100万円を元手に株式投資で資産を増やしたい時、どのような投資手法を取っていけばいいのか難しいですよね。
特に株式投資を初めて行う方は、せっかくの100万円を減らしたくない!という気持ちが強いのではないでしょうか。
株式投資は資産が減るリスクももちろんあります。
しかし、正しい株式投資の方法を理解していれば100万円を着実に増やす事は可能です。
この記事では、100万円から始める株式投資について、心構えから銘柄の選び方、さらにはおすすめの投資手法まで詳しく解説していきます!
1.株式投資には余裕資金を使うべし
これから株式投資を始める方とって、元手100万円が意味するものは相当な違いがあると思います。
ある方にとっては、長年働き生活費を削りに削って捻出した「老後の蓄え」や「住宅購入用の資金」の一部であるかもしれません。いわゆる「虎の子」ですね。また、ある方にとっては、自分のお小遣いを節約して貯めた「へそくり」であるかもしれません。
この記事を書いている私は、自分のお小遣いを節約してためた「ヘソクリ」50万円を元手に約14年間で、途中で月2万円程度を追加しながら2000万円以上の資産を株式投資で築きました。
簡単にいえば「元手50万円 月々2万円を投資しながら株式投資で2000万円以上の資産を築いた」ということです。
株式投資で重要なことは「株価は浮き沈みがある」ということを知っておくことです。
つまり、言い換えれば「株価は自分の思い通りには動きません」ということです。
株価は自分の思い通りに動かないことを自覚していないと、思わぬ株価の下げで、資産の目減りに恐怖を覚えることになってしまいます。
特に、顕著に恐怖を感じるのは「虎の子」で株式投資をした場合です。ヘソクリは、一般的には家計外のお金ですからなくなっても生活には、あまり影響は与えないでしょう。しかし、「虎の子」がなくなった場合は家計に甚大な影響を与えかねません。
さらに、人間はなくなっては困るものがなくなるリスクが顕在化すると、なくなる恐怖が大きくなる心理が働きます。
株価が下落し始めると恐怖感を覚え「これ以上含み損が大きくなったらどうしよう!」とそわそわし始めるのです。
その結果、下落の極致に達したとき損切りをして、家計にダメージを与えてしまいます。
つまり、株式投資を行う際は、なくなっても構わない余裕資金を使うべきなのです。
2.短期の利益を求めるのではなく長期目線で資産形成を図る
株式投資を始めると「株式投資で一気に儲けて、アーリリタイヤだ!」と夢みるものです。
しかし、アーリリタイヤするだけの資産を株式投資で築くには、信用取引でレバレッジをかけるなど、いわゆる危ない橋を何度も渡る覚悟が必要です。
つまり、大きなリターンを得るには大きなリスクを取らねばならない、ということです。
もちろん、一生借金を背負う覚悟があるなら、信用取引でレバレッジをかけて増やしていくことは否定しません。しかし、ほとんどの人がリスクを背負う覚悟ではやっていないことが問題なのです。そして、借金を背負うようになって後悔するのです。
まずは、現物株取引でコツコツと資産を少しずつ積み上げていくことが、リスクが低く、また成果がでる確率が高いものと考えます。
そして、株価は浮き沈みしていることを念頭に「狙っている銘柄は必ず下値を取る」と我慢強く待つことが重要です。
株を買うときは焦らず、下値に来るのを「待つ」姿勢が重要なのです。
3.リスクを取れる範囲を確認する
万が一「虎の子」を使わざるを得ない場合、どのくらいの資産の減り具合であれば家計に与えるダメージが少ないのかを考えておく必要があります。
家計に与えるダメージが大きいほど、精神的なダメージが大きいことは言うまでもありません。
特に株式投資を行っていると、株価の上下動に翻弄されて心が乱れます。
心が全く乱れないようにすることは難しいので、一回のトレードでどのくらいの資金を投じてリスクをどこまでとるか、を決めておくことが重要となります。
つまり、損を覚悟する金額の上限を決めておくことです。
一般的には、一回のトレードでリスクにさらす資金は全資産の2パーセントに抑えると安全であると言われています。
しかし、「虎の子」を使わざるを得ない場合は、資産の目減りを抑えることを優先するため「損切り」のテクニックを身に着ける必要があります。
