1.「指値」を簡単に解説
指値…株式投資において、希望する価格を指定いて注文する方法。買いの場合は上限価格・売りの場合は下限価格を指定する。買い注文は、指定した値段以下の売り注文が出れば約定でき、売り注文は、指定した値段以上の買い注文が出れば約定できる
2.「指値」を丁寧に解説
「指値」とは?
では、「指値」についてより丁寧に解説していきます。
指値注文とは、株式投資において「買う」もしくは「売る」値段を自分で指定して注文する方法です。
例えば、「200円の指値で1000株の買い注文」「300円の指値で1000株の売り注文」という形で使用します。
指値注文の最も大きな特徴は、買い注文は指値以下、売り注文は指値以上の株価にならないと取引が成立しないことです。
例えば、指値が500円の場合、売り注文であれば500円以上にならないと取引が成立しません。反対に、買い注文であれば500円以下にならないと取引は成立しません。
必ずしも注文が成立するわけではないと覚えておきましょう。
株式投資の注文方法は2種類ある
ここで、株式投資の注文方法についてお伝えします。
株式投資の注文方法は「指値注文」と「成行注文」の2種類があります。
指値注文…「株価がいくらになったら買う」と指定して注文する
成行注文…「いくらでもいいから買いたい」と注文する。かなり高い確率で買える反面、思わぬ高値で取引が成立してしまう場合もあるため注意が必要
株は「安く買って高く売る」ことが何よりも大切です。
そのため、確実に自分が指定した値段で買える指値注文が一般的ですし、高値で買ってしまう心配もないため初心者の方におすすめです。
しかし、指値注文の場合、売り注文に対し買い注文が多い場合は、取引が成立しないことがあるため注意してください。
指値注文と成行注文の違いは「約定の優先順位」
では、指値注文と成行注文は何が違うのでしょうか。
最も大きな違いは「約定の優先順位」です。
そもそも「約定」とは何か皆さんご存じですか?
約定…株式市場において売買が成立すること
株は証券取引所において株主どうしで売買が成立します。
つまり、買いたい人と売りたい人が価格と数量を出し合い、それぞれ折り合いがついたところで売買が成立するのです。
この売買が成立することを「約定」といい、どれだけ売買注文を出したとしても約定しなければ、株を買うことも売ることもできないのです。
もちろん、「指値注文」だろうが「成行注文」だろうが、約定しなければ意味をなしません。
しかし、指値注文は「何円になったら買う(または売る)」と株価を指定しているため、株価が指定した値段にならなければ約定することができません。
また、仮に指定した値段になったとしても、約定する優先順位としては「成行注文>指値注文」なため必ずしも約定できるとは限らないのです。
成行注文が入っていればそちらが優先されてしまいます。
成行注文は値段を指定できない代わりに、ほぼ100%の確立で約定することができるのです。
約定の優先順位を表にまとめたので、ぜひご覧ください。
- 成行注文
- 指値注文(指値の注文価格が高い)
- 指値注文(指値の注文価格が高い/注文が早い)
- 指値注文(指値の注文価格が高い/注文が遅い)
指値注文のメリット・デメリット
指値注文がどのようなものか、だいたいご理解していただけたでしょうか。
では、ここからは指値注文のメリットとデメリットをご紹介していきます。
指値注文は株式投資において、一般的な注文方法です。
どのようなメリットがあるから一般的になっているのか、反対に気をつけるべきことは何かを理解することで、より有効的に指値注文を利用することができるようになりますよ。
指値注文のメリット
指値注文のメリットは「希望した価格でやりとりができること」です。
特に初心者の方は経験や知識が浅いため、株価の変動に惑わされてしまう方も多いです。
そのため、あらかじめ「何円になったら売る(買う)」と決めるのは、とても良い方法です。
希望の値段にならなければ売買は成立しないため、規格外に高い値段で買ってしまったり、反対に低い値段で売ってしまうこともありません。
初心者の方には非常におすすめできる注文方法です。
指値注文のデメリット
では、指値注文のデメリットは何でしょうか。
指値注文のデメリットは、売買のチャンスを逃してしまう危険性があることです。
なぜなら、指値注文をする場合、買い注文は株価が希望した価格以下にならなければ買うことができず、売り注文の場合は希望した価格まで株価が上昇しなければ売ることができないからです。
例えば、現在500円の株価がついている銘柄があるとします。
「もう少し下がってから買おう」と450円で指値買い注文を出しても、株価が下がるどころか1,000円、2,000円と上昇してしまい、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。
では、このような状況を回避するにはどうしたら良いのでしょうか。
答えは、株価上昇の初期段階に成行注文で株を買うことです。
つまり、成行注文と指値注文を状況に応じて使いわけることが大切なのです。
「損切り」をするときは必ず「成行注文」をする
ちなみに、損切りをするときには必ず「成行注文」をするようにしてください。
指値注文にはしてはいけません。
なぜ成行注文にしなければならないのか、そもそも損切りとは何か、詳しくご説明していきます。
そもそも「損切り」とは?
