FXの醍醐味といえば、レバレッジをかけた取引です。
取引で扱う資金が10万円でも、10倍のレバレッジを使えば10万円分の取引が可能になります。
取引で得られる利益も実際の10倍になるので、一攫千金を狙うことも可能です。
FXのレバレッジは解禁当初から段階的に上限値の規制がおこなわれ、2021年現在の国内FXは最大25倍までレバレッジをかけた取引が可能です。
国内FXのレバレッジ規制の歴史 | |
---|---|
年代 | レバレッジ規制 |
1998年~2005年 | 400倍が標準設定※規制なし |
2005年~2011年 | 最大50倍 |
2011年~ | 最大25倍 |
レバレッジの仕組みを知ることで、FX取引がより奥深いものになりますが、一方で失敗した時のリスクも大きくなります。
FX取引を始めるにあたって、レバレッジの仕組みをしっかり理解した上で活用するようにしましょう。
【2023年最新】おすすめFX口座比較ランキング!初心者に人気の評判が高いFX会社を一覧表で徹底比較
FX会社TOP3
FXのレバレッジとは?
レバレッジ(Leverage)とは本来は「テコの原理」を意味する言葉ですが、経済用語としては、資金を用いてより大きな金額の投資をおこない、利益率を高める方法を指します。
FXは2国間の通貨の政策金利差を利用して利益を得る仕組みです。
例えば、1ドル=100円の時に1万ドル(100万円)を購入した後に円安で1ドル110円となった場合、100万円が110万円にアップするので10万円分の利益が発生します。
一方、レバレッジ10倍をかけて100万円を購入した場合、元手は10万円で済みます。円安で100万円が110万円になれば、100万円分の利益を得ることになります。
このように、レバレッジをかけることで、少ない元手で効率よく利益を得ることが出来ます。
レバレッジをかけたFX取引きのメリット
FX取引きでレバレッジをかける主なメリットは下記の通りです。
- 少ない資金で取引できる
- 少ない資金で大きな利益が狙える
少ない資金で取引できる
FX取引におけるレバレッジの最大のメリットは、少額の資金でも大きな取引が可能である点です。
たとえば、100万円分の取引をする場合でも、レバレッジを活用することで最低4万円から運用できます。
10万円分の取引であれば4,000円でも取引が可能です。
このように、まとまった元手を用意できない方でも、FX取引を始められるのがメリットです。
少ない資金で大きな利益が狙える
レバレッジをかけたFX取引では、元手資金以上の取引が可能となります。
これにより、少ない資金で大きな利益を狙うことができるのが魅力です。
レバレッジを活用すれば自己資金の何倍もの取引が行え、資金効率が高くなります。
仮に10万円の資金でレバレッジをかけずに取引を行った場合、利益が出てもほんのわずかな金額に留まることもありますが、レバレッジをかけることで最大25倍までの利益を狙うことができます。
しかしレバレッジを活用する際には、リスク管理を重視し慎重な取引を心がけることが重要です。
大きな利益を狙える一方で逆に損失も大きくなる可能性があるため、十分な知識と経験を持って取引に臨むことが必要です。
レバレッジをかけたFX取引きのリスク
レバレッジをかけた取引は大きな利益を見込める一方で、高いリスクも存在します。
- ハイリスクハイリターン
- 証拠金維持率とロスカット
ハイリスクハイリターン
例えばレバレッジ10倍をかけて100万円を購入した後、円高で1ドル=90円になると、本来は10万円分の損失だったのが、その10倍(100万円分)の損失となってしまいます。
為替相場は変動しながら推移するのが一般的ですが、高いレバレッジをかけると僅かな変動が損益に強く影響するため、相場の見極めやトレーダーの判断力が重要になります。
証拠金維持率とロスカット
FX取引で元手となる資金のことを証拠金と呼びます。例えば、1万円の証拠金で10万円分の取引をする場合、レバレッジは10倍となります。
それとは別に、FXにはロスカットという仕組みがあります。ロスカットはFX取引で一定の損失が出た時に、トレーダーを保護するために取引を強制終了する仕組みです。
ロスカットをする損失のラインはFX会社によって異なりますが、証拠金維持率という必要証拠金に対する純資産の比率を基準にラインが設定されるケースが多いです。
例えば1ドル100円の時に1万通貨を買う場合、レバレッジは最大25倍までかけられると考えると最低の証拠金は4万円(×25=100万円)となります。
口座の入金(有効証拠金)が10万円だった場合、証拠金維持率は以下の計算式で求められます。
- 有効証拠金÷必要証拠金×100=証拠金維持率(%)
- 10万円÷4万円×100=250(%)
この場合のレバレッジと証拠金維持率の関係は以下の通りです。
レバレッジ | 証拠金維持率 |
---|---|
1倍 | 2,500% |
2倍 | 1,250% |
5倍 | 500% |
10倍 | 250% |
20倍 | 125% |
25倍 | 100% |
証拠金維持率が100%を下回ると追証が発生し、50%を下回るとロスカットを受けるのが一般的です。
ロスカットはトレーダーが損失を被る前に強制決済する仕組みなので、本来はこの機能があれば取引に負けても借金をする心配はありません。
ただし、急激に相場が推移した場合はロスカットが間に合わず、高額の借金を被って自己破産をする例なども少なくありません。
FX取引ではレバレッジをかけるべき?
