イーサリアムは暗号資産(仮想通貨)の中で2022年1月時点の時価総額が2位となっていて、ビットコインに次ぐ時価総額を誇っています。
2021年4月中旬にビットコインの調整が始まり、ビットコインを始めとした多くの仮想通貨が大きく下落しましたが、イーサリアムは上昇を続けたため現在非常に注目を集めています。
他の仮想通貨が下落する中上昇して見せたイーサリアムは、今後どのような価格変動をするのでしょうか?
この記事ではイーサリアムの現状を分析してから、価格変動の理由と今後の価格予想を紹介していきます。
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イーサリアムとは?

通貨名 | イーサリアム |
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シンボル | ETH |
現在の価格(2022年3月24日) | 366,809円 |
取引できる国内取引所 |
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イーサリアムとは、スマートコントラクト機能を備えた分散型アプリケーションプラットフォームのことです。
スマートコントラクト機能とは、あらかじめ設定されたルールに基づいて、ブロックチェーン上の取引、またはブロックチェーンに取り込まれた情報を作動させるシステムです。
ビットコインには搭載されていないシステムで、ビットコインにない機能を多く抱えています。
またイーサリアムで使用される通貨を「Ether(イーサ)」と言い、手数料を「Gas(ガス)」といいます。
日本ではプラットフォームのイーサリアムと通貨のイーサを合わせてイーサリアムと呼ぶことが多いです。
DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)でも、イーサリアムのブロックチェーンが利用されているので、今後も広い分野で活躍の幅を広げると予測されます。
規模はビットコインの5分の1
イーサリアムはビットコインに時価総額が次ぐ2位と説明しましたが、規模はビットコインの5分の1ほどとまだ並び立つほどではありません。
しかし、現在イーサリアムは規模が大きすぎて処理落ちしてしまうスケーラビリティの問題も抱えています。
さらにイーサリアムと同じ目的を持った他通貨が現れているので、イーサキラーとも呼ばれる他通貨とシェアを争うことになるでしょう。
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イーサリアムの現状
イーサリアムの価格は現在、以下の状況に影響を受けています。
- ロシアとウクライナの戦争で利用され始める
- ゴールドマンサックスがETH関連商品を提供
- 大型アップグレートの進展
特に2022年2月から開始したロシア・ウクライナ間の戦争はイーサリアムの価値を大きく変動させる可能性があります。
以下にどのような影響を受けているか、それぞれ解説していきます。
ロシアとウクライナの戦争で利用される
2022年2月にロシアがウクライナへの軍事進攻を開始したことで、世界経済だけではなくイーサリアムなどの仮想通貨にも大きな影響を与えています。
短期間でイーサリアムを初めとする仮想通貨に関した話題が連日報じられており、ポイントとしては次の3つです。
- ウクライナ政府が仮想通貨寄付の受付開始
- ロシアの経済制裁逃れ予想でイーサリアムが約13%の急騰
- ロシアへの仮想通貨規制案の進行
ロシアの経済制裁逃れや、戦争の長期化によるイーサリアムの売買動向によって、イーサリアムの価格も変動する可能性が高いです。
ロシア・ウクライナ間の世界経済の懸念が続けば、自国通貨を移すためにイーサリアムなどの仮想通貨に買いが集中する可能性があります。
ゴールドマンサックスがETH関連商品を提供
2022年3月8日には、金融大手のゴールドマンサックスが、クライアントへイーサリアム関連商品を提供していることが報道されました。
ゴールドマンサックスが仮想通貨投資企業Galaxy Digitalの持つイーサリアムファンドのフィーダーとなって、仮想通貨に興味を持つ顧客へ販売することでGalaxy Digitalから仲介手数料を受け取るという構造です。
最低投資額は25万ドルで、既に28人の投資家へ販売したと発表されています。
ゴールドマンサックスは2021年6月にもGalaxy Digitalと連携をして、ビットコイン先物取引における流動性を提供していたため、今回も同じように仮想通貨価格への影響があると予想できます。