では、「損切り」とはどのようなものなのか、詳しくご説明していきます。
損切り…保有している銘柄に見切りをつけ損失を確定させて売ること
損切りとは、自身が保有している銘柄の株価が買ったときより下がってしまった場合に、損失を確定させて株を売ることです。
別名、ロストカットやストップロスと言われ、その名の通りより大きな損失を防ぐための方法です。
つまり、投資をする前にあらかじめ、「株価が〇円まで下がってしまったら、売って損失確定をする」とルールを決めて実行するのです。
損切りは、機関投資家や金融機関も実行している最も代表的なリスク管理のため、個人投資家の方も必ずやった方が良いです。
「自ら損失を確定させるなんてもったいないのでは?」と思われている方も多いのではないでしょうか。
しかし、「もったいない」「もう少し待てば株価が上がるかも」という「感情」こそ、株式投資で失敗する原因です。
株式投資で大切なことは「稼ぐこと」よりも「損をしないこと」を第一に考えて取引をすることなのです。
つまり、状況を客観的に判断して冷静に行動することが大切になります。
株式投資において、すべての株価の予測が当たることはあり得ません。
株価は時にまったく予測しない方向に動くからです。その際に、慌ててしまい感情で判断してしまうと、より損失が大きくなってしまいます。
そこで、損切りのルールをあらかじめ決め必ず実行することで、一時の感情に流されることなく株式投資に取り組むことができるのです。
1銘柄で損失を出しても保有株全体で利益は出ればよいという気持ちで取り組むようにしましょう。
損切りの際に「指値注文」をするべき理由
損切りが株式投資において必要不可欠だとおわかりいただけたのではないでしょうか。
では、なぜ損切りの際に「成行注文」をするべきなのでしょうか。
答えは、損切りの際に大切なことは「とにかく売る」ことだからです。
損切りは、先ほどご説明したように損失をできる限り小さくするための手法です。
そのため、損失が大きくなる前に少しでも早く「売る」ことが大切になってきます。
例えば、500円で買った株が450円まで下がって損切りの対象となったとき、「もう少し待って戻ったら売ろう」と考えて、480円の指値売り注文を出すことは得策ではありません。
なぜなら、480円まで株価が戻らずに、400円、300円…と株価がさらに下がってしまう可能性も十分にあるからです。
損切りを実行する場合は、必ず成行の売り注文を出すようにしましょう。
成行注文や指値注文はどの段階?株式投資の方法を徹底解説します
指値注文がどのようなものか、だいたいイメージしていただけたのではないでしょうか。
しかし、実際株式投資のどの段階で買い注文や売り注文をするのか、気になりませんか?
そこで、ここからは株式投資の始め方を具体的にご紹介していきます。
今からご紹介する4つの段階通りに進めれば、簡単に始められますよ。
初心者の方必見です。
1.自分の投資スタイルに合わせて証券会社を選ぶ
まずは、大前提として自分の投資スタイルを決めましょう。
株を買うには、まず証券会社を選び口座を開設しなければなりません。
現在数多くの証券会社がありますが、どの証券会社でもいいというわけではなく、自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことが重要です。
対面取引とネット取引を徹底比較
株式投資には、対面取引とネット取引の2つの方法があります。
以下2つの違いを徹底比較します。
対面取引 | ネット取引 | |
---|---|---|
取引方法 | 電話で証券会社の担当者に注文する | WEB上の取引画面から注文する |
メリット | 担当者からアドバイスがもらえる | 売買にかかる手数料が安い |
デメリット | 手数料が高い | アドバイスはもらえない |
ネット取引のほうが気軽に安く始められるため、ネット取引が一般的となっています。
特色が異なる証券会社から自分にピッタリなところを探そう
証券会社には、それぞれ様々な特色があります。
手数料や情報提供サービス、取り扱う金融商品も証券会社によって全く異なります。
自分の投資スタイルと掛け合わせ、どのようなサービスを受けたいのか、株以外の金融商品で買いたいものは何か、を整理し最適な証券会社を選びましょう。
証券会社を選ぶ際のポイントは以下の4つです!