レバレッジをかけることで効率良く利益を出せるようになる一方で、失敗した時のリスクも倍増します。
FX初心者はレバレッジをかけることに不安を覚える方も多いですが、結論から言えばFX取引では基本的にレバレッジをかけるべきです。
FXは投資や資産運用の一種ですが、あらゆる投資はレバレッジの考えを基に利益を積み上げることを目的としています。
例えば不動産投資は、住宅ローンを借りて元手を減らし、賃貸経営で大きな利益を狙うというレバレッジ構造になっています。
FXは1回あたりの取引で大きな利益を見込める訳ではない以上、レバレッジをかけないと旨みのない投資になってしまいます。
低レバレッジのまま数年継続して取引をおこない、微々たる利益の積み重ねで大金を保有しているトレーダーというのもほぼ存在しません。
FX取引を継続できているトレーダーの平均勝率は1割ほどと言われており、高レバレッジで高リターンを得て、負けそうな時は早めに損切りをして収益を維持しているケースがほとんどです。
リスクを恐れてレバレッジを調整するのは間違いありませんが、レバレッジを全くかけないとFX取引の魅力が半分以上失われてしまうので注意しましょう。
FX初心者にありがちな失敗談10選!失敗する人の共通点や回避する方法を解説
FX のレバレッジ計算方法
FXのレバレッジ倍率は、以下の式で算出することができます。
取引金額÷投資資金=レバレッジ(倍率)
1ドル=100円のレートで、100万円の投資資金で10万ドルの建玉を保有する場合、円換算で整理すると以下のようになります。
- 投資資金:100万円
- 建玉:10万ドル=1000万円
この場合、レバレッジは10倍になります。
レバレッジは取引画面で○○倍と設定するのではなく、上記のように投資資金と建玉の価格差を利用してかけるようになります。
FX取引でレバレッジをかける方法
FX取引でレバレッジをかける方法は2通りあります。
- レバレッジコースを指定して最大倍率を決めて取引する
- 実効レバレッジを自動計算してくれる状態での取引
多くのFX会社は後者のシステムが多く、レバレッジを固定して取引することが出来ない状態です。
レバレッジをある程度コントロールしてエントリーしたい場合は、実効レバレッジを調節する為に資金と取引数量をコントロールする必要があります。
一方でレバレッジコースを指定して取引する場合は、最大レバレッジを固定することが出来る為、自動的に最大25倍レバレッジで取引することがありません。
長期的にポジションを保有したい人やローリスクで運用死体人に有効的な手段です。
レバレッジコースを搭載しているFX会社は少なく、現時点では下記の会社が搭載しています。
- 外為オンライン
- 外貨ex
- SBI証券
レバレッジのコントロール方法は取引方法によって向き不向きがあるので、運用方針を決めてからレバレッジ設定をどうするか判断しましょう。
FXのレバレッジとリターンの関係
「レバレッジをかけると大きなリターンを貰えるけど実際どのくらい?」と疑問に思う初心者が多いです。
レバレッジをかける事によって大きな利益を得られることが理解できても、具体的にどのくらいリターンが大きくなるのか分からないとレバレッジのメリットを把握できません。
今回は米ドル円で100pips利益がでた場合のリターンを各レバレッジ別で紹介します。
算出する上でのルールは下記の通りです。
- 米ドル円=100円
- 1,0000通貨単位からの投資
資金 | 取引数量 | レバレッジ | 100pipsの利益 | 利率 |
---|---|---|---|---|
150万円 | 10,000 | 0倍 | 10,000円 | 0.6% |
150万円 | 60,000 | 約5倍 | 60,000円 | 4% |
150万円 | 120,000 | 約10倍 | 120,000円 | 8% |
150万円 | 370,000 | 約25倍 | 370,000円 | 24% |
上記の表を見るとレバレッジが高くなればなるほど利率が大きくなっています。
一方でこれがマイナスに動いた場合、利益がそのまま損失になる為リスクも比例の関係にあることがわかります。
レバレッジの賢いかけ方
FX初心者がいきなり最大25倍のレバレッジをかけるのは危険性が高いため、おすすめできません。
