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一般NISAは非課税期間5年以内に売却すべき? 含み損が出ている対処法とロールオーバーの方法を解説

編集者:Money Theory編集部
一般NISAは非課税期間5年以内に売却すべき? 含み損が出ている対処法とロールオーバーの方法を解説

「NISAは5年経ったら売却しないといけないの?」
「NISAのロールオーバーってなに?」

投資で得た利益が非課税になるNISAを利用している人は、5年の非課税期間終了時のタイミングで上記のように悩むこともあるはずです。

ロールオーバーというNISAの期間を延長する方法もありますが、利益を大きくしたい・損失を減らしたい場合はロールオーバーしてもいいのか気になりますよね。

この記事ではNISAで非課税期間が過ぎた際の対処法やロールオーバーをするべきタイミングを解説していきます。

NISAはデメリットが多い?メリットとデメリットから利用すべき人を解説

一般NISAの仕組み

一般NISAの仕組み
利用できる人 日本在住の20歳以上
口座開設数 一人1口座
非課税期間 5年間
年間投資限度額 年間120万円(計600万円)
投資対象
  • 国内株式
  • 外国株式
  • 投資信託
  • ETF
投資可能期間 2023年まで(2024年からは新NISA)

NISAは投資を行う際の少額投資非課税制度で、税制優遇を受けられる制度です。

投資の利益は課税対象になり、利益の20.315%が課税対象になるため、NISAを利用して非課税枠内で投資をすれば税額控除に繋がります。

一般NISAの場合は、年間120万円で5年間の非課税期間があります。

そのため、5年の非課税期間が終わると、投資している商品を売却するなどの手段を取る必要があります。

NISAは損益通算できない

NISAは非課税制度のため利用者も多く、非常に人気がありますが、損益通算ができないデメリットもあります。

損益通算とは一定期間内の利益と損失を相殺して税額控除する方法ですが、NISAは他の口座で投資した株式や投資信託とは損益通算ができません。

損益通算ができないと、NISAで損失が出た場合はNISAの非課税制度のメリットが完全に失われてしまうことになります。

NISAは投資の利益に対する非課税制度のため、利益が出ていないならばNISA口座で投資する意味はありません。

株初心者にNISAはおすすめ!非課税の仕組みやNISAのメリットを徹底解説

NISAで非課税期間5年が過ぎた際の対処法

NISAを利用しながら非課税期間5年が過ぎた場合、次の3つの対処法が取る必要があります。

  • 売却する
  • 課税口座に移す
  • ロールオーバーする

NISAの期間は厳密に定められているため、購入した投資商品を売却するか、今後も継続して保有するか考えなければいけません。

以下にそれぞれの方法を解説します。

売却する

NISA口座で購入した商品を、5年の非課税期間内に売却すれば非課税になります。

投資で利益が確定するタイミングは、商品を売却して利益を確定させたタイミングです。

含み益がある状態で商品を保有している場合は利益とは見なされませんが、NISAの場合は5年の非課税期間が終わる前までに売却して利益を確定させなければ課税対象になってしまいます。

