「NISAを解約したい」
「NISAはいつやめてもいいの?」
NISAで実際に利用している場合、以上のような悩みを抱えている人も多いでしょう。
この記事ではNISAを解約する手順を紹介してから、解約する前にできる対策と解約時の注意点についても紹介します。
【株初心者必見】NISAとは?NISAの基礎をわかりやすく徹底解説
NISAを解約する手順

NISAはいつでも解約することができ、解約手数料もかかりません。
辞めたいときにはいつでもやめることができるので、NISAを使わないことを決めた人はい解約手続きにのっとって解約しましょう。
NISAを解約する手順は次の通りです。
- 書類を申請する
- 書類を提出する
- 非課税口座廃止通知書が届く
解約できるまでの期間は会社ごとに異なりますが、基本的に書類の提出さえできればNISAは解約できます。
また登録金融機関を変える場合にも、元の証券会社では解約手続きが必要になります。
以下にそれぞれ解説していきます。
書類を申請する
解約することを決めると、まずは書類の申請です。
金融機関によって書類の申請方法は異なりますが、電話やインターネットから金融機関にNISA口座を解約したい旨を連絡します。
連絡できれば、必要書類が送られてくるのを待ちましょう。
ネット証券でも、カスタマーセンターなどに直接電話をして書類の申請を行わなければならないケースもあるので、自分が登録している会社がどの解約方法か確認しましょう。
以下に主な証券会社のNISA解約時の書類申請方法をまとめています。
SBI証券 | カスタマーサービスセンターに直接電話 |
---|---|
楽天証券 | ウェブから手続き |
野村證券 | 取引店、または、総合ダイヤルに直接電話 |
SMBC日興証券 | 取引店、または、日興コンタクトセンターに直接電話 |
松井証券 | 松井証券顧客サポートへ電話、または、お客様サイトから問い合わせ |
それぞれ会社ごとに申請方法が違うので、各サイトを確認しましょう。
書類を提出する
口座解約に関わる書類が手元に届いたら、必要書類を記入、同封して返送します。
NISA口座の解約に必要な書類は会社やNISAの種類によって異なるので、きちんと確認してから送付しましょう。
主に次の書類が必要になります。
- 非課税口座廃止届出書
- 未成年者口座廃止届出
- 本人確認書類のコピー
- マイナンバー確認書類のコピー
すでにマイナンバーを登録している場合は本人確認書類やマイナンバー確認書類は必要ではないケースもありますが、大体以上の書類を準備しておけば問題ありません。
非課税口座廃止通知書が届く
書類を送付してから金融機関の解約手続きが済めば、非課税口座廃止通知書が届いて解約手続き完了です。
今後再びNISAを始める時に非課税口座廃止通知書が必要になるので、適当に捨てずに保管しておきましょう。
今はNISAをもうやらないと考えているかもしれませんが、5年後にまた始めたくなることもあります。
NISAはデメリットが多い?メリットとデメリットから利用すべき人を解説
NISA解約時の注意点
NISAを解約するのは簡単ですが、NISAは解約することで不利益を被る可能性があります。
NISA解約時には、次の注意点を確認してから決めましょう。
- 保有資産は解約前に売却or課税口座に移管する
- 商品の売却には売買手数料がかかる
- 来年度までNISAを利用できない
途中で解約する場合、NISAで保有している商品を移管するか売却する必要があります。
その際にお金が発生するので、もっと続けておけばよかったなんてこともあり得ます。
きちんと解約のデメリットを理解してから続けるかどうか決めましょう。
以下にそれぞれ解説していきます。
保有資産は解約前に売却or課税口座に移管する
NISA口座に保有資産が残っている場合は、次の方法で口座残高を0にする必要があります。
- 金融商品を売却する
- 一般口座や特定口座などの課税口座に移管する
特に保有資産の売却時には、売却するタイミングを意識しましょう。
購入した時の価格よりも低い価格で売却すると損をしてしまうので、NISAの非課税制度を利用するならできるだけ利益を出しているタイミングで売却すると良いです。
そのためNISAを解約したいからと言って、すぐにすべての商品を売却して解約するよりは、タイミングを計って商品を売却してから解約するようにしましょう。
スケジュールに余裕を持つようにし、保有資産の値動きを確認しながら、利益が最大に出るときにやめるとNISAをお得に使ったまま解約できます。
また、NISA口座で保有している商品を売却しても、その分NISAの非課税枠が復活するわけではないので、他の商品を買いたいために解約する、という人はやめましょう。
商品の売却には売買手数料がかかる
NISA口座の解約では「解約手数料」はかかりませんが、保有資産を売却する際には通常どおり「売買手数料」がかかります。
持っている商品の金額によって売買手数料は変わるので、売却前に手数料を確認しておきましょう。
思っていた以上に売買手数料が高くついた、なんてこともあり得ます。
ネット証券の場合は売買手数料が低く抑えられていることが多いですが、事前に確認は必須です。
来年度までNISAを利用できない
NISAを解約すると、別の金融機関でも来年度まではNISAを利用できません。
口座の再開設が出来なくなるので、本当にNISAを辞めていいか自問自答すると良いでしょう。
他にも一般NISAを解約してつみたてNISAを再開設するといったNISAの種類を変えたいケースでも、解約手続きを行ってしまうとNISA口座の再開設ができません。
NISAの種類を変えたい場合は、NISA口座の解約ではなく、「一般・つみたてNISA口座の種類の変更」という手続きを行う必要があるので、解約手続きでいいのか確認しましょう。
