マンション経営は、不動産投資の中でも人気のある種類の一つです。
戸数の多いマンションの場合、毎月まとまった不労所得も入り、資産運用として取り組む方も多いでしょう。
一方で、ローンの返済や空室リスクなど、オーナーが抱える問題もさまざまです。
- マンション経営のメリットと可能性
- マンション経営で成功するためのポイント
- 税対策、節税方法を理解する
などのポイントに分けて解説していきます。
節税効果や安定的な運営ができるよう、特性を十分理解しましょう。
マンション経営のメリットと可能性とは
マンション経営は、将来的な資産形成もでき、融資も使える不動産投資です。
通常、FXなどは「ハイリスク・ハイリターン」の投資ですが、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」な特徴があります。
理由は、融資を使える上に、急激な下落がないためです。
マンション経営の主な収益は、投資用物件の家賃収入、物件の売却益です。
長期的な安定収益を目指す場合は、以下の点を意識しましょう。
- 物件の家賃を安定的に貰い続ける
- マンションの売却のタイミングを間違わない
- 融資を無理のない範囲で組む
間違った運営は損益を生む可能性を秘めていますが、その分メリットを多く感じる資産形成でもあります。
マンション経営で優良物件を選ぶポイント
マンション経営は、購入の時点で、将来を見据えて投資する必要があります。
- 立地条件のチェックポイント
- 建物の構造と築年数
- 入居者ニーズと将来性の見極め
走り出しから失敗しないように、以下のポイントを参考にしてください。
立地条件のチェックポイント
マンション経営をする上で、立地条件は入居率や満足度に直結します。
物件の価値や入居率は、立地条件の良い地域ほど賃貸需要が高いです。
その分、駅の近くなどは購入金額も高額ですが、家賃も高く取れる・空室になりづらいなど、メリットも大きい特徴があります。
しかし、駅から離れている・商業施設がない立地のマンションは、空室になりやすく需要は低くなりがちです。
マンション経営は、10年・20年に及ぶ投資です。長期的な視点を持ち、立地条件を誤らないのが成功のコツです。
建物の構造と築年数
マンション経営は、築年数やRC造・SRC造など構造の特徴を理解した上で選びましょう。
物件は、築年数が経過するほど老朽化し、修繕費も高額になります。
入居者から突発的なトラブルの連絡が入る機会も多くなります。
定期的な大型修繕も必要になるので、修繕計画は安定的な運営に必須です。
また、マンションを購入する際は、構造を熟知してから購入する必要があります。
- S造…比較的安価だが、遮音性や耐震性は低い
- RC造…遮音性や耐震性に優れるが、生活の仕方によっては結露が発生しやすい
- SRC造…RC同様優れた点が多いが、コストが高く工期も長くなりやすい
構造の特徴を知り、投資対象を見定めましょう。
入居者ニーズと将来性の見極め
マンション経営では、地域によってニーズを見極めることが大切です。
ワンルームタイプ・ファミリータイプのどちらを選ぶかで、投資手法は変わってきます。
都市部の駅付近は、ワンルームタイプを選ぶとニーズの減少は低いです。
その分、入退去の機会も多くなる傾向があります。
ファミリータイプのマンションは、家賃も高く設定できるので、利回りも大きいです。
しかし、ファミリー世帯が少ない地域では、入居が決まりづらかったり、退去時の修繕費も高くなったりするのがデメリットです。
マンション経営で成功する為のポイント
マンション経営は、事前の準備が最も重要です。
いざという時に必要となる資金計画を立てておかないと、体制を立て直すのが難しくなります。
安定的な運営を図るコツをみていきましょう。
適切な資金計画の立て方を理解する
マンション経営は、長期で家賃収入を得られる資産運用です。
本業とは別で安定した収入も得られ、将来的なFIREを実現することも可能でしょう。
物件の購入費は高額になりますが、融資を組んで家賃収入でローン返済もできます。
長期投資に向いたマンション経営ですが、一方で必要となる資金計画も大切です。
- 自己資金とローン活用のバランス
- キャッシュフローのシミュレーション
- 緊急事の資金確保とリスク管理
以上のポイントに注目してみていきましょう。
自己資金とローン活用のバランス
マンション経営でリスクを減らす場合は、できるだけ自己資金を用意しておきましょう。
金融機関からのローンを抑えることで、毎月の返済額や金利を安くできます。
また、突発的な出費に対応できるのも、自己資金を多く用意する手段のメリットです。
マンション経営では、ローンを組む方が多いですが、キャッシュフローの生まれる範囲が無難です。
キャッシュフローのシミュレーション
キャッシュフローがマイナスになるローンの組み方は避けましょう。
仮に毎月の返済額が12万円で、キャッシュフローが10万円の場合、二万円の手出しになります。
これでは、資産運用として成り立ちませんし、毎月赤字です。
年金代わりになるからと、マンションの購入を進める業者もいます。
しかし、キャッシュフローの内容など、事前に精査して投資に踏み切る必要があります。
緊急時の資金確保とリスク管理
マンション経営では、突発的なトラブルに対する資金確保が必須です。
給湯器の不具合や退去部屋のリフォームなど、まとまった資金が必要になる場面があります。
その際に、自己資金がなければ対応できません。