そのため含み益がある商品を保有している場合、5年後に売却することで無駄な資金を支払うことはありません。

しかし、5年の非課税期間が終了したからと言って売却してしまうと、商品が値上がりした場合に利益獲得チャンスを逃してしまうリスクもあります。

課税口座に移す

NISAの非課税期間5年が終了した場合、通常の課税対象の口座に商品を移すことができます。

5年経っている場合に含み損がある場合や、今後の成長が期待できる場合は通常の課税口座に移すことでその後の商品の値動きによっては利益を出すことも可能です。

また通常の課税対象の口座に商品を移すことで、他の投資商品と損益通算することもできます。

5年の非課税期間が終了した後も長期保有したい場合、通常の課税口座に移すことで投資全体の税額控除ができるかもしれません。

ロールオーバーする

NISAの非課税期間が終わった場合の対策として、ロールオーバーという制度で非課税期間を延長することもできます。

ロールオーバーとは非課税期間5年が終了した資産を、翌年6年目のNISA買付可能枠を使用して移し換える制度です。

例えばロールオーバーするのが50万円分の商品であれば、翌年6年目の非課税投資枠は120万円-50万円=70万円分となります。

非課税投資枠を減らすデメリットはありますが、継続して利益を出せている商品であれば非課税枠を利用すると利益が減りづらいため得です。

NISAの非課税期間が終了する5年目の12月頃に、保有資産のロールオーバーする手続きをすることで対象商品がロールオーバーされます。

ロールオーバーは手続きをしないと自動で課税口座の特定口座に払い出されてしまうため、ロールオーバーをしたい人は早めに対応しておきましょう。

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NISAでロールオーバーした際の翌年の非課税投資枠は?

NISAでロールオーバーする際、次の2パターンがあります。

  • ロールオーバー資金が120万円以下
  • ロールオーバー資金が120万円以上

結論から言えば、非課税投資枠の120万円を終えていてもロールオーバーできます。

しかし、ロールオーバーした後の非課税投資枠の利用状況が変わるので確認しておきましょう。

以下にそれぞれ解説します。

ロールオーバー資金が120万円以下

ロールオーバーした際の資金が120万円以下の場合、前述した通り120万円からロールオーバー資金を引いた額が翌年の非課税投資枠上限です。

例えば50万円を移管すると、新たなNISAの非課税投資枠は70万円です。

またロールオーバーは移管時の価格で取り扱われるため、120万円で購入した商品が5年後の非課税投資期間終了時に100万円に値下がりしていた場合、100万円でロールオーバーされます。

