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RSIとは何?RSIの使い方を初心者にも分かりやすく解説

編集者:Money Theory編集部
RSIとは何?RSIの使い方を初心者にも分かりやすく解説

RSIとは?

RSIは「Relative Strength Index」の略で、日本語では「相対力指数」と言います。株価の値上がり幅と値下がり幅から、「買われすぎ」か「売られすぎ」かを判断するための指標です。

相場の勢いを把握するための指標

簡単に説明すると、過去の一定期間における株価の値動きに対して、どのくらい株価が上昇したかの割合を計算した指標で、その割合によってその株が買われすぎかあるいは、売られすぎかを判断します。

RSIは相場の勢いを把握するための指標で、オシレーター系指標に分類されます。

オシレーターを日本語にすると「振り子」で、ご存知の通り、振り子は一定の範囲を往復します。オシレーター系指標とは、振り子のようにある一定の範囲内で動く指標のことを指し、RSIは0%から100%の限られた範囲で変動するため、オシレーター系指標に分類されています。

RSIが大きいほど買われすぎ、小さいほど売られすぎ

RSIの詳しい計算方法は後ほど述べますが、RSIが大きいほど買われすぎ、小さいほど売られすぎと判断されます。株価の変動に敏感に反応できるのが、RSIの特徴です。

過去の株式の値動きからトレンドやパターンなどを把握し、今後の株価を予想・分析しようとする手法をテクニカル分析と言いますが、RSIはプロアマ問わず人気の高い指標で、株価のテクニカル分析でよく使われる指標の一つです。

RSIの使い方

RSIは一般に、逆張り投資を行う際に用いられます。

逆張り投資とは、相場の下落局面で株式を買い、上昇局面で株式を売るという投資方法です。

ここでは、RSIを使った投資方法を見ていきます。

RSIはどんなときに使えばいい?

前述の通り、RSIは通常、逆張り投資を行う時に使います。

簡単にその方法述べると、随時RSIを計算して、RSIが一定の値以下であれば売られすぎと判断して買いに入り、RSIが一定の値以上であれば、買われすぎと判断して売りに入ります。
判断の基準となる値は、投資家各々が決めることになりますが、20~30%以下で売られすぎ、70~80%以上で買われすぎと判断する投資家が多いようです。

実際の投資においては、RSIだけ見て売買すれば利益を出せるといった単純なことは決してなく、逆にRSIだけで売り買いのタイミングを判断していると、うまくいかない場合が多いです。

例えば、株価が上昇トレンドまたは下降トレンドに入っていることに気づかず、RSIの数値だけで売買の判断をすると、思わぬ損失を被る場合があります。

RSIが30%を下回ったとき、売られすぎとみて買いの判断をした場合、もし株価が下降トレンドに入っていたとしたら、さらに株価が下がって損失を出してしまう可能性があります。

従って、株価が一定の範囲内で変動するレンジ相場(ボックス相場)であれば、株価が折り返すタイミングをRSIで計って逆張りすることで、利益を出せる可能性はありますが、株価が上昇または下降トレンドに入っているときは、RSIのみで判断すると危険と言えます。

RSIはどうやって計算すればいい?

それでは、RSIの計算方法を見ていきましょう。実はRSIはいくつかの計算方法があり、それはWilderのRSI、CutlerのRSI、そして、ストキャスティックRSIです。

WilderのRSI

RSIは1978年にWilderにより発表された指数で、以下がそのオリジナルの算出方法です。
RSI = A ÷ (A + B) × 100

A:一定期間の値上がり幅の平均
B:一定期間の値下がり幅の平均

計算期間は何日でも構いませんが、Wilderは14日間を推奨しているため、14日間で計算するのが一般的です。
なお、人によっては、平均の代わりに合計を使う人もいますが、計算結果はどちらも同じです。

そして、2日目以降は当日の値上がり幅に重点を置いて計算します。

RSI = A’ ÷ (A’ + B’) × 100

A’=(前日までのRSI × (一定期間 – 1) + 当日の値上がり幅)÷ (一定期間)
B’=(前日までのRSI × (一定期間 – 1) + 当日の値下がり幅)÷ (一定期間)

