SPXLはレバレッジETFとして有名な商品で、値動きの乱高下が激しいことから「危険な商品」と多くの投資家が発言しています。
確かにSPXLは乱高下が激しくリスクの大きい商品となっていますが、リスクが大きい分リターンも大きいので成功している投資家もいます。
今回はSPXLの積立投資は危険なのか詳しく解説していきます。
値動きの激しいSPXLは短期投資で利用している投資家が多いです。
短期投資はギャンブル性が高い印象があるので、「SPXL=短期投資=ギャンブル」と連想させてしまいます。
リスクの大きい商品だからこそ積立投資で得られるメリットがあるので、「SPXLの積立投資に興味がある」という人は参考にしてください。
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SPXLはどんな商品なの?
SPXLの正式名称は「DirexionデイリーS&P500ブル3倍ETF」で、S&P500指標の値動き3倍を目指しています。
SPXLは経費率が1.01%となっているので、他のS&P500に連動しているETFと比べると割高にみえます。
レバレッジETFなので値動きが乱高下する
SPXLはレバレッジETFなので、S&P500にレバレッジを掛けた値動きを狙えます。
レバレッジの倍数は3倍となっているので、3倍分の資金で運用できます。
通常のS&P500連動ETFよりハイリスクハイリターンの商品となっており、3倍掛けた値動きなので、チャートの乱高下も激しいです。
利益効率が良くなるが損失リスクも高くなる
レバレッジを掛けている商品なので、リターンも大きくなり利益効率も良くなりますが、損失リスクも比例して高くなります。
下落した場合S&P500の3倍下落するので、3倍の損失を負うことになります。
リターンを大きくすればリスクも大きくなることは、どの商品でも言えることなのでSPXL特有の特徴ではありません。
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SPXLの積立投資は本当に危険?
SPXLは危険と発言している投資家は多く、メディア出演している投資家や投資系YoutuberはSPXLに投資することに対して警鐘を鳴らしています。
逆にSPXLをおすすめするネット記事などを見ると、怪しいサイトが多く、より一層「SPXLは危険な商品」と認識してしまいます。
しかしSPXLの特徴やメリット・デメリットを正しく解釈すると、ただの危険な商品ではないということが分かります。
これからSPXLは本当に危険な商品なのか、様々な観点から説明するので参考にしてください。
短期投資の方がギャンブルトレードになる
SPXLはS&P500の値動きの3倍連動することを目指しているETFなので、短期投資向きと思う人が多いです。
たしかにSPXLを長期運用してもS&P500の3倍利益を得られる分けではありませんし、レバレッジ商品なので連動している指標よりパフォーマンスが低下しやすいので、長期投資はリスクがあると判断されがちです。
しかし、一時的な乱高下をねらった短期投資の方がリスクは大きくなります。
現在上昇相場だったとしても、今後いつ下落になるかわかりませんし、「安定相場だからSPXLに投資する」という思考はギャンブルトレードになってしまいます。
短期投資で大きくリターンを得る場合もありますが、短期投資は長期投資よりリスクの高い投資方法になるので、「積立投資の方が低リスクで運用できる」という結論になります。
含み損に耐えられる人は大きな成果が出る
積立投資はポジションを長期的に保有するので、乱高下の激しいSPXLの場合含み損が発生します。
資産が4分の1程度まで下がってしまうこともあるので、精神的にダメージが大きいです。
しかし、4分の1減らした状態でも回復して強い上昇があれば資産は数倍増えます。
上記の様に、損失リスクだけが大きくなる訳ではないので、上昇する機会を待って大きなリターンを得る可能性があります。
よって、含み損に耐えられる人は大きなリターンを狙うことが可能ですが、「含み損に耐えられない人は損切りして大損してしまう」ので資産を減らしてしまいます。
つまりSPXLは危険な商品というより、投資家の采配によって危険度の高さが変わります。
値動きの激しい商品なので、他の商品にくらべてリスクが大きい危険な商品ではありますが、うまく使いこなす事によって「危険な商品だから積立投資も危険」という理論を論破できます。
SPXLの積立投資で長期運用するメリット
SPXLは資産を失う商品ではなく、魅力的なメリットもあります。
更に積立投資で長期運用する事によってメリットを活用することが可能です。
損失リスクだけをフォーカスすると、SPXLの良さが分からなくなってしまうので、積立投資のメリットも把握して、公平に判断して購入を検討してください。
時間分散で大きなリターンを狙える
積立投資は、時間分散して投資していくので、値動きの激しいSPXLに適しています。
逆にSPXLを一気に投資すると、下落した時のリスクが大きく跳ね上がってしまうのでおすすめできません。
SPXLを時間分散して投資すると、上昇した時のリターンもしっかり取れるので、積立投資向きです。
NISAでSPXLの運用が可能
SPXLはNISAで運用が可能です。
NISAの良さは配当金が無敗になる点が良い所と考えている人もいますが、配当を出してしまうとNISAの枠を配当金分減らしてしまう事になるので、一概に配当金が無税なのは良いこととは言えません。
NISAは逆に配当金の低い商品が適していて、SPXLもその一つです。
更に米国株は配当金に米国政府による10%の税金も課税されるので、配当金の低いSPXLはNISAに向いている銘柄です。
SPXLはNISAで運用することができます。
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リターンが期待できる
SPXLは大きなリターンを狙える銘柄なので、当然大きな利益を期待できます。
リスク面だけ見ると、怖い商品ですが夢もあるので、しっかり上昇してくれると通常のETFより高い利益を生み出せます。
SPXLの年間株価推移
SPXLの1年間の株価推移は下記の通りです。
(青:SPXL/オレンジ:S&P500)
SPXLはコロナショック時に大暴落しており、S&P500よりも大幅にダウンしています。
しかし2021年現在は回復しており、S&P500の上昇以上の高値をだしています。
2020年のコロナショックで77%の下落
2020年のSPXLはコロナショックによって77%の大暴落をしています。
S&P500の場合33%の下落幅で抑えられているのを見ると、SPXLがかなり激しく動いたことがわかります。
コロナショック後は快調に回復しており、現在はS&P500を上回る値で上昇しています。
SPXLの積立投資は危険だが使いこなせば大きなリターンを狙える
SPXLはリスクの大きい危険な商品と言われており、積立投資がおすすめといっても危険要素を完全に回避することはできません。
しかし、SPXLを上手く使いこなせば利益効率も上がり大きなリターンを狙えます。
SPXLのようなレバレッジETFはギャンブルトレードになってしまいがちなので、あくまでも投資目線で運用していくことが重要です。
分散投資がおすすめ
SPXLの積立投資はリスクを抑えられると言っても他の商品と比べると、危険度が高いです。
よってSPXLのみの積立投資ではなく、他のETFや個別銘柄を混ぜることによって損失リスクを抑えていく必要があります。
分散投資はSPXLの良さを引き出しつつ、リスク面の考慮もできるのでおすすめです。