資産運用を始めたいけれど、どれくらいの元手必要?
何年で目標を達成できる?
そんな疑問に答えをくれるのが「資産運用シミュレーション」です。
資産運用シミュレーションを活用すれば、難しい計算式が分からなくても自動で具体的な数字を算出してくれます。
この記事では、資産運用のシミュレーションを行う理由や資産運用シミュレーションでできること、また計算方法やおすすめのツールについて紹介します。
具体的な運用イメージを確立してから実践に臨みたいという方はぜひ目を通してみてください。
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資産運用シミュレーションを行う理由
資産運用を始める際、単に「増やしたい」という漠然とした目的よりも、具体的な数値での目標設定をしておくのがおすすめ。
数字を持って計画することで、より具体的な方針や手段を見極めることができ、成功の確率も上がると言われています。
そして、その具体的な数字を出すためのツールが「資産運用シミュレーション」です。
シミュレーションを活用することで、資産の成長を数字で把握し、どれくらいの期間や金額、利率で運用すれば目標額に到達できるのかを計算できます。
資産運用シミュレーションの前に目的を決めておく
シミュレーションを開始する前には、何を目的として行うのかを明確にしておくことが重要です。
人それぞれ運用目的や情報取得のニーズは異なります。
具体的に何を知りたいのかを決めることで、計算の内容や方法も変わってきます。
例を挙げると、現在の金融資産が3,000万円で、20年後には1億円にしたいという目標がある場合、どれくらいの運用利回りが必要なのかを知りたくなるでしょう。
シミュレーションを利用することで、この例では約6.3%の運用利回りが必要であることが計算できます。
このように、目的に合わせて適切な情報をシミュレーションから取得することができるのです。
資産運用は長期的な視点が必要ですが、初期の計画段階でしっかりとシミュレーションを行うことで、将来の資産の成長を見越した戦略を立てやすくなります。
資産運用シミュレーションの簡単なやり方
資産運用のシミュレーションを行いたい場合、独自にエクセルなどを使用して計算する以外にも、数多くのオンラインツールを利用する選択肢が増えてきました。
特に、多くの証券会社や銀行が無料のシミュレーションツールを提供しており、利用者は元金、運用期間、予想される金利などのデータを入力するだけで、ある程度の運用成果を予測することが可能です。
これらのツールはユーザーにとって非常に利便性が高く、使い方も簡単です。
金融機関の公式サイトや、インターネット上での検索を通じて、多くのシミュレーションツールを試すことができます。
資産運用シミュレーションは結果を保証するものではない
重要な点として、資産運用のシミュレーションはあくまで「予測」に過ぎないことを理解しておく必要があります。
実際の投資は、予測される金利や市場の状況、国際的な出来事など様々な要因に影響を受けるため、シミュレーションの結果とは異なる結果が出ることも考えられます。
そのため、楽観的な利回りで計算をするのではなく、実現性が高いと考えられる数字でシミュレーションを行い、複数のシナリオを考慮することをおすすめします。
最終的には、シミュレーションの結果に過度に依存せず、冷静な判断で投資を行うことが大切です。
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資産運用シミュレーションでの複利運用・単利運用別の計算方法
複利と単利、これらの運用方法は投資において非常に重要な概念です。
運用成果はこれらの計算方法によって大きく変わることがあります。
それでは、複利運用と単利運用の具体的な計算方法について詳しく見ていきましょう。
複利運用した場合の資産の計算式
複利運用とは金利が元金に追加され、新しい元金として計算されることを指します。
具体的な計算式は以下のようになります。
複利運用した場合の資産(元利合計)= 元金 ×(1 + 金利 / 1年間に利息が発生する回数)^(1年間に利息が発生する回数 × 運用年数)
式内の「^」という記号はべき乗を表します。
「(1年間に利息が発生する回数 × 運用年数)の回数分、掛け算を繰り返す」という意味です。
元利合計とは、元金と利息の合計金額のことを指します。