NISAを解約する前にできる対策

NISAを解約時には注意しておくべきことがいくつかあります。
そのため、解約前に他の手段を取ることでNISAを解約しなくてもいいかもしれません。
NISA解約前にできる対策は、次の5つです。
- 購入する銘柄を変更する
- 保有している株や投資信託を一部売却する
- 一旦NISA口座での投資をやめる
- 金融機関を変更する
- NISA口座をつみたてNISA口座に変更する
NISAは利益が出ていない限り非課税制度の恩恵を受けられないので続ける意味は薄いですが、解約するとデメリットも多いです。
以下にそれぞれ解説していきます。
購入する銘柄を変更する
NISA口座を解約する理由が「儲からない」「思うように利益が出ない」という理由であれば、解約より先に購入している金融商品の見直しを行いましょう。
NISAは金融商品がなんでも購入できるわけではありませんが、約2500種類程度の商品から選んで購入できます。
投資信託だけでなく、国内株式、外国株式なども購入可能なので、他の商品に切り替えたりすれば利益が出る可能性があります。
儲かっていない人は、NISAだから利益が出ない、というわけではない可能性が高いので商品の見直しで利益がだせるかもしれません。
ただし、NISAの年間限度額120万円は、特定の商品を売却しても回復するわけではありません。
年間120万円までしか購入できない、という意味なので他の商品を買いたいときは注意しましょう。
保有している株や投資信託を一部売却する
「急遽お金が必要になった」という理由でNISAの解約を検討している場合は、一旦保有している株や投資信託を一部売却することで対応しましょう。
わざわざすべて売却してNISAを解約しなくても、一部売却で必要資金を工面できるならば注意点が多い解約をする必要はないでしょう。
NISA口座は解約せずに済めば、経済的に余裕が出てきたタイミングで残りの非課税投資枠を活用できます。
もちろん、翌年度までに経済的余裕が出る見通しが明らかにない場合や、すでに4年半利用している場合は解約してもどちらにせよ解約することになるので問題ありません。
一旦NISA口座での投資をやめる
投資自体から手を引きたいから解約する、という場合は、解約の前にいったんNISA口座での投資を辞めてみると良いでしょう。
絶対に投資に触らないために解約する、という人は仕方ないですが、少しお金の使い方を見直したい、くらいであればわざわざNISA解約する必要はないでしょう。
解約してしまうと残りの非課税投資枠は使えなくなるので、NISA口座は解約せず温存しながら一旦投資と距離を置く方が後々得になります。
NISAは年間120万円まで非課税での投資ができますが、別に120万円使う必要はありません。
解約すると後々始めたくても始めれない、なんてこともあるので、値動きが気になってしまう人は保有している株や投資信託を売却してから解約せずに口座を残しておくと良いでしょう。
金融機関を変更する
NISA口座を解約する目的が「今使っている証券会社は使い勝手が悪い」「手数料が高い」という人は、NISA解約ではなく、ほかの金融機関に変更すると良いでしょう。
NISAは利益が非課税になるメリットがあるので、わざわざNISAを辞める必要はありません。
ただし先に説明した通り、NISA口座の非課税投資枠を使って一度でも投資をした場合はその年に金融機関変更はできなくなるので注意しましょう。
また、NISAの金融機関変更には口座開設時と同じくらい手間と時間がかかるすることになる点も想定しておきましょう。
NISA口座をつみたてNISA口座に変更する
NISA口座からつみたてNISA口座に変更することができるので、金銭面で不安に感じている場合はつみたてNISAに変更するのも一つの手です。
NISA口座とつみたてNISA口座の大きな違いは次の通りです。
NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
非課税期間 | 最大5年間 | 最大20年間 |
非課税投資枠 | 年間120万円 | 年間40万円 |
購入可能株式 | 国内外の株式や投資信託 | 選定基準を満たした投資信託のみ |
年間で40万円以上NISA口座を活用していない人や株式を購入しておらず投資信託での運用を考えているという人は、つみたてNISA口座のほうが適しています。
金銭面でも余裕が出るため、つみたてNISAの利用に変更する想定もしておくと良いでしょう。
NISAは再開設も可能
NISAを解約後は翌年度まではNISAを再開できないと説明しましたが、その後なら再開設も可能です。
NISAの再開手順は次の通りです。
- 「非課税口座開設届出書」と取り寄せる
- 本人確認書類と「非課税口座廃止通知書」を同封して返送する
- 口座開設完了
手順としてはNISA解約時とほとんど同じで金融機関ごとに必要書類も異なります。
金融機関と税務署の審査や手続きを経てから再開できるので、もし辞めても再び始めることはできます。
ただし、解約手続きを取ってしまうと再び審査を受けて書類を提出するのはかなり面倒です。
できるだけ解約せずにうまく対策を取ると良いでしょう。
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NISAの解約手続きは簡単だが、解約以外の方法を取った方が良いケースが多い
NISAの解約手続きは書類をもらって送り返すだけで簡単に終わりますが、商品を売却したり移管する手間がかかります。
NISA口座には手数料もかからないので、わざわざ解約する前に一部商品を売却する等の対策を使って口座を残す手段を選ぶと良いでしょう。
NISAを上手く利用して、お得に投資を続けましょう!