住宅ローンを組みたいけれど、審査基準が厳しいと聞いて通過できるか心配。
住宅ローンを組む際の審査の流れや手続きについて確認しておきたい。
住宅ローンの利用を検討する上で、上記のようなお悩みを抱えている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、住宅ローン審査の流れや審査の基準、審査に落ちてしまう理由と対策について解説していきます。
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住宅ローン審査の流れ
まずは住宅ローン審査の流れについて確認しましょう。
- 住宅ローン審査は「事前審査」と「本審査」の2段階
- 住宅ローン審査にかかる時間
- 住宅ローン審査の申込先
- 住宅ローン審査から借入までのスケジュール
住宅ローン審査は「事前審査」と「本審査」の2段階
住宅ローンの審査は事前審査と本審査の2つの段階で行われます。
事前審査では、申込者の基本情報や収入などの簡易的な審査が行われます。
この段階での審査結果によって本審査へ進むかどうかが判断されます。
本審査ではより詳細な審査が行われ、収入や財務状況・信用情報などが確認され、本審査まで通過することで融資を受けることができます。
住宅ローン審査にかかる時間
住宅ローン審査にかかる時間は個人の状況や金融機関によって異なりますが、一般的にはトータルで数週間から1カ月程度かかります。
内訳としては事前審査に3~4日、本審査に1~2週間程度かかると考えておきましょう。
ただ、事前審査や本審査の申込みから審査結果の通知までに時間がかかる場合もあります。
審査の進捗状況や予定日程については、申し込みをした金融機関に問い合わせることでより詳細なスケジュールを確認できるでしょう。
住宅ローン審査の申込先
住宅ローンの審査は、主に銀行や信用金庫、住宅ローン会社などの金融機関で行われます。
一般的なイメージとして住宅ローンと言えば銀行という印象がありますが、ただ銀行と言っても地銀やネット銀行など、選択肢は意外にも多いです。
そのため、申込先は自身の希望条件や利便性、金利などをよく比較検討した上で選ぶことが重要です。
複数の金融機関での審査申込みや比較検討を行うことで、自身に適した住宅ローンを選ぶことができます。
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住宅ローン審査から借入までのスケジュール
住宅ローン審査から実際の借入までの一般的な流れは下記の通りです。
- 事前申込み
- 事前審査
- 正式申込み
- 審査
- 住宅ローン契約
- 借入(住宅引き渡し時)
住宅ローンの審査申込みは、申込先の金融機関に直接行うか、取引中の不動産会社に申し込みを依頼することも可能です。
申込み時には必要書類の提出や面談なども行われます。
申込後は審査の進捗状況を把握するために金融機関と密に連絡をとり、審査結果が通知されたら条件や金利を確認し迅速に次の手続きに入りましょう。
住宅ローン審査の流れを理解し申込みから融資までのスケジュールを把握することで、次に何を準備すればいいのかが分かりスムーズに手続きすることができます。
希望した住宅引き渡しのタイミングに間に合わせるためにも、全体の流れを理解することは非常に重要です。
事前審査の基準
国土交通省によるアンケート結果が示す金融機関の検査基準によると「融資を行う際に考慮する項目」のトップ3は下記の通り
- 完済時年齢
- 健康状態
- 担保評価
1位は「完済時年齢」となっており、借入時よりも完済時の年齢が重要視されていることが分かります。
多くのの金融機関では、80歳未満で完済できるかどうかが基準となっており、もちろんより若い年齢で完済できる方が審査通過の可能性は高くなるでしょう。
次いで重視されているのが「健康状態」。
借入希望者の健康状態に不安がある場合、将来的に働けなくなってローンを返せなくなる可能性が考慮され審査に不利になります。
「担保評価」に関しては、購入する物件の資産としての価値が、担保としての役割を十分に果たせるかどうかを評価するということですね。
もちろん資産価値は高いほど、審査においては有利になりやすいです。
住宅ローンの事前審査で落とされる主な原因
住宅ローンの事前審査を通過できなかった場合の理由として、特に多いとされている5つの原因を紹介します。
事前審査に落ちてしまった方もこれから事前審査を受ける方も、下記を参考にこれからの審査に通過するための対策に繋げましょう。
- 年齢や勤続年数
- 健康状態
- 物件の担保評価
- 返済負担率
- 個人信用情報
年齢や勤続年数
住宅ローンの事前審査で落とされる理由として、借入者の年齢や勤続年数が基準を満たしていない可能性が挙げられます。
金融機関は長期にわたるローン返済を考慮し、安定した収入を確保しているかを非常に重要視しています。
例えばなかなか高収入を得ずらい入社間もない若年層や、転職などで金属年数の浅い借入希望者は、返済能力に不安があると判断されることがあります。