最終的に高いレバレッジをかけた取引を目標にするにせよ、段階的に倍率を増やしていくのが理想的です。
ここからは、レバレッジの賢いかけ方を見ていきましょう。
- レバレッジ0倍の取引は期限を決めて実施
- FX初心者は最大4倍ほどのレバレッジにする
- 慣れたら最大10倍の取引で経験を積む
レバレッジ0倍の取引は期限を決めて実施
全くの初心者がFX取引の練習をするなら、デモ口座を利用してレバレッジ0倍の取引で慣れるのがおすすめです。
実際の取引と近い状況で実践的な取引に慣れることで、本番でも戸惑わずに取引を進めることができます。
ただし、レバレッジ0倍の取引を長期間やっても練習の効果は限定的です。
レバレッジをかけない取引はリスクが無いので、取引時の緊張感がどうしても薄れてしまいます。
デモトレードでは正しい判断が出来ていたのに、レバレッジをかけてロスカットの不安を感じながらだと焦って全く異なる判断をしてしまうケースも多いです。
取引に慣れたら少しずつレバレッジをっけていきましょう。
FX初心者は最大4倍ほどのレバレッジにする
デモトレードに慣れてきたら、レバレッジ2~4倍ほどをかけて取引をするのがおすすめです。
レバレッジをかけることで、収益を上げる喜びを実感できるようになり、FX取引が一気に楽しく感じられます。
FXで1日5,000円稼ぐ方法を紹介!少額取引で利益を出す方法や注意点も徹底解説
慣れたら最大10倍の取引で経験を積む
最大4倍のレバレッジに慣れてきたら、次は最大10倍までの間でレバレッジを設定していきましょう。
最大10倍のレバレッジをかけるとロスカットを回避しながら利益を上げる必要性に迫られるので、トレーダーとして一気に成長できます。
ただ、レバレッジ5~10倍の取引はロスカットが間に合わず借金を負うリスクも十分存在するので、各自で資金状況をチェックしながら慎重に判断する必要があります。
レバレッジのリスクを回避するコツ
レバレッジをかけた取引は、ロスカットを受けやすくなるのが最大のリスクです。
高いレバレッジをかけて取引をするなら、ロスカットを回避する方法も合わせて理解しておく必要があります。
レバレッジのリスクを回避するために知っておきたい3つのコツを紹介していきます。
- 証拠金維持率を注視する
- ポジションの持ち越しを控える
- マージンコール機能を活用する
証拠金維持率を注視する
FX会社 | ロスカットライン |
---|---|
DMM FX | 証拠金維持率50%以下 |
GMOクリック証券『FXネオ』 | 証拠金維持率50%以下 |
SBI FXトレード | 証拠金維持率50%以下 |
インヴァスト証券(トライオートFX) | 証拠金維持率50%以下 |
外為ジャパン | 証拠金維持率60%以下 |
FXプライム byGMO | 証拠金維持率80%未満 |
マネースクエア | 証拠金維持率100%未満 |
ヒロセ通商『LION FX』 | 証拠金維持率100%以下 |
みんなのFX | 証拠金維持率100%以下 |
ロスカットのラインは証拠金維持率で設定されることが多いです。
証拠金維持率の変動はレバレッジをかけるほど大きくなるので、ロスカットラインを下回らないか常に注意する必要があります。
ロスカットを避けるために、証拠金維持率が一定割合を下回ったらポジションを減らすなどのルールを定めておくと安心です。
ポジションの持ち越しを控える
高レバレッジをかけるほど、1回あたりの取引の利益率を高めたいと思うものです。
ただし、ポジションの保有期間が長引けば、その分ロスカットのリスクは高くなります。
特に、週末にポジションを持ち越して土日祝日の値動きに対応できずロスカットを受ける事例だけは回避しておきましょう。
ポジションを長めに持ちたい場合でも、月曜日にポジションメイクをしたら金曜日までに必ず決済するなどのルールを決めておくことをおすすめします。
マージンコール機能を活用する
FX会社 | マージンコール |
---|---|
DMM FX | 証拠金維持率70%以下 |
GMOクリック証券『FXネオ』 | 証拠金維持率100%以下 |
SBI FXトレード | 証拠金維持率100%以下 |
インヴァスト証券(トライオートFX) | 証拠金維持率120%以下 |
外為ジャパン | 証拠金維持率100%以下 |