例として、元金5,000,000円、金利1%、1年に12回の利息発生、5年間の運用を考えた場合、計算結果は約5,256,246円となり、式は下記のようになります。
5,000,000円 × (1 + 0.01/12)^(12 × 5)= 5,256,246円
単利運用した場合の資産の計算式
単利運用は元金に対してのみ金利が適用される運用方法です。
運用期間が長くなっても金利が適用される金額は変わりません。
計算式は以下の通りです。
単利運用した場合の資産(元利合計) = 元金 × (1 + 金利 × 運用年数)
例えば、元金5,000,000円を1%の金利で5年間運用する場合、その合計金額は5,250,000円となり、式は下記のようになります。
5,000,000円 ×(1 + 0.01 × 5)= 5,250,000円
運用年数が1年未満の場合にも上記の式を適用できます。
資産運用シミュレーションで分かることと計算方法
資産運用のシミュレーションは、運用の成果や目標達成までの期間を視覚的に把握するのに有効です。
下記では、資産運用シミュレーションでは実際どんなことが分かるのか、どんな計算が行われているのかを簡単に解説しています。
ただ資産運用シミュレーションツールを使えば、計算式を知らなくて自動で算出してくれます。
正確な計算や予測のためにも、専用の計算ツールを上手く活用していきましょう。
- 資産運用で将来的にどこまで資産を増やせるかが分かる
- 資産運用の目標金額がいつ達成できるかが分かる
- 資産運用の目標金額達成のための運用利率が分かる
- 積立時の利益が分かる
資産運用で将来的にどこまで資産を増やせるかが分かる
資産運用シミュレーションでは、あらかじめ設定した条件での将来的な資産の増減を把握することができます。
ある金額をどの程度の期間と金利で運用するかを設定し、成果を算出します。
その際、利息が単利か複利かで、計算結果は大きく変わり得ます。
計算方法
例として、100万円の元金を年利5%で5年間単利運用したとします。
すると元金に対して25万円(毎年5万円)の利息がつき、100万円が5年後に125万円になるシミュレーションになります。
単利: 元金 + (元金 × 年利 × 運用期間) = 総資産
例: 100万円を5年、年利5%で運用 = 100 + 100 × 5% × 5年 = 125万円
5年間の資産の変化は下記のようになります。
単利5%で資産運用した場合(単位:万円) | |||||
---|---|---|---|---|---|
1年後 | 2年後 | 3年後 | 4年後 | 5年後 | |
利息 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
資産 | 105 | 110 | 115 | 120 | 125 |
一方複利とは、元金によって生じた利息を翌年に元金にプラスして再運用する運用方法です。
利子にも利子が付くことになり、単利よりも多くの利益を見込めます。
複利で運用する場合は元金が毎年変動することになるので、毎年の利息も変動し計算がやや複雑になります。
例として元金100万円、年利5%で5年複利で運用した場合、元金に対して1年目は5万円の利息が付きます。
2年目は元金105万円(100万円+5万円)に対して5%の利息になり5万2500円の利息となります。
5年間の資産の変化は下記のようになります。
複利5%で資産運用した場合(単位:万円) | |||||
---|---|---|---|---|---|
1年後 | 2年後 | 3年後 | 4年後 | 5年後 | |
利息 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
資産 | 105 | 110.25 | 115.7625 | 121.5506 | 127.6281 |
単利では100万円が5年後に125万円になるシミュレーションになりましたが、複利運用の場合100万円が5年で127万6,281円となります。
資産運用の目標金額がいつ達成できるかが分かる
資産運用の目標金額を設定することで、その金額を達成するためにはどれくらいの期間が必要か、またはどれくらいの金利で運用すればよいかが分かります。
特に複利の場合、運用初期に比べて後期には資産成長が加速するため、目標金額達成のタイミングが前倒しになることもあります。
計算方法
単利運用の場合の計算式は下記の通りです。
