メタバースという言葉はよく聞くものの、なぜ注目されているのか、何がすごいのかはよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
Facebookが社名をMetaに変更したこともあり、今まで以上にメタバースの注目度は高まっています。
そこで、この記事ではメタバースの活用例や将来性、メリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。
投資やビジネスに活かしたい方もぜひ目を通してみてください。
メタバースとは?
メタバースとは、インターネット上の仮想世界や仮想空間サービスのこと。
「アバター」と呼ばれる自分の分身を介して、インターネット上に構築された仮想空間に出入りでき、他の利用者とコミュニケーションをとることが可能です。
メタバース上で会議をしたり、買い物ができるサービスも展開される等、今後さらに新しい活用方法が広がっていくことが期待されています。
メタバースの活用例
メタバースの主な活用例を紹介します。
メタバースは大きく分けると、ビジネス分野とゲーム分野の2つで取り入れられていることが多いです。
ビジネス分野
ビジネス分野でのメタバース活用例としては、下記の3つが代表的です。
- バーチャルオフィス
- バーチャルショップ
- バーチャルイベント
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスでは、仮想空間のオフィスにアバターで出社し、会議やミーティングを行えます。
実際に同じ空間にいるかのような、リアルなコミュニケーション感を得られるのが特徴です。
具体的なバーチャルオフィスサービスとしては、下記のようなものがあります。
Horizon Workrooms | Facebook(現・Meta)によるバーチャルオフィスサービス。 アバターを介することで相手との距離や話しかけられている方向が分かり、自然な会話を再現。 |
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Mesh for Microsoft Teams | Microsoftのメタバースサービス。会議・交流会・プレゼン等が可能 |
RISA | 株式会社OPSIONによるメタバースによるバーチャルオフィスサービス。 アバターに「取り込み中」や「商談中」などのステータスを表示可能で状況把握しやすい。 |
Virbera(バーベラ) | バーチャル空間内のモニターやスクリーンに画像・動画・PDFなどを表示可能。 研修・会議・上映会等幅広く応用できる。 日本での代理店は株式会社ガイアリンク。 |
バーチャルショップ
バーチャルショップとは、リアルの店舗と同じように品物の購入ができる仮想空間上の仮想店舗のことです。
例えば実店舗を360°カメラでスキャンすることで、撮影した空間をそのままオンライン上に生成。
メタバース空間内にバーチャルショップを構築すれば、アバターで店舗を動き回ったりスタッフアバターから接客を受けたりすることもできます。
このように、現実と変わらない感覚でショッピングを楽しむことができるのがバーチャルショップの魅力。
「Beams」などの世界的なブランドが次々とバーチャルショップに進出していることでも、バーチャルショップの注目度は急上昇しています。
バーチャルイベント
バーチャルイベントとは、仮想空間上にイベント会場を構築して行うイベントのことです。
アバターで会場に入場し、席に座ってステージ上のアーティストのライブを楽しんだり、リアルに近い目線の移動も可能。
物理的な距離を感じさせないリアルな体験ができることから、対面イベントとオンラインイベント両方のメリットを併せ持つとして注目を集めています。
ライブ・フェス・セミナー等、様々なイベントに応用できることからも、導入を検討する企業が増えています。
ゲーム分野
メタバースを取り入れたゲームもすでに数多くリリースされています。
これまでの一般的なゲームとの大きな違いは、アバターを介したゲーム内でのリアルタイムのコミュニケーションが可能な事。
同じ時間にゲームしている人と、空間を共有しながら共闘や協力プレイできるのがメタバースゲームの特徴です。
主なメタバースゲームには下記のようなものがあります。
フォートナイト | 「パーティーロイヤルモード」ではフレンドとの交流したりミニゲームで遊ぶことが可能。有名人がバーチャルライブを行ったことで注目を集める。 |
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MINECRAFT(マインクラフト) | 通称「マイクラ」。 ブロックで構成された世界を「冒険・採掘・建設・牧畜」など多彩な遊び方で楽しめる。 決まったルートはなく、自分でその日の遊び方を自由に決められるのが魅力。 バリエーション豊かなブロックで、様々な建物の作成や再現ができ、自分なりの世界観を構築できる。 |
あつまれどうぶつの森 | アバターの着せ替えやヘアアレンジ、家のインテリアの変更、畑作り等、自分の住む世界を自由にカスタムできる。 世界的ファッションブランドがアバター用の服を提供したことでも有名。 |
メタバース利用拡大の背景
近年これだけメタバースが注目されている背景には、いくつかのきっかけがあります。
- VR機器の普及
- 新型コロナウイルス対策としての有用性が注目された
VR機器の普及
メタバースが注目される背景の一つとして、VR機器の普及が挙げられます。
教育分野やエンターテイメント分野で、より実践に近い、リアルに近い感覚を体験できるツールとしてVR機器が活用されていきました。
VR機器の普及率上昇によって、メタバースが利用可能な環境が拡大していたこと。
そしてビジネス利用を現実的にイメージしやすくなっていた事が、メタバースの注目度を高めた要因の一つと言えるでしょう。
新型コロナウイルス対策としての有用性が注目された
新型コロナウイルスの影響によってリモート勤務が推奨され、感染防止対策の一環としてオンラインでコミュニケーションを取りながら自宅で仕事をする働き方が増えました。
それによって、オンラインでもスムーズにコミュニケーション可能なツールが求められるようになり、仮想空間で会議やミーティングを行えるバーチャルオフィスの普及拡大につながりました。