そのため含み損がある商品を移管した場合、翌年の非課税投資枠に余裕ができるメリットもあります。

ロールオーバー資金が120万円以上

ロールオーバーした際の資金が120万円以上でも、ロールオーバーは可能です。

例えば120万円の商品が5年間で値上がりして150万円になっていると非課税投資枠の上限を超えていますが、ロールオーバーできます。

しかし、ロールオーバーすると翌年の非課税投資枠は使えず、新しく商品を購入することができません。

NISAでロールオーバーすべきタイミング

NISAでロールオーバーすべきタイミング

ロールオーバーすることで保有資産を長期保有することはできますが、翌年の非課税投資枠を消費してしまうデメリットもあります。

そのため、ロールオーバーをすべきか素直に売却すべきかわからない人も多いはずです。

ロールオーバーをすべきタイミングは、次の2つのタイミングです。

  • 非課税期間終了時に含み損があるとき
  • 含み益があり今後も値上がりが期待できるとき

NISAは前述した通り、投資で得た利益を非課税にできる制度なので、今後の値上がりで利益が確保できそうな場合はロールオーバーをすべきと言えます。

以下にそれぞれのタイミングを詳しく解説します。

非課税期間終了時に含み損があるとき

非課税期間終了時に含み損があると、今後一般口座に移してから利益が出れば当初の損失の範囲内でも課税対象になります。

例えば120万円の商品が非課税期間内に値下がりして100万円になった場合、一般口座に移してから110万円になれば10万円分が課税対象になります。

一般口座で保有し続けていれば利益が出るまでは課税対象になりませんが、移管することで損失を出しているのに課税対象になる可能性があります。

そのため、今後の成長を期待して含み損が出ている商品を保有し続けたいならロールオーバーして非課税期間を延長した方がいいです。

ただし、NISAの非課税期間を意識しすぎると損切のタイミングを失ってしまい莫大な損失を生む可能性があります。

今後の成長が望めない場合や一定額以上の損失が出た場合は、素直に売却しておきましょう。

含み益があり今後も値上がりが期待できるとき

非課税期間5年に含み益があり、今後も値上がりが期待できる場合もロールオーバーするのがおすすめです。

例えば120万円で購入した商品が150万円になり、今後も長期的に成長することが期待できる場合はロールオーバーして保有し続けると長期的な資産形成が可能です。

ロールオーバーすると年間投資枠が圧迫され他の商品に投資しづらくなりますが、投資はそもそも「損失を小さく、利益を大きく」するものです。

一つの商品で利益を出し続けているのであれば、他の商品をわざわざ購入する必要はありません。

また、株式投資などで株式優待などの制度が受けられる商品を持っている場合も長期的に保有することが前提なので、ロールオーバーすると良いです。

NISAで損失を出さないコツ

NISAは利益に対して非課税制度が適用されるため、できるだけ投資で利益を出しておくことがNISAを活用するためには重要です。

NISAで損失を出さないコツは次の3つです。

  • 通常の口座と同じタイミングで売買する
  • 分散投資をする
  • つみたてNISAを使う

NISA口座を利用する際、利益を出そうとし過ぎると損失が大きくなりすぎる可能性があります。

以下にそれぞれのコツを解説します。

通常の口座と同じタイミングで売買する

NISA口座だからと言って、無理に保有期間を延ばすことや損切ラインを下げることは避けましょう。

NISAは損失が出た場合無駄になると考えると、損切したくてもできなくなってしまいます。

しかし利益に拘り過ぎると損失が莫大になって取返しのつかないことになる可能性もあるため、通常の投資口座と同じように売買する事が重要です

損失をできるだけ小さくするために、NISAで投資を始める場合でも損切タイミングは決めておきましょう。

分散投資をする

NISAで投資をする場合、分散投資を心がけましょう。

投資はどれだけ利益を出しやすいものでも、価格変動などで損失を出すリスクが伴います。

そのため、1つの商品に一点集中するのではなく、複数の商品に分散投資することでリスクを分散することができます。

NISAは国内株式や投資信託など幅広い商品に投資できるため、種類の違う商品に投資しておくことでリスク軽減につながります。

つみたてNISAを使う

つみたてNISAは2018年1月にスタートした、少額からの長期積み立てと分散投資に特化した非課税制度です。

年間の非課税投資枠が40万円で、積立投資による利益が非課税となります。

一般NISAとは異なり、最長20年という長期の運用が可能なので少額で安定した投資が可能です。

つみたてNISAは一年間の非課税投資枠は一般NISAに比べると少ないですが、合計では最大800万円とNISAより200万円多いため、長い目で見ればつみたてNISAの方が非課税のメリットは大きいです。

リスクを最大限に抑えて投資できるため、これまで一般NISAを使っていた人はつみたてNISAに切り替えることも考えましょう。

切り替え方に関しては、次の記事で紹介しています。

つみたてNISAの銀行変更の方法は?変更時の注意点と手順を徹底紹介

新NISAにもロールオーバーはできる

2024年から新NISAに移行することが金融庁によって決められましたが、新NISAにもロールオーバーはできます。

新NISAは20万円の一階層部分と102万円の二階層部分に分かれていますが、ロールオーバーは今まで通り限度額を超えていても可能です。

122万円未満の場合は2階層の102万円分から消費され、残りを1階層部分で消費されます。

そのため、100万円の商品をロールオーバーする場合は二階層の102万円部分が使われ、五階層の20万円の投資信託への投資と二階層の残り2万円分の投資が可能です。

122万円を越えた商品をロールオーバーする場合は現在と同様、翌年の非課税枠で新規購入することはできません。

新NISAのロールオーバーはどうなる?一般NISAからロールオーバーする仕組みや注意点を解説

NISAは5年以内に売却or保有し続けるか選択する

NISAは5年以内に売却しないといけないと決められているわけではなく、通常の口座に移すかロールオーバーする選択肢もあります。

保有し続ける場合、今後利益が出る商品であればロールオーバーすべきです。

またロールオーバーは2024年から実施される新NISAにもできるので、長期保有したい人も安心です。

NISAの非課税期間5年が終了する人は、売却以外の方法も考えてみてください。