- 手数料
- 情報の充実度
- 取り扱い商品
- 経営の安全性
特に証券会社によって差がでるのは「手数料」です。
初心者の方は「20万~50万の株を1回買ったときに、いくらかかるのか」を基準に考えるとよいですよ。
2.ネットで簡単!口座を開設する
自分に合っている証券会社を選べたら、2段階目です!
いよいよ口座を開設してみましょう。
口座の開設には、電話での申し込みとサイトでの申し込みの2つの方法があります。
どちらも説明に沿って手続きをすれば、2週間で確実に申し込みを完了できます。
審査もなくとても簡単です!
ここで、税金の手続きの際に大変重要となる口座の種類についてご紹介します。
株式投資で年間20万円以上の利益を上げると、税金がかかり確定申告が必要となります。
しかし、口座を開設する際に特定口座(源泉徴収あり)を選べば、確定申告が不要となるのです!
株式投資に利用できる口座は主に以下の3種類あります。
特定口座(源泉徴収あり)…証券会社が1年分の株取引をまとめた書類(年間取引報告書)を作成してくれる。確定申告不要
特定口座(源泉徴収なし)…証券会社が1年分の株取引をまとめた書類(年間取引報告書)を作成してくれる。確定申告は必要
一般口座…年間取引報告書を自分で作成し、確定申告もしなければならない
このように見ると、特定口座(源泉徴収あり)が一番楽だとわかりますね。
しかし、1点注意していただきたいことがあります。
株式投資での利益が年間20万円以下の場合です。
年間の利益が20万円以下の場合税金が免除されるため、源泉徴収ありの口座を選ぶと税金が自動的に引かれてしまい損をする場合があるのです。
確定申告は年末締めで行われるため、株式投資を特定口座で始めたいなら、年始に始め、確実に20万円以上の利益が出せるようにすることをおすすめします。
3.買い注文をしてみよう!いかに安く買うかが大切
口座を開設できたら株を買ってみましょう。
買い注文には「指値注文」と「成行注文」の2通りあります。
もう一度整理しておきましょう。
- 指値注文…「株価がいくらになったら買う」と指定して注文する
- 成行注文…「いくらでもいいから買いたい」と注文する。かなり高い確率で買える反面、思わぬ高値で取引が成立してしまう場合もあるため注意が必要
株は「安く買って高く売る」ことが何よりも大切です。
そのため、確実に自分が指定した値段で買える指値注文が一般的ですし、初心者の方におすすめです。
しかし、指値注文の場合、売り注文に対し買い注文が多い場合は、取引が成立しないことがあるため注意してください。
4.売り注文をしてみよう!
今度は、株を売ってみましょう。売り注文も買い注文と基本的には同じです。
ネット取引なら取引画面で「売りたい銘柄」「株数」を指定します。
株式投資では証券会社に手数料を支払わなければなりません。利益確定の際は手数料も計算に入れておきましょう。
また、売るときに大切なのが、「損切」をすることです。
損切…損が出ている株に見切りをつけて売ること
損切は、自ら損失を確定させるわけですから、慣れないうちは難しいです。
しかし、相場の読みが外れたときは損切をしないと損失がどんどん拡大してしまいます。
注意!株式投資は注文できる時間と取引できる時間がある
株の売り方と買い方はご理解していただけたかと思いますが、実際にどの時間に取引ができるかご存知ですか?
日本で最も大きな東京証券取引所で取引できる時間は、毎週月曜日~金曜日までの午前9時~11時半、午後0時半~3時です。
つまり、証券会社への注文はこの時間以外にもできますが、取引が成立するのはこの時間内に限られるのです。
また、対面取引では注文を受けてくれる時間が限られますが、ネット取引なら24時間休日でも注文を受けてくれる証券会社もあります。
自分が取引できる時間に注文を受けてくれるかをあらかじめ確認するようにしましょう。
株式投資のポイント
- 自分の投資スタイルに合わせて証券会社を選ぶ
- ネットで口座を開設する。特定口座(源泉徴収あり)は確定申告が不要なのでおすすめ!
- 買い注文をする。おすすめは指値注文!
- 売り注文をする。損切するラインを決めて守ることが大切
「指値」のポイント
- 株式投資には「指値注文」と「成行注文」がある
- 指値注文は、値段を指定して注文する方法で株式投資においては、一般的な注文方法
- 指値注文は指定した金額で売買できるが、チャンスを逃してしまう可能性もある
「指値」の関連キーワード
・成行注文
・寄付
・引け
・不成