一般的に住宅ローンを組み始める適齢期は30代からと言われており、20代は若すぎて収入が安定していないと見られることも。
逆に50代60代になってくると、「完済時の年齢については80歳未満であること」という条件を満たせない可能性が出てくるため、こちらも不安要素となります。
健康状態
金融機関は借入希望者の長期的な返済能力を評価するため、健康状態や疾病の有無を事前に確認します。
重大な疾患や障害がある場合、返済期間中に状態が悪化し仕事ができなくなってしまう可能性も考慮されます。
返済期間中に収入がなくなる、もしくは少なくなることで返済能力が低下するおそれがあるため、審査では不利になることがあります。
物件の担保評価
住宅ローンの事前審査では、物件の担保評価も重要な要素です。
住宅ローン契約では、金融機関が物件に対して抵当権を設定することが一般的。
これにより、契約者が病気やリストラなどで返済ができなくなった場合でも、物件を売却して残債を回収することができるからです。
そのため担保価値が不十分であったり、物件の市場価値が低い場合は、審査に通りにくくなる可能性があるのです。
返済比率
返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合を示していて、『年間返済額÷年収×100』の計算式で算出されます。
借入者の返済能力を考慮し、適切な負担の範囲内での融資をするための基準です。
この返済比率が高くなるほど負担が大きいということになり、借入中に返済できなくなるリスクが高いと判断されることから審査にに落ちやすくなります。
金融機関は借入者の返済能力を見極めるための返済比率の基準を設定しています。
その金融機関が定める基準よりも返済比率のが高くなってしまっていることで、審査に落ちてしまうことも考えられます。
個人信用情報
住宅ローンの事前審査では、個人の信用情報も重要な要素です。
借入金の延滞や債務整理の経験があると、個人情報機関に情報が登録されます。
金融機関は信用情報機関から借入履歴や債務整理の有無などを確認し、返済能力や信用度を判断するのです。
もし過去に滞納や債務整理の記録がある場合は、返済能力に疑問を持たれ審査に不利になりやすいです。
身近なところではクレジットカードやスマホ料金の滞納も信用情報に傷がついてしまう一つの要因です。
審査で不利にならないためにも、信用情報をクリーンに保つ努力が必要になります。
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住宅ローンの事前審査の基準を満たすためにできること
住宅ローンの事前審査に落ちてしまった、もしくはこれから申し込みする事前審査に落ちないか心配という方は、ここから説明する対策を参考にしてみてください。
住宅ローンの事前審査の基準を満たすためにできることを紹介していきます。
- 返済額や返済期間を見直す
- 物件を見直す
- 頭金をできるだけ多く用意する
- ペアローンや親子リレーも検討する
返済額や返済期間を見直す
住宅ローンの事前審査基準を満たすためには、返済額や返済期間を見直すことも有効です。
無理な返済計画は金融機関に避けられてしまいます。
自分自身が完済を見据えることができるかどうか、再度検討してみましょう。
長期間のローンを希望する場合でも、返済時の年齢が定年を超える65歳になると、審査が難しくなる傾向にあります。
自身の収入や家計の状況を考慮しながら、最適な返済額と返済期間を設定しましょう。
物件を見直す
場合によっては物件の再検討も視野に入れましょう。
より手頃な価格の物件を選ぶことで借入額も少なくて済み、毎月の返済額の少なくて済むため、返済能力の心配を解消させることができるかもしれません。
頭金をできるだけ多く用意する
頭金を多く準備することで借入額を減らすことができ、審査で有利に働きやすいです。
また金融機関は頭金の有無や割合を審査基準として考慮します。
頭金を多く用意できるほど、返済の意志が固く信用できると判断されやすいです。
審査に通過できるか不安な場合は、貯蓄や親族から借りるなどして、できるだけ頭金を用意するのも方法の一つです。
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ペアローンや親子リレーも検討する
住宅ローンの事前審査基準を満たすためには、ペアローンや親子リレーローンの利用も検討してみましょう。
ペアローンは夫婦やパートナー同士で共同で借りるローン形態です。
2人分の収入を合算して判断してもらえるので、返済能力を高く判断してもらえたり借入可能額の拡大を期待できます。
親子リレーローンは親が子供の借入を補完するローン形態で、親の保証や収入を活用することで審査基準を満たせる可能性があります。
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事前審査に必要な書類
事前審査に必要な書類は一般的に下記の通りです。
