株式投資

PERとは?計算式やPERの目安を株初心者にもわかりやすく解説

編集者:Money Theory編集部
PERとは

PERをわかりやすく解説

PER…株価収益率。「株価が1株あたりの利益の何倍か」ということ。つまり、その株の割安度を利益から判断するもの。PERが低いほど企業が生み出す利益に対して株価が割安。

PERとは

では、PERについて詳しく解説していきます。

1の解説を読んでもいまいちよく分からない方が大半ではないでしょうか。

そこで、ここからはこれさえ押さえておけば安心!というPERのポイントを4つお伝えしていきます。

初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきますので、ご安心ください!

PERは株の割安度の指標

前提の考え方として、株式投資の基本は「価値のある株をすごく割安で買う」ことです。

世界の富豪ランキングで、ビル・ゲイツと並ぶウォーレン・バフェットという人がいます。

彼は1代で5兆円以上の資産を築いた投資家なのですが、株で成功するために最も大切なこととして次の言葉を述べています。

「1ドル札を50セントで買うように、株を買うこと」

日本円で言えば「1000円を500円で買うように、株を買うこと」ということです。

つまり、1000円の価値はある株が500円になったときに買う「割安さ」を重視することが、株式投資で成功するコツだということです。

「じゃあ成功するための割安さはどうやってわかるの?」と思いますよね。

ここで、役立つのが今回ご紹介する「PER」という指標です。

PERの計算式

PERは、会社全体の利益から現在の株価が割安かを判断するものです。

具体的な計算式は以下のようになっています。

PER=株価÷1利益(税引き後利益を発行済み株式数で割ったもの)

つまり、PERとは今の株価が1株益の何倍なのかを求めているのです。

では、PERを計算することで何がわかるのでしょうか?

「こんなに利益を上げているのに今の株価は安い」
「この程度の利益でこの株価は高すぎ」

という風に判断することができるのです。

例えば、以下のように2つの銘柄があったとします。

A社:株価700円、1株50円
B社:株価1000円、1株50円

この場合、どちらの銘柄がお得か分かりますか?

ここで、PERを計算してみましょう。

A社:700円÷50円=14
B社:1000円÷50円=20

つまり、A社の現在の株価は1株益の14倍、B社の現在の株価は1株益の20倍ということです。

利益の14倍の値段で買うのと20倍の値段で買うのでは14倍のほうが割安ですよね。

PERが低いほど「割安」ということです。

PERのイメージは「会社をまるごと買ってみる」

「なんとなくは分かったけどいまいちイメージがつかめない…」という方のために、少しスケールを変えてご説明します。

PERは「会社をまるごと買ってみる」と考えるとわかりやすいです。

会社をまるごと買うために必要な金額を「時価総額」と言い、時価総額は株価×発行済み株式数で求めることができます。

例えば、A社の場合時価総額は3500億円です。

対してA社の税引き後利益の予想は350億円だとします。

あなたがA社を丸ごと買い取ったとすると、3500億円で年間350億円の利益を生み出す会社を買ったということになりますよね。

つまり、購入代金である3500億円は10年で回収できそうだということがわかるわけです。

この「10年」という投資金額を回収できるまでの年数がPERということなのです。

通常会社をまるごと買わず1株単位で買うため、利益も「1株あたりの利益」を使用して回収年数を計算するというわけです。

PERは平均の15倍が目安

PERについて、だいたいのイメージを掴んでいただくことはできたでしょうか?

「じゃあ実際、PERがどの程度の数字だったらいいの?」と気になりますよね。

結論から申し上げると、PERの標準はだいたい15倍です。

しかし、株価は毎日変動するためもちろんPERも変動してしまいます。

日本全体の経済状況によっても異なってはくるのですが、株式市場の平均PERは10倍から20倍程度の水準を推移しています。

標準として15倍程度だと覚えておけば問題ないでしょう。

PERが高くなるタイミング

PERがどのようなものかは、ご理解していただけたのではないでしょうか。

では、ここからはさらにPERを掘り下げていきたいと思います。

PERはどのようなときに高くなるのか、実績PERや予想PERとは何かなど、詳しく徹底解説していきます!

将来性によってプレミアがつく

では、PERはどのようなときに高くなるか分かりますか?

