ネット証券は、豊富な金融商品ラインナップを揃えている点や、運用にかかる手数料が抑えられる点から、多くの投資家が資産運用に活用しています。
しかし、目に見える魅力だけでネット証券で口座を開設した場合、初心者では効率的に利用できず損失を生む可能性もあるでしょう。
本記事では、ネット証券にて口座を開設するデメリットや口座開設におすすめのネット証券を紹介します。
長期に渡って安全に資産運用を図るためにも、長所だけでなく、短所も理解しておきましょう。
【2023年最新】ネット証券おすすめランキング!初心者におすすめの証券会社を徹底比較
証券会社とは?
証券会社とは、株式や債券など、有価証券の売買に関する取次・引受などを行い、金融商品の発光体(国や企業)と投資家を繋ぐ会社を指します。
正式には、「金融商品取引業者」とも呼ばれ、証券会社として営業を行うには、内閣総理大臣による承認を受けなければいけません。
以下のポイントから、証券会社の種類や取引できる金融商品をみていきましょう。
- ネット証券
- 総合証券
- 取引できる主な金融商品
ネット証券
ネット証券は、インターネット上にて24時間の取引が可能な証券会社です。
オンラインで完結するため、約定代金によっては手数料が無料のケースも多く、取り扱う金融商品の銘柄も豊富に揃っています。
取引ツールや情報ツールも充実していますが、基本的に取引サポートは電話やチャットのみに限定されるため、専門的なアドバイスやサポートは総合証券に劣る点に注意が必要です。
総合証券
総合証券は、店頭にて担当者のサポートを受けながら取引が可能な証券会社です。
顧客一人一人に営業担当者がつくため、資産運用アドバイスや、資産管理サポートも受けられます。
しかし、手数料がネット証券よりも割高になる傾向がある上に、店舗の営業が平日に限られるため、口座開設を行う店舗は慎重に検討する必要があります。
取引できる主な金融商品
ネット証券での資産運用に適した、主な金融商品を紹介します。
特徴 | リスク・リターン | |
---|---|---|
株式 | 企業の発行する株式を売買して 値上がり益や配当金を狙う金融商品 |
高 |
投資信託 | 投資家から集めた資金を一つにして専門家が投資・運用する金融商品 | 中 |
債券 | 国や自治体、企業の発行する借用証書で、定期的に利息を受け取れる | 小 |
リスク・リターンのバランスは、投資する国や地域によって変動します。
価格変動や信用リスクの面も考慮して、安全に資産運用を行いましょう。
ネット証券のデメリット
ネット証券で証券口座を開設するデメリットを紹介します。
- 投資判断が自己責任
- 通信環境による機会損失リスク
- 情報漏洩などのセキュリティ上リスク
- 確定申告が必要な場合もある
投資判断が自己責任
ネット証券は低コストでの運用が魅力ですが、投資判断は全て自己責任となり、初心者にとっては大きなプレッシャーとなる可能性があります。
担当者のサポートがないため、自分で投資判断を下す必要があり、正しい知識や判断力がないまま投資を行うことはリスクを伴います。
国内株式、海外株式、投資信託、債券、FX、先物取引などの金融商品は、資産運用に適していますが、利益を得るには相応の学習が必要です。
通信環境による機会損失リスク
通信環境の不安定さは、投資の観点から考えるとリスクになりかねません。
不安定な通信環境は、取引画面へのアクセス遅延や、タイムリーな発注の阻害といった問題が考えられ、株取引などの投資において、機会損失を及ぼす可能性があります。
通信環境のリスクを抑える際に、有効な対策を紹介します。
- 外出中にフリーWi-Fiスポットを利用しない
- 移動時の取引は行わない
上記の点を意識して、株取引などを有利に進めましょう。
情報漏洩などのセキュリティ上リスク
セキュリティリスクは、ネット証券を利用する上で、多くのユーザーにとって大きなリスクといえます。
不正アクセスを100%防ぐことは現実的に困難であり、大手企業でも個人情報漏洩の事例が発生することがあり、気づかずにウイルス感染したPCを利用してしまう恐れも。
PC利用時は、常時セキュリティリスクがある点を考慮して、以下の対策を行いましょう。
- 信頼性のあるウイルス対策ソフトを随時導入・更新
- パスワードの定期的な更新及び強固なパスワードの設定
- 使用しない際は端末の電源をオフ
- 使用するPCやスマートフォンを最新の状態に更新
ネット証券の利用時は、セキュリティ対策を最優先に行い、リスクを軽減させて安全に資産運用を図りましょう。
確定申告が必要な場合もある
ネット証券で一般口座を選択して取引を行う場合、確定申告をする必要があります。
口座開設時に、NISA口座を除くと「特定口座」・「一般口座」の二種類から選べますが、一般口座では1/1〜12/31の一年間に関する確定申告をしなければいけません。
特に初心者の方には、証券会社が確定申告の手続きを代行してくれる「特定口座・源泉徴収あり」がおすすめです。
ネット証券のメリット
ネット証券で証券口座を開設するメリットを紹介します。
- 運用コストを抑えられる
- 自宅で気軽に取引できる
- 分析ツールや情報ツールが充実している
運用コストを抑えられる
ネット証券では、店舗を構える総合証券よりも手数料を抑えた取引が可能です。