FXプライム byGMO | 証拠金維持率100%以下 |
マネースクエア | 証拠金維持率150%以下 |
ヒロセ通商『LION FX』 | 証拠金維持率200%以下 |
みんなのFX | 証拠金維持率110%以下 |
証拠金維持率50%でロスカットを受けるFX会社なら、維持率が100%台に差し掛かったタイミングでマージンコールが発生します。
マージンコールは大手FX会社なら基本的に搭載している機能です。
ロスカットされないためにはトレーダー自身のルール徹底と維持率のチェックが不可欠ですが、予想外の値動きに対してはマージンコールの機能も活用して対応しましょう。
レバレッジで見るおすすめのFX会社
ここでは大きなレバレッジを効かせられるおすすめのFX会社を紹介します。
レバレッジの他には何を重視したいかを事前に定めておくと、FX会社選びの際スムーズですよ。
- GMOクリック証券
- 外為オンライン
- みんなのFX
GMOクリック証券
メジャー通貨スプレッド・スワップポイント | ||
---|---|---|
通貨ペア | スプレッド | スワップポイント |
米ドル円 | 0.2銭 | 139 |
ユーロ円 | 0.5銭 | 40 |
通貨ペア | 20種類 |
---|---|
取引通貨単位 | 1.000通貨単位 |
サポート対応時間 | 24時間 |
GMOクリック証券は、FXの取引高NO.1のFX会社。
レバレッジは最大25倍。
必要証拠金は総約定代金の4%相当で、追加証拠金発生ラインは証拠金維持率の100%、ロスカットラインは証拠金維持率の50%に設定されています。
高いレバレッジで取引したい、かつ総合的にサービスが充実したFX会社を選びたいという人におすすめです。
38種類のテクニカル指標があり、分析ツールが充実しているのも大きな特徴。
1,000通貨単位から取引可能で、初心者が少額取引で始めやすいのも魅力です。
GMOクリック証券の評判・口コミはどう?株式・FXの手数料評価や初心者におすすめの理由も解説
外為オンライン
メジャー通貨スプレッド・スワップポイント | ||
---|---|---|
通貨ペア | スプレッド | スワップポイント |
米ドル円 | 0.9銭 | 100 |
ユーロ円 | 0.4銭 | 5 |
通貨ペア | 26種類 |
---|---|
取引通貨単位 | 1.000 |
サポート対応時間 | 平日10:00~17:00 |
外為オンラインも、最大25倍のレバレッジを効かせることが可能。
店頭取引・くりっく365共通で設定でき、「総取引金額÷口座資産(預託金)」で計算し、調節する仕組みになっています。
外為オンラインは情報コンテンツを豊富に提供するFX会社としても知られており、FXについて詳しくない人でも豊富な情報によってバックアップしてくれます。
自分で情報収集する手間が軽減でき分析もしやすいため、情報提供ツールとレバレッジ重視の方に最適です。
外為オンラインの口コミ・評判はどう?メリット・デメリットと口座開設の流れを徹底解説
みんなのFX
通貨ペア | 34種類 |
---|---|
取引通貨単位 | 1.000 |
サポート対応時間 | 平日10:00~17:00 |
みんなのFXは初心者向けのコンテンツが充実しているFX会社。
レバレッジは最大25倍です。
スワップポイントも業界トップクラスで、長期運用でスワップ取引したい人にもおすすめ。
取引ツールはパソコン・スマホ両方ともシンプルな仕組みになっており、初心者でも手軽に操作できます。
「総合的に使いやすいFX会社で始めたい!」という人は口座開設を検討してみてください。
みんなのFX(トレイダーズ証券)の評判・口コミはどう?メリット・デメリットと口座開設時の注意点を徹底解説
FX初心者はレバレッジのリスクから把握する
レバレッジはメリットもありますが、それ以上にロスカットを受けた時のリスクが大きい仕組みです。
FXを始めたばかりの人が高レバレッジをかけて取引をスタートした場合、一瞬でロスカットを受けて借金を背負うということにもなりかねません。
FXを始める際は、レバレッジをかけるリスクを一通り理解しておくようにしましょう。
【2023年最新】FX自動売買おすすめランキング!儲かるツールの選び方や特徴を徹底解説