仮想通貨バブルの影響で、多くの人が夢の億り人を達成しました。
しかし、大半が税金を考慮していない状態での億り人です。
今回この記事では、仮想通貨で億り人になった人には税金がどれくらいかかるのか、どうやって税金が決まっているのかについて解説します。
最後に節税の方法も紹介しますので、最後まで読んでください。
仮想通貨には税金がかかる
仮想通貨で得た利益は所得税とみなされます。
所得税は下記の表の様に10種類から構成されており、仮想通貨で得た利益は、雑所得になります。
会社員として働きながら、仮想通貨で20万円以上の利益が出た場合には、確定申告が必要です。
主婦や学生で父親の扶養などに入っている場合は33万円までは、非課税です。
事業所得 | 事業から得た所得 |
---|---|
不動産所得 | 土地・建物・不動産の貸付から得た所得 |
給与所得 | 給与として得た所得 |
退職所得 | 退職金から得た所得 |
配当所得 | 株式・配当金から得た所得 |
利子所得 | 預貯金・収益の分配から得た所得 |
山林所得 | 山林伐採・譲渡から得た所得 |
譲渡所得 | 資産譲渡から得た所得 |
一時所得 | 営利を目的としない行為から得た所得 |
雑所得 | 上記以外の所得 |
所得税は累進課税
所得税は累進課税なので、利益が大きければ大きいほど税率も高くなります。
税率は所得金額に応じて7段階に分けられており、所得金額と税率の関係性は下記の表の通りです。
その年1億円の利益を上げた場合は、所得控除額である479万6000円を除いても、4020万円という計算になります。
これは、所得税だけなのでその他の税金も払った手元に残るのは5000万円以下です。
税率区分 | 所得金額 |
---|---|
5% | 1,000円~194万9千円 |
10% | 195万円~329万9千円 |
20% | 330万円~694万9千円 |
23% | 695万円~899万9千円 |
33% | 900万円~1799万9千円 |
40% | 1800万~3999万9千円 |
45% | 4000万円以上 |
1億円にかかる税金は4020万円
仮想通貨によって1億円の利益が出た場合は上記の表の通り45%の税金がかかります。
1億円の45%は4500万円ここから所得控除額である479万6000円を除くと4500万円ー479万6000円=4020万4000円となります。
半分近くの金額を納めなければなりません。
5000万円にかかる税金は1700万円
5000万円の場合も同様に計算していきます。
税率区分は1億円の時と同じ45%で、所得控除も同様に479万6000円です。
5000万円×45%-479万6000=1700万4000円となります。
1000万円にかかる税金は110万円
1000万円についても計算していきます。
上記の2つの場合と違い、1000万円の税率区分は33%です。
所得向上額は220万円です。
1000万円×33%-220万円=110万円となります。
確定申告をしなかった場合の4つペナルティー
仮想通貨での利益は黙っていれば、知られない、バレたら謝ればいいだろうと簡単に考えている人は要注意です。
税務署は、仮想通貨取引所に対して税務調査をすることが出来ます。
税務調査では誰がいくら得したのか損したのか、確定申告の有無はどうなのかなど税に関わること全てを調べることが出来ます。
そのため、不申告は絶対にバレます。
確定申告をしていない場合は4つの税をさらに課されます。
延滞税
確定申告は決められた期日までにしなければ延滞税を取られてしまいます。
納期期限から2か月以内かどうかで税率が違います。
最大で14.6%と非常に高いです。
納期期限から2か月以内 | 7.3% |
---|---|
納期期限から2か月以降 | 14.6% |
重加重税
重加算税はペナルティーの中でもっとも重いペナルティーです。
最大で50%の税金が上乗せされます。
重加算税は、他人名義の口座で資産運用をしている、納税未納金額が1億円以上、悪質な不申告な場合に課されます。
過少申告課税
確定申告はしたけれど、過少に申告されている場合に徴収されます。
しかし、確定申告後に自分の計算が誤っているのに気づき修正をするなどの対応をすればペナルティーはかかりません。
悪質なものには最大15%の課税が課されます。
無申告加算税
確定申告が故意ではない場合に課税されます。
発生されるペナルティーは下記の表の通りです。
下記の表に加えて50万円を超える分にはさらに税率が上がります。
税率 | 納税タイミング | |
5% | 未納通知が届く前 | 無申告課税・重加算税がある場合+10% |
10% | 税務調査の通知から構成・決定の前 | |
15% | 税務調査による決定後 |
仮想通貨の節税方法5選
仮想通貨は他の投資方法と比べて、税金面で不遇です。
せっかく利益をあげても税金で多くが取られてしまいます。
そこで、仮想通貨でも出来る節税方法5選を紹介します。
青色申告する
青色申告をすることで、本来雑所得のところ事業所得に認めらてもらえる可能性があります。
事業所得となれば、青色申告の控除を得ることが出来、税金を安くすることが出来ます。
自動で青色申告を作成することが出来るソフトもあるので活用してみましょう。
利確を分割する
所得税は年間で20万円以上の場合のみ発生するので、1年で得る利益を20万円以下にすることで申告する必要がありません。
年間利益を20万円以下に抑えることで、税金を支払う・確定申告をする2つの作業をする必要がなくなります。
利益を抑えて税金を支払わないのも、立派な節税の1つです。
法人化する
仮想通貨での所得が大きければ、大きいほど効果を発揮できます。
ここまで述べてきたように、消費税は累進課税のため所得が大きければ税率も上がってしまいます。
しかし、法人化することで法人の所得税は所得税と比べて累進性が低いです。
法人税の税率は下記の表の通りです。
また、その年は成果が振るわずマイナス利益を計上した場合は繰越控除することも出来ます。
繰越控除は最大9年間繰り越すことが出来ます。
税率区分 | 所得金額 |
---|---|
15% | 800万円未満 |
23% | 800万円以上 |
経費申請をする
法人と比較すると申請出来る範囲は限られていますが、経費の計上をすることで、税金を減らすことが出来ます。
仮想通貨での利益を得た際に、必要経費として認められているのは、ネット通信料・仮想通貨取引に使うパソコンの購入費などがあります。
仮想通貨の売買で必要なものとして認められるものは、全て必要経費とすることが出来ます。
パソコンの電気代も経費として申請することが可能ですが、普段の生活で利用した電気と仮想通貨の取引で利用した電気を明確に区分する必要があります。
ふるさと納税を活用する
納める税金の金額は変わりませんが、税金を納めるだけで、返礼品として米・肉・海鮮などを貰うことが出来ます。
控除上限額は所得などによって異なるので事前の確認が必要です。
どうせ税金を取られるなら、自分の生まれ育った地元やお世話になった地域の感謝として税金を納めることが出来るのでとても良い仕組みです。
仮想通貨で億り人になれたら税金対策をしっかりしよう
仮想通貨で億り人になったとしても、4000万円以上の利益には45%の税金が発生するので、税金を計算した後に自分の資産はいくらなのかを把握することが大切です。
税金をしっかりと申告しないとペナルティーを与えられてしまい、税金を余計に払わなければいけなくなります。
資産運用の1つとして、資産運用を選んだならば守るべきルールをしっかりと守り、ルールを活用して自分の資産を守りましょう。