よりリアルに近く、対面に近い臨場感を持ちながらコミュニケーションを取りたいというニーズに応えています。
メタバースのメリット
メタバースの主なメリットには下記のようなものがあります。
- ビジネスでの利用がしやすい
- 現場に行かなくてもリアルで臨場感のある体験ができる
- 現実では不可能な演出も可能になる
- まだ発展途上で新しい価値を見つけられる可能性がある
ビジネスでの利用がしやすい
新型コロナウイルスが流行したことによりテレワーク環境の整備が進み、メタバースを利用したバーチャルオフィスが注目されるようになりました。
共通の仮想空間内にいることで、在宅でも社員同士のコミュニケーションを取りやすいメリットがあります。
業務上のコミュニケーションが取りやすくなるよう改良されたバーチャルオフィスサービスもリリースされており、セミナーや説明会、ミーティング、打ち合わせなど幅広く活用できます。
現場に行かなくてもリアルで臨場感のある体験ができる
現場に行かなくてもリアルで臨場感のある体験ができる、メタバースを利用したバーチャルイベントも注目を集めています。
物理的・距離的な制約を受けずにイベント参加できるため、ユーザーの負担が少なく移動にかかるコストも削減できます。
まさにオンラインとリアルのいいとこどりができるサービスと言えるでしょう。
現実では不可能な演出も可能になる
メタバースを利用した仮想空間ではリアルに近い空間の再現性も魅力ですが、逆にリアルでは不可能な演出が可能になる点も大きな魅力です。
物理的・予算に不可能だったり、建築法上作れないような構造を再現できたり、リアルでは安全上・技術上の理由で実施が難しい演出でも、仮想空間なら再現できます。
また実際の建築物を作るには何年という月日がかかりますが、仮想空間なら自由な構造物をあっという間に構築できます。
リアルとファンタジーをコラボレーションさせた演出ができるのも、メタバースならではの魅力です。
まだ発展途上で新しい価値を見つけられる可能性がある
メタバースの技術はまだまだ発展途上で、今後も新しい機能や活用方法のアイデアが生まれる可能性にあふれています。
アイデア次第で革新的なサービスを誕生させる可能性を秘めていることから、世界的に注目を集めています。
自分たちでメタバースの画期的な活用法や新しい価値を見つけることができるかもしれない、そんな夢のある技術です。
メタバースのデメリット
メタバースの主なデメリットには下記のようなものがあります。
- VRの準備が必要
- リアルでのコミュニケーション機会が少なくなる
VRの準備が必要
VRを活用するメタバースの場合、PCとVR機材を準備する必要があります。
メタバースサービスを快適に利用したいのであればPCはある程度スペックの高いものが望ましく、目安としてPCだけでも10万円程の出費は想定しておきましょう。
家庭でいきなりメタバースを利用できる環境を整備しようとすると、予算的にもややハードルは高めです。
リアルでのコミュニケーション機会が少なくなる
仮想空間内のアバター同士のコミュニケーションばかりになると、現実でのコミュニケーションの機会が乏しくなります。
特に子どものころからメタバースサービスの利用が多いと、現実世界でのコミュニケーションが希薄になってしなうことが懸念されます。
また、オンラインゲームのように没入感が高いため、熱中しすぎて依存症になってしまうリスクもあります。
子どもが利用する際は大人がある程度管理してあげる必要があるでしょう。
メタバースの将来性
メタバースを利用できる環境の整備や法整備、安全性の確立など、発展途上の技術だからこそ解決すべき課題は残っています。
しかし、様々な制約を受けないメタバースが持つ可能性は図りしれないものがあり、多くの企業がビジネスチャンスを見出していることから市場規模は今後も拡大すると予測されています。
日本でも2026年には市場規模が1兆円を超えると予想されていて、高い成長率が見込まれているのが現状。
今後も新たなメタバースの活用法や新機能が展開されていくと思われ、進化の早いコンテンツとなっています。
メタバースに関するよくある質問
メタバースに関するよくある質問と回答を紹介します。
- メタバースのメリット・デメリットは?
- メタバースの将来性は?
- メタバースで稼げるって本当?
メタバースのメリット・デメリットは?
メタバースの主なメリットには下記のようなものがあります。
- ビジネスでの利用がしやすい
- 現場に行かなくてもリアルで臨場感のある体験ができる
- 現実では不可能な演出も可能になる
- まだ発展途上で新しい価値を見つけられる可能性がある
一方デメリットは下記の通りです。
- VRの準備が必要
- リアルでのコミュニケーション機会が少なくなる
メタバースの将来性は?
メタバースの市場規模は今後も拡大する見込みです。
日本でも2026年には市場規模が1兆円を超えると予想されていて、高い成長率が見込まれているのが現状。
メタバースで稼げるって本当?
ブロックチェーン技術が導入されたゲームで遊ぶことで、仮想通貨やNFT(非代替性トークン)を報酬として獲得し稼ぐことが可能になっています。
具体的には、自らカスタムゲームのキャラやレアリティの高いアイテムをNFTとして販売する。
ゲーム内の一部区画や空間を「土地」として扱い、現実の不動産と同じように転売や賃借で利益を得るということができます。
仮想通貨やNFTは現実でも資産として価値があるため、ゲームを遊ぶだけでお金を稼ぐということが実際可能となっているのです。
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まとめ
メタバースの活用例や将来性、メリット・デメリットについて解説しました。
娯楽だけではなくビジネス分野にも広く普及していくことが予想されており、各企業がビジネスチャンスを狙って注目しています。
また今後もメタバースの市場規模は拡大する見込みであることから、メタバース関連の株価を注視するムーブも感じられています。
メタバースは私たちの日常生活に影響し、我々の値観をも大きく変える可能性のある技術です。
そのため、メタバースの動向には今後も注目していきましょう。