千代田区は、東京23区の中でもエリアとしては小さいですが、皇居や国会議事堂など、日本の首都機能を有しています。
千代田区・中央区・港区は、都心3区とも呼ばれ、賃貸需要の高さや交通アクセスの利便性も十分なため、不動産の投資先としても申し分なしです。
しかし、千代田区は物件価格が高額になりがちなことや、利回りを高く確保できないことから、不動産投資には不向きではないか?と言われることもしばしば。
そこで本記事では、千代田区で不動産投資を始めるメリットや注意点などを紹介します。
不動産投資の始め方を解説!失敗しないコツや運用する際の注意点も紹介
千代田区の概要
千代田区の概要から、特徴や人口について解説します。
- 特徴
- 需要の高い物件
- 家賃相場
特徴
千代田区は東京都23区の中心に位置し、新宿区や文京区、台東区と隣接するエリアです。
官公庁や政府の主要機関、多数のオフィスビルが並びますが、東京都の人口1,398万人のうち、千代田区の人口はわずか6万8千人に過ぎません。
その理由として、広大な皇居を含む住宅地の制限が番町のような高級住宅街もありますが、1Rマンションの需要も高く、賃料は23区中でもトップクラスに位置します。
日本全体で見ても、賃貸需要は高いエリアともいえます。
需要の高い物件
千代田区は、ファミリータイプのマンション数が少なく、需要に対して供給が追いついていません。
特に、高級住宅街として名高い番町のような地域は、渋谷や恵比寿のような商業エリアとは異なり、主官公庁や大企業の本社が集中しています。
昼間の労働人口が多く、千代田区の商業的価値は日本でもトップクラスです。
しかし、ファミリータイプの高級住宅街は不動産投資には不向きで、高額な上に価格変動による損失リスクが大きくなります。
反対に、ワンルームマンション投資は需要も高く、空室リスクを避けた賃貸経営が可能です。
利回りが低くなる傾向がありますが、希少性や資産価値が高いエリアといえるでしょう。
家賃相場
千代田区の家賃相場を紹介します。
1R・1DK | 11.95万円 |
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1LDK・2DK | 20万円 |
2LDK・3DK | 33.76万円 |
3LDK・4LDK | 43.9万円 |
千代田区は、東京23区の中でも2〜3番目に家賃相場が高く、賃貸需要の高さが魅力です。
家賃水準も高いため、不動産投資の対象エリアとして十分な機能を持っています。
千代田区での不動産投資がおすすめな理由
千代田区での不動産投資がなぜおすすめなのかについて解説します。
- 資産価値が下がりにくい
- 空室リスクが起こりにくい
- 子育て支援制度も充実
資産価値が下がりにくい
千代田区の不動産は、資産価値が長期で高く保てられる特徴があります。
新築物件を保有している場合でも、時間の経過とともに劣化は避けられません。
特に、好条件の物件は、年月とともに需要が低下するリスクが伴います。
しかし、都心三区のようなアクセスの良いエリアの物件は、築年数が経過しても資産価値はは維持されやすく、賃貸需要が低減する恐れは少ないです。
空室リスクが起こりにくい
不動産投資は多くのリスクが発生しますが、空室に対するリスクは特に注意すべき点です。
入居者がいない期間は家賃が途絶えるため、ローン返済のために自己資金を削る必要があります。
短期間の空室であれば対応可能ですが、長期間に及んだ場合、生活に充てる自己資金まで必要となるでしょう。
しかし、千代田区をはじめとする都心三区のような高い賃貸需要の地域では、空室リスクは相対的に低く、より安定した運用が望めます。
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子育て支援制度も充実
千代田区は治安が悪いイメージがあり、ファミリータイプの物件は家賃相場が高く、ファミリー世帯が住みにくいエリアといわれますが、子育て支援制度が充実しています。
- 児童手当
- 誕生準備手当
- 子ども医療費助成
- 定期予防接種
- 歯科検診
- 一時預かり保育
- 千代田区子育てサポート
- 子どもショートステイ
- 育児支援訪問事業
- 乳児家庭訪問
- 幼稚園就園奨励費
- 私立幼稚園補助金
千代田区では、上記のような手厚いサポートを受けられるため、中古物件で利回りが十分とれる場合は、ファミリー世帯をターゲットにした投資を行うこともおすすめです。
千代田区で不動産投資を始めるメリット
千代田区で不動産投資を始めるメリットを紹介します。
- 家賃相場が高い
- 人口が増加傾向にある
- 都心へのアクセスが良好
家賃相場が高い
都心3区はである千代田区は、家賃が高額になった場合でも住みたいという層が多いため、家賃を高く設定できます。