単利の場合:(目標金額-元金)÷(元金×金利)=目標達成に必要な運用年数
例として、 400万円を目標とし、200万円から年利5%で運用 するなら、 (400 – 200) ÷ (200 × 5%) = 20年となり、20年後にもうひゅを達成できるシミュレーションになります。
複利の場合計算は複雑になり、一般的な公式では表せませんが、シミュレーションツールや専用の数式を使用して近似的に計算します。
例として、元金200万円、年利5%で複利運用すると、おおよそ14年2ヶ月で400万円に到達することが期待されます。
つまり複利で運用すれば、単利より運用期間が短く効率的に目標を達成することが可能です。
資産運用の目標金額達成のための運用利率が分かる
資産運用シミュレーションでは、目標金額を設定し、運用する年数や元金を基にどれくらいの利率で運用すればよいのかを計算することができます。
計算方法
目標金額達成のための運用利率を出す式は下記の通りです。
単利の場合:(目標金額-元金)÷運用年数÷元金×100=必要な利率(%)
例として、400万円の元金を10年間運用、目標を500万円と設定した場合、単利運用なら利率は2.5%となります。
元金400万円を同じ条件で複利運用し500万円にするには、必要な利率は2.257%となります。
積立時の利益が分かる
資産運用シミュレーションでは、毎月の積立額を定め、運用期間や金利を元に将来得られる利益を予測することができます。
例として、毎月5万円を10年間、年利3%で積み立てた場合、合計697万円となります。
計算方法
※金融庁「資産運用シミュレーション」
積立運用の場合、毎月の積立額、金利、積立年数、利息の種類(単利・複利)で算出します。
例として、毎月5万円ずつ積み立て、10年間で年3%複利で運用した場合、10年後の資産は697万円となります。
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おすすめの資産運用シミュレーションサイト
資産運用を計画する際に、実際の運用成果をイメージするためのシミュレーションツールが役立ちます。
ここでは、信頼性のある金融機関が提供する無料のシミュレーションサイトの中から、特におすすめを3つを紹介します。
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 楽天証券「積立かんたんシミュレーション」
- 野村證券「マネーシュミレーター〜運用編」
金融庁「資産運用シミュレーション」
金融庁が提供するこのツールは、特にNISAを利用した積立投資のシミュレーションに適しています。
簡単な入力で最終積立金額や毎月の積立額、積立期間を算出します。
結果は明瞭なグラフ形式で表示され、初心者でも利用しやすい設計となっています。
- 最終積立金額
- 毎月積立金額
- 積立期間
楽天証券「積立かんたんシミュレーション」
楽天証券のこのサイトは、積立投資のシミュレーションに特化しています。
運用方針や期間を柔軟に選択できる上、つみたてNISA対象銘柄の検索も可能です。
特に初心者には、目的別の積立パターンの具体例が示されている点が魅力的です。
- 将来用意できる運用金額
- 毎月の積立金額
楽天証券の評判・口コミはどう?楽天ポイントで投資できる仕組みや口座開設手順を解説
野村證券「マネーシュミレーター「みらい電卓」〜運用編」
野村證券が提供するこのツールは、多機能かつ詳細なシミュレーションが可能です。
積立投資に特化した計算はもちろん、一時投資や資産の取り崩しに関するシミュレーションも行えます。
計算結果はグラフと表で整理され視覚的にもわかりやすく、運用戦略の検討に役立つでしょう。
- 積立結果
- 毎月の積立金額
- 運用に必要な元金
- 運用期間
- 毎月引き出せる金額
- 資産の取り崩し期間
まとめ
将来の資産を具体的にイメージして運用計画を立てるためにも、資産運用シミュレーションを行うことは大切です。
ただ投資にはリスクがつきもので、シミュレーションはあくまで予測です。
結果を保証するものではないため、あくまでも参考にとどめ、運用計画を立てる上での判断材料として活用しましょう。
資産運用シミュレーションを活用し、目標を達成させるための金利と運用期間を把握することで、効果的に投資を進めていきましょう。
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