大型アップグレードの進展
イーサリアムは、The Margeという大型アップグレードを長きにわたり続けています。
2022年3月15日に、最新のテストネットである「Kiln」をローンチしてThe Mergeの実行したことが表明されています。
イーサリアム財団はKilnのテストでアップグレードの最終段階に差し掛かったことを声明したため、実行時期は未定ですが実装される時期は近づいています。
The Margeが実行されればイーサリアムの需要が大きく拡大すると予測されます。
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イーサリアムの今後の見通しに影響する要因

イーサリアムの今後の見通しに影響しうる要因は、次の通りです。
- ビットコインとの価格連動
- イーサリアムのアップデート
- スマートコントラクトの活用
- コロナショック
イーサリアムの価格変動にも影響を及ぼす可能性があります。
以下にそれぞれ解説していきます。
ビットコインとの価格連動
イーサリアムはビットコインとは仕組みが異なる仮想通貨ですが、アルトコインの性質でビットコインに価格が連動します。
ビットコインの値動きに比例して価格が動くので、ビットコインが値上がりしたらイーサリアムも値上がり、ビットコインが下落するとイーサリアムも下落します。
そのため、イーサリアムの価格を上昇するにはビットコインの価格上昇が重要になります。
しかし、2021年4月中旬にアルトコインに大幅な資金流入からビットコインは下落したのにも関わらず、イーサリアムは高値を更新するという値動きがありました。
その後のイーサリアム独自のニュースもあり、ビットコインとの値動きの連動は少なくなってきているため、必ずビットコインと価格が連動すると考えるのは危険です。
イーサリアムのアップデート
先ほど解説したように、イーサリアム(ETH)は2020年の12月1日に「イーサリアム2.0」アップデートが始まり、現在も続いています。
アップデートの大きな変更点は、コンセンサスアルゴリズムの変更です。
現在はPow(プルーフオブワーク)と言われるアルゴリズムが採用されていますが、最終アップデートであるセレニティが完了するとPoS(プルーフオブステーク)と言われるアルゴリズムへ移行されます。
3月15日にKilnのテストが実行されたように、徐々に進展しているので、今後実行されると大きなニュースとなり価格変動も起こるでしょう。
スマートコントラクトの活用
スマートコントラクトはイーサリアム独自の技術で、第三者がいなくても公正な契約を結ぶことができる制度です。
ブロックチェーンは改ざんが不可能という特徴があるので、スマートコントラクトが非常に活用しやすくなっています。
現在もDefiやNFTといった業界で活用されています。
NFTは現在も人気がある分野なので、今後もスマートコントラクトを持つイーサリアムの期待は大きいです。
コロナショック
2020年のコロナショックから、仮想通貨を始めとした資産にお金が流れています。
これは各国政府による無期限の金融緩和が原因です。
政府が主導となって市場にお金を大量にばら撒いている状況なので、コロナショックが会ったのにも関わらず市場にお金が流入する結果となりました。
簡単に言えば、市場にお金はある野にも関わらず、コロナで娯楽消費ができないため、株式、債権、金、そして仮想通貨にお金が流れたということです
しかし、この金融緩和政策がいつまでも続くわけではないので今後仮想通貨市場に資金が流入しなくなる可能性は高いです。
イーサリアムの今後の見通し
イーサリアムの現状と影響を及ぼす要因を踏まえて、イーサリアムの今後の見通しは次のように予測されます。
- イーサリアム企業連合によるバックアップで手堅く価格推移
- 消費電力削減で利用者増
- 大型アップデート完了による規模拡大
- イーサリアムETFの承認
イーサリアムは現段階でも時価総額2位と非常に注目を集めていますが、今後はさらに規模が拡大すると予測できます。
以下に理由を解説していきます。
イーサリアム企業連合によるバックアップで手堅い
イーサリアムはエンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)と呼ばれる、大企業がバックについているため、知名度と信頼が他の仮想通貨に比べると大きいです。
EEAに加盟しているのは、イーサリアムの技術を活用し普及するために協力している企業で、既に500以上の企業が加盟しています。
