中国株は現在注目され始めている外国株式です。
中国の長期的成長を見込んだ投資家達から人気があります。
2019年末に子会社が破産し、2020年にその破産手続きを終了した大唐国際発電有限公司も中国株として人気があります。
この記事では大唐国際発電有限公司の子会社の破産した理由とその流れについて詳しく開設していきます。
現在の株価や業績も合わせて解説するので、株の購入を検討している人は確認してください。
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子会社の甘粛大唐国際聯城発電有限公司が2019年に破産
大唐国際発電有限公司は、中国で発電と発電所運営事業に従事する発電会社です。
発電事業は主に北京、天津、河北省、内モンゴル自治区、山西省、遼寧省、甘粛省、四川省及びチベット自治区等に子会社を持って運営しています。
そのうち、甘粛省にある甘粛大唐国際聯城発電有限公司が、借入金を返済する能力がないとして2019年に破産しました。
2018年12月、2019年5月時点で、資産と負債は次のように赤字でした。
2018年12月 | 2019年5月 | |
---|---|---|
資産総額 | 約6.55億元 | 約5.94億元 |
負債総額 | 約17.42億元 | 約17.73億元 |
資産負債率 | 約265.81% | 約298.5% |
資産負債率が上がり、2019年に入っても回復しなかったので破産しました。
2020年に破産手続きの終了を発表
親会社の大唐国際発電有限公司は、2020年12月24日に甘粛大唐国際聯城発電有限公司の破産手続きの終了を発表しました。
甘粛大唐国際聯城発電有限公司は、資産負債比率が同業の平均的な水準(約75%)を継続できるようになったことで、稼働再開しました。
大唐国際発電有限公司は甘粛大唐国際聯城発電有限公司の債権の一部約13億5700万元を資本金に転換しました。
その後資産負債率は98.92%に低下したため、破産手続きを終了する許可を得ました。
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大唐国際発電有限公司の子会社が破産したのは初めてではない
2019年に甘粛大唐国際聯城発電有限公司は破産手続きが終了しましたが、大唐保定華源熱電有限責任公司も2018年に破産処理を受けています。
125MW設備2基が火力発電脱生産能力計画に指定されたことで設備を閉鎖し、負債もたまっていたため破産しました。
火力発電企業は基準を満たさない古い設備を順次閉鎖していっているので、大唐国際発電有限公司もその流れに乗っています。
火力発電の赤字企業率は全体の50%
2016年の石炭火力発電の脱生産能力が始まってから老朽設備の閉鎖が行われましたが、同時に石炭価格が上昇したため、火力発電企業のコストが上昇しました。
その結果、2018年には火力発電の赤字企業率は全体の50%を越えました。
石炭火力発電の脱生産能力の持続に加えて、新エネルギー設備の台頭で、火力発電自体が押されている傾向です。
現在も中国の火力発電産業の政策は変わらず、基準を満たさない30万kW以下の石炭火力発電は淘汰されています。
大唐国際発電有限公司の株価
大唐国際発電有限公司の株価の変動は上記の通りです。
2019年から徐々に株価は減退していきました。
中国の火力発電企業の経営が押されているため、大唐国際発電有限公司も他企業同様株価がかなり落ちました。
ですが2020年の甘粛大唐国際聯城発電有限公司の破産手続きの終了時からは徐々に株価が回復していることを見ると、今後も拡大する可能性はあると考えられます。
発電会社以外の中国株の今後の見通し
火力発電会社は現在も規制が厳しく、赤字決済の企業が多いです。
今後も他エネルギーの成長が大きくなることを考えれば、株価は減退することが予測されます。
しかし中国株全体で見ると、中国企業は成長を続けているため、株価は成長することが予測されます。
特に中国はITやハイテク関連に強く、今後さらなる成長が期待できるでしょう。
中国の経済や世界の動向を踏まえて、どのように成長するか予測していきます。
コロナショックからの早期回復から経済成長が続く
中国経済は2020年のコロナショックから早期に景気回復しました。
これにより、2022年以降も相対的に高い経済成長が予測されます。
調査によると2028年の米中のGDPが逆転する見通しを発表しているため、長期的に見ると中国株の上昇が期待できます。
中国の経済成長は投資家達からも無視できない存在になっており、今後はより一層注目を集めることになるでしょう。
デフォルト危機の影響は少ない
中国恒大集団によるデフォルト危機は、一時的に株式市場全体に影響を与えて、株価の下落が起こりました。
しかしその株価変動は一時的なもので、リーマンショックのように長期的に続くことはありませんでした。
前述した通り現在中国株はかなり安定して上昇しているため、今後再び動きがあるとも考えづらいです。
中国当局の規制強化が今後あれば、一時的に暴落・高騰は起こる可能性がありますが、中国恒大集団のデフォルト危機の動きを見るに、一時的な動きで終わるでしょう。
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中国株投資の注意点は?
中国株の今後の上昇を踏まえて中国株投資をしたくなった人も多いでしょうが、中国株投資をする際には以下の点に気をつけましょう。
- 国の政策の影響を受けやすい
- 為替リスクがある
- 情報収集がしづらい
中国株は日本株に比べて、国の影響を受けやすいという違いがあります。
以下に注意点をそれぞれ解説していきます。
国の政策の影響を受けやすい
中国は共産党による一党体制で運営されているため、政府の決定が民間企業の株価に影響を与えることがあります。
中国当局の動きによって株価が大きく変動するリスクを持っている為、中国政府の経済政策に影響を受けやすいと言えます。
実際に2021年には中国当局が規制を強化したことで、一時期株価が暴落しました。
また、中国企業の多くは中国政府が大株主になっているので株価に影響を及ぼしやすいです。
突然の株価変動に対応する必要があるため、中国情勢をチェックする必要があります。
為替リスクがある
中国株のような外国株に投資する際は、為替リスクが存在します。
中国株投資では、人民元だけでなく米ドル・香港ドルでの取引も行われるので、為替市場での通貨変動によって利益が落ちてしまうケースがあります。
為替リスクは外国株に投資する際必ず起こりえますが、特に注意しておいた方が良いです。
特に中国はインフレが起きやすく、インフレと同時に通貨価値が下落することがあります。
株取引で利益が出たとしても為替差損となることがあるので気をつけましょう。
情報収集がしにくい
中国企業は海外企業のため、情報収集できる媒体が少ないです。
情報はあったとしても、中国語や英語で書かれていることがほとんどで、日本語で情報収集できる日本企業よりも情報収集は難しいです。
さらに情報が入手しづらいだけはなく、中央人民政府が発表する統計データの信ぴょう性も低いとも言われています。
誤った情報を掴んで投資リスクを上げただけ、なんてことにもなりかねないので、独自で正しいデータを集めるのは非常に困難です。
中国株を取り扱っている証券会社では、独自の記事などで情報を発信しているため、可能な限り利用すると良いでしょう。
情報が少ないと感じた場合は、そもそも購入しない選択肢を取ることも一つの手です。
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大唐国際発電有限公司の火力発電は現在も縮小しているが、他の中国企業は成長が見込める
大唐国際発電有限公司の子会社は資産負債率が300%近くまでのぼり一時期破産しましたが、現在は持ち直したため破産手続きは終了しました。
しかし今後も火力発電は他エネルギーに押される可能性が高く、規模は縮小すると考えられます。
それでも現在他の中国企業は株式投資で人気が集まっているため、成長をしていく見込みがあると言えるでしょう。