一般的に、「将来利益が伸びそう」と投資家に期待されている企業の株はプレミアがつけられてPERが高くなります。

「どういうこと?」と思われるかもしれませんが、投資家の気持ちになればごく自然なことだとおわかり頂けるのではないでしょうか。

例えば、あなたが保有している株の企業の業績が今後どんどん伸びそうだとしたら、あなたはその株を通常の値段で売りたくないですよね。

逆に、あなたがその企業の株を持っていないとしたら、「少しくらい高い値段でもいいから買いたい」と思いませんか?

つまり、多少株価が上がっても需要お供給が一致するのです。

このように、投資家たちはPER15倍を標準とし将来性を考えてプレミアをつけているというわけです。

もし「利益は伸びそうなのにPERは低い」という銘柄を見つけたとしたら、それこそがお買い得な銘柄です。

「PER=投資家の期待値」とも言えますね。

成長株とは

PERが高いのは期待値が高いということだとお伝えしました。

では、具体的にその株が成長するか、つまり成長率はどのように求めれば良いのでしょうか?

主に以下の3つのポイントがあります。

  1. あくまでも「今後」の成長率を考えること
  2. 成長率は営業利益や経営利益で考えること
  3. 慎重に見積もること

まず、成長率を求めるポイント1つめは、あくまでも「今後」の成長率を考えることです。

たとえ今成長率が高くても、今後も続くとは限りません。

例えば会社自体の規模が大きくなれば、今までのような経営は難しくなります。

今後どうなるかをしっかり予測することが大切です。

成長率を求めるポイント2つめは、営業利益や経営利益で考えることです。

なぜなら、純利益や1株益だと一時的な要因が入ってしまい、本来の利益がわからないためです。

会社の利益を見る際には、「営業利益」や「経営利益」を見ることを覚えておくようにしてください。

最後に、成長率を求めるポイント3つめは、慎重に見積もることです。

たとえ成長率が高い会社があったとしても、すぐに飛びつくのは危険です。

なぜなら、成長率が高いほど持続するのは難しいからです。

1つめと2つめのポイントを踏まえて、あくまでも慎重に見積もるようにしましょう。

「実績PER」よりも「予想PER」が重要

PERについて、1点注意していただきたいのが「実績PER」と「予想PER」がどのようなものなのかをしっかり把握しておくことです。

  • 実績PER…前期の実績によって計算したPERのこと
  • 予想PER…業績予想から計算したPERのことで、今期予想に基づくPERのこと

このうち、重要なのは「予想PER」です。

なぜなら、予想PERは「今期どうなるか」という今現在の予測だからです。

株を買うときに大切なのは、終わってしまった過去のことよりも今後どうなるかという未来ですよね。

PERを見るときは実績PERではなく「予想PER」を見るようにしましょう。

PERを利用した投資戦略

PERがどのようなものか。またどのように活用すればよいか、ご理解していただけたのではないでしょうか。

では、最後にPERを利用した投資戦略のうち最も有効的な以下の2つをご紹介していきます。

  1. 多少PERが高くても成長率が高き高成長株を買う
  2. 優良株を低PERで買う

順番にご説明していきます。

多少PERが高くても成長率が高い株を買う

PERを利用した投資戦略1つめは、多少PERが高くても成長率が高い高成長株を買うことです。

具体的にどうすればよいのでしょうか。

答えは今後3年間の成長率を予想し、その成長率から見て妥当なPERより大幅に安い水準を狙うのです。

たとえ、今の時点でPERが多少高いと思ったとしても、今後の大幅に成長してくれたら、結果的にとてもお得になりますよね。

ぜひ高成長株を狙ってみてください。

優良株を低PERで買う

PERを利用した投資戦略2つめは、優良株を低PERで買うことです。

つまり、「業績が安定しているのにPERが低い株を狙う」ということです。

具体的にご説明していきます。

同じ水準の業績を毎年維持していたり、少しずつ成長しているのに、PERは1桁台で放置されている会社を見つけるのです。

営業利益を確認し安定成長している企業を見つけます。

次に、業績とその企業活動の内容から「この会社はよさそう」と判断したらPERの確認をするのです。

通常、業績が安定していればPERは15倍になってもおかしくありません。5

倍などで放置されていたら、あまりに割安で狙い目な銘柄というわけです。

PERのポイント

  • PERとは、株の割安度を測るもの。低いほど割安
  • PERは高いほど投資家の期待値が高いということ
  • PERの平均は15倍
  • 予想PERを見て判断する

PERの関連キーワード

・PBR
・発行済み株式数
・時価総額
・予想PER
・実績PER