事前審査に必要な書類 | |
---|---|
印鑑 | 印鑑 (認印でも可能) |
本人確認資料 (いずれか一つ) |
運転免許証 パスポート 健康保険被保険者証 |
収入確認資料 | 会社員など給与所得者:直近の源泉徴収票または公的所得証明書類 (課税証明書など) 個人事業主:確定申告書および付表 (直近3年分) 法人代表者:法人の決算報告書 (前3期分・科目明細付) |
物件情報がわかる資料 | 物件販売チラシ 見積り書や間取り図 土地の公図など |
住宅ローン本審査の基準と審査に落ちる原因
住宅ローン本審査の芯さ基準と、審査に落ちる原因について見て良きましょう。
- 事前審査の申告内容に食い違いがある
- 担保評価が低い
事前審査の申告内容に食い違いがある
住宅ローン本審査では、事前審査で提出した申告内容との一貫性が重視されます。
申告内容と実際の状況に食い違いがある場合、情報の信頼性を疑われ審査に落ちる原因となります。
正確かつ正直な情報を提供するようにしましょう。
担保評価が低い
住宅ローン本審査では物件の担保評価も重要な要素です。
事前審査でも担保評価は審査基準のひとつでしたが、例えば新築の物件の場合などは、事前審査の段階と本審査の段階とで情報が変わってくることも考えられます。
その際担保となる不動産の評価額が予想よりも低い場合、審査は通過していたが本審査で落ちるということも考えられます。
本審査の基準を満たすためにできること
住宅ローン本審査に向けて、審査で落ちないためにできる対策を紹介します。
- 事前審査後に別の借り入れをしない
- 頭金をできるだけ多く用意する
事前審査後に別の借り入れをしない
事前審査後に新たな借り入れをすると、信用情報に影響を及ぼし本審査の判断に影響する可能性があります。
本審査では事前審査で提供した情報との一貫性も重視されます。
事前審査にはなかった借入情報などが新たに追加された場合、金融機関側としても新たな検討要素が増えるため、自然審査に通っていても本審査で落ちる可能性があります。
そのため事前審査後は借り入れを控えるようにしましょう。
頭金をできるだけ多く用意する
自然審査の際と同じになりますが、頭金をできるだけ多く用意することで本審査通過に有利になります。
借入額を抑えられることにより返済負担が軽減され、審査の通過率が高まる可能性があるからですね。
そのため可能な範囲で頭金を多めに用意できるよう準備しておきましょう。
本審査で必要な書類
本審査に必要な書類は一般的に下記の通りです。
本審査に必要な書類 | |
---|---|
本人確認資料 | 実印 住民票 印鑑証明証 身分証明書 (運転免許証もしくは健康保険被保険者証) |
収⼊確認資料 | 課税証明書 (住民税決定通知書) 源泉徴収票など収入を確認できる書類 |
物件情報がわかる資料 | 売買契約書 (不動産売買契約書や重要事項説明書など) 工事請負契約書の写し(注文住宅の場合) その他パンフレット・チラシ・販売図面、 物件概要書、価格表などの写しなど物件の内容が確認できるもの |
住宅ローン審査に関するよくある質問
住宅ローン審査に関するよくある質問と回答を紹介します。
- 他のローンを返済中だと審査で不利になる?
- 事前審査に通っても本審査で落ちることはある?
- 審査が通りやすい金融機関はある?
他のローンを返済中だと審査で不利になる?
他のローンを返済中である場合、住宅ローン審査において不利になる可能性があります。
返済中のローンがある場合は、これから借りようとしているローンと合算しての返済能力を判断するため、返済中のローンがない方よりは不利になるでしょう。
事前審査に通っても本審査で落ちることはある?
事前審査に通過しても本審査で落ちることはあります。
事前審査はあくまで仮審査であり、本審査ではより詳細な審査が行われます。
本審査では収入や借入状況、担保評価などが詳細に調査され、より厳密な審査が行われるため、事前審査で通過していても審査に落ちることがあるのです。
とはいえほとんどの場合事前審査を通過していれば本審査も通過できる方が多いです。
審査が通りやすい金融機関はある?
一般的には住宅ローンを提供する金融機関の中でも、銀行の審査は厳しいという印象があります。
一方で、地域密着の信用金庫やネット銀行などは比較的審査が通りやすいこ言われています。
ただし審査基準は金融機関によって異なり、各金融機関は住宅ローン審査の審査基準を開示していません。
そのため審査が通りやすい金融機関というのを明らかに示すことは難しいです。
住宅ローンの審査基準を満たすための準備をしよう
住宅ローン審査の流れや審査の基準、審査に落ちてしまう理由と対策について解説しました。
住宅ローン審査の基準は、基本的にどの金融機関も開示していません。
しかし一般的に金融機関が住宅ローン審査で重視したい項目というのはほとんど同じです。
審査に通るか心配、もしくは一度審査に落ちてしまったという方は、今回紹介した内容を元に対策を練って再審査に臨みましょう。