つまり、虎の子で株式投資をする場合は、忙しいトレードが要求されるので精神的な余裕がなくなることを覚悟すべきです。
4.配当や優待を目的に投資し、株価下落でも余裕を持つ
以上から言えることは、株式投資を行うには精神的な余裕が必要だ、ということです。
精神的な余裕を得るためには、
「株価の上下動の一喜一憂するのではなく、現物株投資で配当や優待を第一の目的とし、値上がり益は、配当や優待をもらいつつ売却のチャンスが来た時に得る」
という余裕ある姿勢が重要となります。
株式投資の魅力は株価の値上がりによる売却益を得ることですが、売却益は簡単に得られるものではありません。
よほど運が良い人が売却益を手にできるものと思っておいた方が良いでしょう。
5.100万円を元手に考える場合の銘柄選択
私がお勧めする方法は、配当と優待を合わせた利回りが4パーセント以上となる銘柄を下値でコツコツと買うことです。
そして、たとえ含み損が発生してもコツコツと買い集めた株の配当と優待を受ける権利の数は減っていない、という事実を必ず認識してください。この事実を見逃すと、含み損ばかりを気にして我慢するモチベーションが保てなくなってしまうためです。
基本的には、営業キャッシュフローが潤沢で財務に余裕があり、かつ業績にブレが少なく配当や優待が良い銘柄をゆっくり買おうことをお勧めします。
また、下落相場が長く続くなら、相場が復活する際に大きな儲けが期待できる逆張り戦略を取ることを考えてみるとよいでしょう。
特に、倒産しそうもない高配当の景気循環株を逆張りで買うことをお勧めします。
私は優待目的で株式を保有しているものがほとんどですが、優待銘柄の中には、長期保有による株主優待の優遇を受けられるものがあります。
ここでは、ヤマダ電機(9831)を100株保有している例を出してご説明いたします。
- 保有期間1年未満の場合⇒3000円の優待割引券
- 保有期間1年以上の継続保有⇒5000円の割引優待券
- 保有期間2年以上の継続保有⇒5500円の割引優待券
このように、たった1年以上継続保有するだけで2000円分増えるのです。
結局、株式投資で儲けるためには「時間を味方に付ける」ことが重要なのです。時間を味方にすることで、精神的な余裕を得られ株価の一時的な下落にも耐えられると思います。
株式投資は長い戦いですので、戦いの中で精神的な余裕を持てる者が最後まで戦い続けられるものと思います。
余裕をもって資産形成をすることが、回り道もようで一番確実で速い方法だと思います。
6.100万円を元手に考える場合の株式の買い方
株の買い方は、元手100万円を一気に使うのではなく、少しずつ買い増ししていく方法をお勧めします。
例えば、3銘柄を選び、資金は100万円すべてをつぎ込むのではなく、暴落に備えて最低でも5割程度は買い付け資金を残しておくべきです。
また、できれば100万円のほかに月々2万円程度を株式投資につぎ込めると良いでしょう。
株式投資を始めたばかりの人は、株をとにかく買いたがるのです。一気に資金をつぎ込んで、暴落が来た時に買い付け資金がなくなり地団駄踏むことになってしまいます。
株式投資で忘れてならないのは、必ず暴落が来るということです。
しかし、いつ暴落がくるかはわからないため、1か月に一度のペースで3銘柄をゆっくり順繰りに買うことをお勧めします。1回の買い付け金額が5万円程度の株を買いましょう。
買い方は以下の通りです。
1か月目 銘柄A → 2か月目 銘柄B → 3か月目 銘柄C → 4か月目 銘柄A → ......
5万円程度の銘柄としては、例えば、先ほどのヤマダ電機(9831)は5万円を少し超えるのですが、JXTG(5020)や三菱UFJ(8306)は、株価が5万円以内で買える高配当株です。
景気は循環するものですので、逆張りでヤマダ電機(9831)、JXTG(5020)や三菱UFJ(8306)などを狙うのも手です。
そして、暴落が来た時に、適宜買い増ししましょう。
資産形成の基本は、焦らずゆっくりと株式を買い増し、配当や優待をもらいながら、株価上昇のチャンスを伺い、チャンスが来た時に値上がり益を得る、ということだと思います。
さらに、複利効果を狙って、配当や値上がり益を再投資していきましょう。