Wilderの計算式は、直近の動きを重要視しているため、指数移動平均(EMA)を使っているのが特徴です。

CutlerのRSI

次に、CutlerのRSIを紹介します。Cutlerの算出方法は、Wilderのそれより単純です。

RSI = A ÷ (A + B) × 100

A:一定期間の値上がり幅の平均
B:一定期間の値下がり幅の平均

CutlerのRSIは、Wilderの初日の計算方法を継続して使用しているだけで、単純移動平均を使っています。

強いトレンドの動きに対しては、株価が上昇トレンドであればRSIは高い数値で高止まり、逆に下降トレンドであれば低い数値が続きます。

CutlerのRSIは、逆張りで売買したときに、実はまだ株価が折り返すタイミングではなかった、というダマシを、できるだけ回避したいという意図を持っています。

ダマシによる損失を極力抑えたい方は、CutlerのRSIの使用を検討してみてください。

ストキャスティクスRSI

最後に、ストキャスティクスRSIを紹介します。ストキャスティクスRSIは、ストキャスティクスとRSIを組み合わせた指標です。

ストキャスティクスとは、RSIと同じく売られすぎや買われすぎを判断するための指標の一つで、ある期間の価格幅の中で、直近の終値が相対的にどのレベルに位置するかを見るのに用いられます。

ストキャスティクスには、%D、%K、Slow%Dの3種類がありますが、ストキャスティクスRSIでは%Kを使います。ストキャスティクス%Kは、以下の式で算出します。

%K = (直近の終値 ー 一定期間の最安値) / (一定期間の最高値 ー 一定期間の最安値) × 100

ストキャスティクスRSIは、%Kの各項をRSIに置き換えて計算したものです。

ストキャスティクスRSI= (直近のRSI ー 一定期間のRSI最大値) / (一定期間のRSI最大値 ー 一定期間のRSI最小値) × 100

ストキャスティクスRSIは、RSIが一定期間中、相対的にどの水準にあるのかを示したものです。

RSIが一定期間中で最低値となった場合、ストキャスティクスRSIは0になります。
逆に、RSIが一定期間中で最高値となった場合は、ストキャスティクスRSIは100を示します。ストキャスティクスRSIは、前述したRSIと比べて、値動きに対してさらに敏感という特徴があります。

RSIと同じく、20~30%以下で売られすぎ、70~80%以上で買われすぎの水準とし、その付近でストキャスティクスRSIとシグナル線のクロスを売買のシグナルと判断します。

ストキャスティクスRSIを使う時の注意点としては、以下が挙げられます。

  • RSIと比べると、ストキャスティクスRSIは現在の株価により敏感に反応するので、短期での取引の場合はストキャスティクスRSIの方が有利です。
  • 株価の動きとストキャスティクスRSIの動きが逆になった場合は、株価が天井または底に到達した可能性が高いです。
  • RSI同様、株価が上昇トレンドまたは下降トレンドに入っているときは、ストキャスティクスRSIのみで売買のタイミング判断すると、判断を誤る可能性があります。

RSIを実際に活用した例

では、RSIを実際に活用した例を見てみましょう。

まずは、株価が一定の範囲で変動するレンジ相場の場合です。

RSIは、株価の変動に対して、敏感に反応しているのがお分かりいただけると思います。
RSIが20%付近まで下がった後に株価が上昇し、RSIが80%付近になった後に株価が下落していることが分かります。

従って、RSIが青丸のところで売られすぎと判断して買いに入り、赤丸のところで買われすぎと判断して売り抜ければ、利益を出すことが可能です。

このように、RSIで株価の折り返しが見えるので、レンジ相場では、RSIはその強みを存分に発揮することができます。

株価が下落トレンドに入っている例

次に、株価が下落トレンドに入っている例を見てみましょう。

株価が下落傾向にあるにもかかわらず、RSIに上昇傾向が見られるところがあります。

RSIが20%付近の青丸以降、RSIは上昇傾向にあるものの、実際の株価は、ずるずると下がり続けています。もし、青丸のところで売られすぎと判断し買いに入ると、株価はさらに下落し、損失を被ってしまうということです。

このように、株価がトレンドに乗っているときは、RSIと株価が逆行する場合があり、RSIのみで売り買いのタイミングを判断すると、思わぬ損失を出してしまう恐れがあります。

今回は、テクニカル分析でよく使われるRSIについて見てきました。

RSIの特徴は株価の変動に敏感なので、レンジ相場ではその強みを発揮できます。しかし、株価が強いトレンドに入っているときは、RSIと株価の動きが一致しなくなるため、RSIのみで売買を判断すると、判断を誤る可能性があります。

投資の際は、RSIのみで判断するのではなく、他の指標も使って判断をしてください。

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