加盟企業の中にはマイクロソフトやトヨタ、KDDIなど有名企業が多く、イーサリアムは高い信頼を得ています。
今後もイーサリアム企業連合によるバックアップがあるので一気に暴落する可能性は低く、手堅く推移していくと予測できます。
消費電力削減で利用者増
イーサリアムは現在、電力消費削減が期待されています。
ビットコインはマイニング作業で膨大な電力を消費するので、、地球環境に対して問題視する人も多いです。
しかしイーサリアムはビットコインの1割ほどの電力消費で済むことが証明されているので、地球環境問題にも適した通貨として注目を集めています。
さらにイーサリアム財団は、イーサリアムの電力消費を99%以上削減する仕組みへ移行することを発表したので、今後も環境問題に対応していく予定です。
現在ESG投資も注目されているため、環境保全に適した動きと言えます。
イーサリアムがビットコインの課題を解決する通貨として進化すれば、今後ビットコインにとって代わる可能性もあります。
大型アップデート完了による規模拡大
前述した通りイーサリアムは現在アップデートの最終調整に入っています。
ネットワークの維持コストが大幅にカットされ、スケーラビリティも改善されることが期待されています。
アップデートが完了すれば、イーサリアム(ETH)の需要がさらに高まる可能性は高いです。。
イーサリアムETFの承認
イーサリアムのETFが承認されると、イーサリアムの価格向上が望めます。
カナダでは4月17日に初めてイーサリアムのETFが承認されます。
ETFで商品化されることで、仮想通貨の投資をしていない個人投資家がイーサリアムを購入するきっかけになり、今後イーサリアムなど仮想通貨市場に参入する可能性が高いです。
大量にイーサリアムに個人投資家が参入すれば、イーサリアムの価格向上が期待できます。
イーサリアムの購入におすすめの仮想通貨取引所
今後も成長が期待できるイーサリアムを購入してみようと考える人も多いでしょう。
イーサリアムの購入に特におすすめの仮想通貨取引所は次の3つです。
- ビットフライヤー
- DMMビットコイン
それぞれ特徴があるので、自分に適した取引所を利用すると良いでしょう。
ビットフライヤー

仮想通貨取引所名 | ビットフライヤー |
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最低取引数量 | 1円~(ビットコインの場合) |
出金手数料 | 407円 |
入金手数料 |
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送金手数料 |
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取り扱い通貨 | 14通貨 |
ビットフライヤーは、ビットコインの流通量が6年連続国内No.1で、利用者も多いため相場が安定している仮想通貨取引所です。
ビットコインであれば1円から、イーサリアムは100円から安値で購入可能です。
コールドウォレットという管理方法で、仮想通貨取引所対象セキュリティ調査で世界No.1の評価を得ているので安心して利用できます。
また手数料も国内最安値基準なので、他の取引所よりお得に仮想通貨の送金ができます。
これから仮想通貨投資を始めようと思っている初心者の人におすすめの仮想通貨取引所です。
DMMビットコイン

仮想通貨取引所名 | DMM Bitcoin |
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最低取引数量 | 0.0001BTC(ビットコインの場合) |
出金手数料 | 無料 |
入金手数料 | 無料 |
送金手数料 | 無料 |
取り扱い通貨 | 14通貨 |
DMMビットコインは、DMMグループが運営する仮想通貨取引所で、安い手数料が特徴です。
また取り扱っている14種類の仮想通貨はレバレッジ取引が可能となっています。
レバレッジ取引とは最大レバレッジ倍率まで投資額を増やせる制度で、少額投資でも大きな利益を生むことが出来ます。
また口座開設も簡単で、最短1時間で口座が開設できるのでスピーディに始めることも可能です。
イーサリアムは今後も成長する可能性が高い仮想通貨
イーサリアムは現在ビットコインに次ぐ人気の仮想通貨ですが、今後もアップデート完了やEEAの支援によって成長していくことが期待されます。
ETF承認されれば、さらに個人投資家からの注目も浴びることになります。
イーサリアムを購入しようと思っている人は、今後の動向に注目しましょう。