アルバイトなどの給与所得がある場合に作成する書類
確定申告書B:個人事業主や不動産所得がある場合に作成する書類
どちらを使えば良いかわからない場合は税務署に必ず確認するようにしましょう。
サラリーマンが20万円以上の利益を得た
サラリーマンとして会社に勤務しながら副業や投資としてバイナンスを利用した仮想通貨の取引で20万円以上の利益を上げた場合は確定申告が必要です。
サラリーマンとしての収入がメインとなるため作成する書類は確定申告書となります。
確定申告書Aは確定申告書よりも記入項目が少ないので簡単に作成することができます。
年金生活者で20万円以上の利益を得た
年金で生活をしていて、バイナンスを利用した仮想通貨の取引で20万円以上の利益を上げた場合も確定申告が必要です。
年金以外に不動産などを持っていて家賃が定期的に入ってくる場合は、確定申告書Bの作成が必要です。
それ以外の場合は、確定申告書Aを作成しましょう。
主婦・学生が38万円以上の利益を得た
主婦・学生として夫の被扶養者になっている場合でもバイナンスを利用した仮想通貨の取引で38万円以上の利益を上げた場合も確定申告が必要です。
個人事業主や不動産所得がある場合に作成する書類に当てはまらなければ、作成する書類は確定申告書Aとなります。
20万円ではなく38万円と金額が異なるので注意をしましょう。
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バイナンスの税金対策
仮想通貨には所得税がかかります。
所得税は累進課税のため所得金額が高くなるにつれて税率が変わっていきます。
課税される所得金額と税率は下記の表の通りです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超 695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円超 900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円超 1800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1800万円超 4000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4000万円超 | 45% | 479万6,000円 |
法人化する
仮想通貨の税金対策としてもっとも効果があるのは、法人化することです。
普通法人にかかる税金は下記の表の通りです。
仮に仮想通貨で1億円の利益を上げた場合、法人化していなければ5500万円の税金が発生しますが、法人化していれば3300万円と2000万円以上の節税効果があります。
区分 | 適用関係(開始事業年度) | |||||
H28.4.1~ | H30.4.1~ | H31.4.1~ | ||||
普通法人 | 資本金1億円以下 | 年800万円以下の部分 | 下記以外の法人 | 15% | 15% | 15% |
適応除外事業者 | 19% | |||||
年800万円庁の部分 | 23.4% | 23.2% | 23.2% | |||
上記以外の普通法人 | 23.4% | 23.2% | 23.2% |
損益通算する
仮想通貨の利益は、年内であれば損失と相殺することができます。
仮想通貨の利益が出た際に損失が出ている仮想通貨を確定させることで節税につなげることが可能です。
ただし損益通算は年内に限り有効で、翌年に繰り越すことはできません。
海外移住する
バイナンスを利用して多額の利益を上げられる状況でも税金を考慮して換金ができていない場合は、海外移住をすることで税金を安くすることができます。
特におすすめなのが、マルタ共和国です。
マルタ共和国は法人税が安く、資産を持っている富裕層にとても人気な国です。
マルタ共和国の法人税は最低で5%と日本と比べて10%以上も税率が低いです。
ビザの発行や法人設立の問題がありますが、海外移住でも節税をすることが可能です。
バイナンスにかかる税金の注意点
バイナンスは海外の仮想通貨取引所であり、日本語・日本円に対応していません。
そのため国内の仮想通貨取引所を利用している投資家と異なり、煩雑なやり取りがでるケースが多いです。
また法整備も終わっておらず曖昧な部分もあるため税金で心配な点がある際は、必ず税理士に相談をする必要があります。
税金計算が複雑
バイナンスは日本円に対応していないで、税金の計算がとても複雑です。
そのため自分で行うとミスをしてしまう可能性が非常に高いです。
税金の計算が面倒だったり、複雑でわからない場合は税理士に相談する必要があります。
送金時は非課税
バイナンスを通して仮想通貨を日本の取引所に送金しただけでは税金はかかりません。
納税義務が発生するのは、送金した仮想通貨を日本円に換金した場合だけです。
仮想通貨を所持しているだけでは税金はかからないというわけです。
バイナンスを使って取引をしていても税金はかかる
海外の仮想通貨取引所を利用しても税金はかかります。
税の申告漏れや申告ミスをすると、さらなるペナルティを課せられます。
そのため、利益が出た場合はしっかりと確定申告をするようにしましょう