キャッシュフローは使い込まず、緊急時に備えてリスク管理を行いましょう。
入居者獲得の戦略を立てる
マンション経営で最も避けたいリスクは、空室です。
入居率をあげるには、管理会社に頼りきらず自分で工夫する必要もあります。
- 魅力的な物件のプリモーション方法
- 入居者のニーズに合わせた設備・サービス
- 定期的なリフォームや改善活動
最近は、SNSを活用した集客へ力を入れるオーナーも多いです。
入居率を上げるためにも、顧客のニーズを掴んで集客を行いましょう。
魅力的な物件のプロモーション方法
上記でも述べましたが、InstagramなどのSNSを活用した集客方法が増えています。
Instagramは、若年層に向けた情報を発信しやすく、おしゃれな写真で目に止まりやすくなります。
さらに、タグ付けもできるので、エリアに絞った集客も可能です。
設備の詳細や内装のポイントなど、一つの投稿で情報を網羅できれば、問い合わせに繋がるでしょう。
入居者のニーズに合わせた設備・サービス
単身者や学生、ファミリー層などニーズに合わせたサービスを用意しましょう。
単身者や学生は、家電などをオーナーがあらかじめ用意しておくと、入居率も上がります。
最近では、一人暮らしでもペットを飼う方も多いので、扉に猫用の通路など用意もおすすめです。
また、インターネット無料などのサービス導入も有効です。
Wi-Fi無料は、どの世代でも人気のサービスなので入居率の大幅アップが期待できます。
定期的なリフォームや改善活動
定期的なリフォームやマンションの改善活動も、入居率アップに有効です。
マンションの共用部が常に汚れている場合、それだけで内見者からの印象は下がります。
特に、梅雨の時期や雨天時は、泥が混じり余計に汚れて見えます。
管理会社の管理内容に含まれる場合もあるので、事前に確認してください。
また、物件は10年ほどで段々と不備が出てきます。
トイレやお風呂などの水回りの不良や、配管の腐食がみられることもあります。
住んでみて不備があったとならないためにも、定期的なリフォームはおすすめです。
管理・運営の効率化を考える
マンション経営を進める上では、管理・運営を効率化することで円滑に回すことができます。
特に、遠方の方や副業で行う方は、管理会社や効率化ツールの活用をおすすめします。
- プロの不動産管理会社との協力
- 賃貸経営の効率化ツール
- メンテナンスコストの最適化
プロの不動産管理会社との協力
管理会社を選ぶ際は、仲介と売買のどちらにも力を入れている不動産会社を選びましょう。
仲介業務・管理業務の両方の評判が良い会社は、退去が出ても安心して任せられます。
また、内見案内も行うので、物件の設備などにも精通し入居者からの信頼も置かれるでしょう。
物件の運用やトラブルの対応、定期巡回などを行ってくれる管理会社もあります。
物件エリアの不動産会社を複数回り、最も信頼できる管理会社を探すのがおすすめです。
賃貸経営の効率化ツールの活用
賃貸経営を円滑に行うために、効率化ツールの導入もおすすめです。
オーナー・管理会社用の効率化に適した「オーナーアプリ」というものがあります。
オーナーアプリとは、管理会社から送信される書類の整理、チャット連絡、電子印鑑までできるものがあるツールです。
また、収支データ分析やデータ出力までできるものもあります。
以下に、オーナーアプリを複数紹介するので参考にしてください。
- ビズアナオーナー
- いい生活owner
- GMO賃貸オーナーアプリ
メンテナンスコストの最適化
マンション経営のメンテナンスコストは、設備・外装・内装の全てにかかります。
設備には、トイレやエアコンなどが該当し、入居者の故意出ない場合、オーナーの負担になります。
また、退去時には内装リフォームも必要です。
定期的に、外装の防水や防錆などもしなければなりません。
コスト削減につながる1番の方法は、定期点検です。
特に、設備は交換よりも修理の方が値段を抑えられます。
後から資金不足にならないためにも、日頃から対策しておくことが大切です。
税対策・節税方法を理解する
マンション経営では、税金対策・節税を意識するだけで収益に大きな違いが表れます。
- 税理士との連携による税務対策
- 有効な税務対策
- 税金の納付スケジュールと計画
長期運営では、節税の意識がとても大切です。
それでは、解説していきます。
税理士との連携による税務対策
節税対策には、節税に強い税理士と連携し、税務対策を進めましょう。
法人を設立している場合、法人税の節税対策は必須です。
節税に向けた法人化や法人決算など、税制に強い税理士に依頼すれば、税制対策を細かく指導してくれます。
帳簿の記帳や経費のアドバイスなど、税金の専門家ならではの視点でアドバイスが受けられるでしょう。
有効な節税手段の活用
個人事業主の方などができる節税手段を活用し、支払い税金額を抑えましょう。
- 青色申告を行う
- 経費、控除の見直しで
税金の納付スケジュールと計画
マンション経営で成功するには継続的な学びと情報収集が必須
- マンション経営は長期で家賃収入を得られる資産運用
- 立地条件やニーズの分析を怠らない
- 入居率アップには、オーナーの継続的な学びが必要
マンション経営は、安定的な収入を期待できる不動産投資です。
しかし、空室リスクやローンの返済など、損益を生む可能性も十分考えられます。
購入したから安心という考えでは、成功とはいえません。
オーナー自ら学び、入居者のニーズに応え続ける姿勢が安定的な運営への近道です。