築年数が経過しても家賃が見込める、安定した経営ができるでしょう。
また、家賃を多く取れても、利回りが低くなる傾向があるため、購入前に入念なシミュレーションを行うことをおすすめします。
人口が増加傾向にある
全国的に人口減少が進行している中、千代田区はその傾向を逆行し、今後も人口増加が進むと予測されます。
東京都全体では、コロナ禍の影響で人口減少の流れはありましたが、千代田区は影響を受けず人口・世帯数ともに増加しています。
このことから、オフィス街特有の根強い賃貸需要があるといえるでしょう。
都心へのアクセスが良好
千代田区は、下記の路線が通っているため、都心へのアクセスも抜群です。
- JR京葉線
- JR総武線
- JR京阪東北・根岸線
- JR山手線
- J中央線
- JR上野東京ライン
- JR東海道本線
- JR横須賀線
- 東京メトロ丸ノ内線
- 東京メトロ東西線
- 東京メトロ南北線
- 東京メトロ有楽町線
- 東京メトロ日比谷線
- 東京メトロ半蔵門線
- 東京メトロ千代田線
- 東京メトロ銀座線
- 都営地下鉄大江戸線
- 都営地下鉄新宿線
- 都営地下鉄三田線
- つくばエクスプレス
このように、千代田区では20路線が通り、交通アクセス麺の良さが特徴です。
また、区の施設や福祉施設を結ぶコミュニティバスもあるため、バス移動での利便性も良好です。
千代田区で不動産投資を行うデメリット
千代田区での不動産投資におけるデメリットを紹介します。
- 物件価格が比較的高額
- 利回りが低くなる
物件価格が比較的高額
千代田区の物件は、物件購入にかかる価格が高額になりがちです。
物件が高額になる場合、自己資金を余分に準備する必要があり、融資を通過する際の属性審査も厳しくなるため、購入者が限定的になります。
属性によっては融資が通らない可能性があり、初心者では厳しい面もあるでしょう。
利回りが低くなる
不動産投資を行う際、高額物件は利回りが低くなりがちで、大きな利益を狙うことは難しくなります。
特に、築浅物件の場合は、初期費用が高い割に家賃設定を特別高く設定できる訳ではありません。
千代田区の場合、2500万円前後のワンルームで、年間の家賃収入が100万円前後ですが、利回りは2〜4%程度しか確保できず、賢い投資とはいえないでしょう。
また、高額物件を購入する際は、売却時の出口戦略も事前に考慮する必要もあるため、売却時のことまで想定して投資する物件を選ぶことが大切です。
千代田区で不動産投資を始める際の注意点
千代田区で不動産投資を始める際、気をつけるべきポイントを紹介します。
- 利便性の高い立地か
- 修繕や管理の徹底された物件か
- 相場に見合った利回りかどうか
利便性の高い立地か
不動産投資における最も重要な要素は、物件の立地といっても過言ではありません。
立地は変更することができない条件のため、投資用の不動産を選択する際は、利便性に重視することをおすすめします。
- 駅から10分以内の距離
- 交通アクセスが良好
- 周囲にスーパーやドラッグストアが充実している
上記のような、条件を満たす物件を選びましょう。
修繕や管理の徹底された物件か
築年数の経過した物件でも、適切な管理が施されているマンションは清潔感が保たれ、物件の劣化も目立たない特徴があります。
ずさんに管理されている物件の場合、共用部や室内において汚れや破損が目立ち、その結果、入居付けが困難になるリスクが伴います。
ワンルームマンション投資などのケースでは、共用部分の管理は特定の管理会社に応じて、管理費を支払って依頼可能です。
オーナー自身も、退去時のタイミングで内装リフォームやリノベーションを行い、適切な物件管理を心がけましょう。
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相場に見合った利回りかどうか
利回りは、投資した資金を回収できる期間を表し、不動産投資において非常に大切な数値です。
しかし、多くの物件情報で記載されている利回りは、1年間の満室経営を前提に計算されているため、途中で空室が発生すれば、提案された利回りを実現することは困難です。
不動産投資によって生まれる利益は、物件に賃貸需要があり、入居者が付くことで安定的な利益を得られます。
自分の希望する利回りを確保できない場合でも、賃貸需要が高いエリアであれば、長期間の経営で安定したパフォーマンスを出せるでしょう。
千代田区の特徴を把握して不動産投資を始めよう!
千代田区で不動産投資を行うメリットやデメリット、注意点を紹介しました。
賃貸需要の高さや人口増加の傾向がある千代田区では、安定した不動産投資が可能です。
しかし、物件価格が高く利回りも十分に確保できないため、初心者では難しい場面もあるでしょう。
都心3区のような、利便性抜群のエリアで不動産投資を検討する際は、事前に入念なシミュレーションを行うことが大切です。