店舗の運営にかかるコストや人件費が発生しないため、総合証券と比較して大幅にコストを削減できるためです。
多くの総合証券では、約定代金の○%と設定されることに対し、ネット証券では取引額が20万円以下の場合、手数料がわずか100円以下で済む取引もできます。
また、100万円までの取引にかかる手数料が完全無料の証券会社もあり、低コストに抑えて投資を行いたい方は、ネット証券の利用がおすすめです。
自宅で気軽に取引できる
ネット証券は、通信環境を整備することで、いつでもどこでも手軽に取引が可能です。
タブレットやスマホなどの端末、PCを使用して、仕事の合間や家事のスキマ時間でも簡単に投資を行えます。
総合証券よりもスピード感を重視した取引が可能なため、時間や場所に縛られず投資をしたい方はネット証券を利用しましょう。
分析ツールや情報ツールが充実している
ネット証券では、取引に有利な分析ツールや情報ツールが充実している点も特徴です。
効率的な取引に有効な、四季報などのニュース銘柄情報や最新のマーケット、戦略的な投資情報など、幅広い情報をすぐに手に入れることが可能です。
また、初心者でも使いやすい分析ツールを利用することで、有利に投資を進められるでしょう。
以上のツールやアプリを活用して、初心者〜上級者まで満足の取引ができます。
おすすめの主要ネット証券を紹介!
証券口座の開設におすすめなネット証券を紹介します。
- 楽天証券
- SBI証券
- 松井証券
楽天証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
0コース(信用取引込) | 0円 | 0円 | 0円 |
楽天証券は、投資信託・現物取引・バイナリーオプションなどの取引にて、楽天ポイントを効果的に活用できるネット証券です。
投信積立プランやキャンペーンを利用することで、楽天ポイントを効率的に貯められます。
さらに、手数料の面では、「超割コース」にて業界最安水準の低コストを実現しているため、手数料を気にせず取引を行いたい方は楽天証券での口座開設を検討しましょう。
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SBI証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
SBI証券は、ネット証券業界の中でも、「国内株式取引シェア数No.1」を誇ります。
特に、取り扱う金融商品の豊富さで高い評価を受け、株式や投資信託、FXに及ぶ広範囲な取引が可能で、個人に適した投資戦略を組み立てやすいです。
また、取引手数料が0円〜1,404円と、ネット証券業界の中でも非常にリーズナブルで、運用コストを気にする投資家にもおすすめです。
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松井証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 0円 | 0円 | 1,100円 |
1日定額制 | – | – | – |
松井証券は、100年以上に及ぶ豊富な歴史・実績を持つネット証券です。
特に、高いセキュリティ対策とシステムの安定性には信頼があり、信頼性や安全性を重視する方は、松井証券での口座開設がおすすめです。
その他にも、ユーザーファーストな取引ツールも利用できるため、初心者でもすぐに操作感に慣れて快適な取引ができるでしょう。
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ネット証券で上手に資産運用を行うポイントは?
ネット証券にて、資産運用を上手に行うポイントを紹介します。
- 手数料などの運用コストを比較する
- 取り扱い商品や銘柄の確認
- 分析ツールや投資情報などの充実度
手数料などのコストを比較する
ネット証券にて投資を行う際は、手数料などのコスト面を比較しましょう。
多くの証券会社では、取引の種類やコースによって手数料が異なります。
大手ネット証券の「SBI証券」「楽天証券」では、1日の取引額が最大100万円まで手数料が無料のコースもあります。
投資を行う際は、ネット証券の手数料体系を確認して、競合との比較を行うことで、最適なサービスを選択できるでしょう。
取り扱い商品や銘柄の確認
ネット証券の選択時において、金融商品の取り扱い数や銘柄数は重要なポイントです。
国内外の金融商品に投資する際の市場変動や、余剰資金が生まれた際の選択肢など、ラインナップが豊富にあることで投資家の戦略も広がります。
投資の選択肢を広げるためにも、商品数・銘柄数が多いネット証券を選ぶことがおすすめです。
分析ツールや投資情報などの充実度
ネット証券では担当者がつかず、投資家個人で分析・情報収集を行う必要があるため、分析ツールや投資情報の充実度の確認も重要なポイントです。
特に、投資情報は一日ごとに更新されるため、随時確認しやすい情報を提供しているネット証券がおすすめです。
大手ネット証券では、特徴の異なるアプリやツールが充実しているため、使いやすそうなアプリや、取引で貯められるポイントを考慮して利用するネット証券を選びましょう。
ネット証券のデメリットを把握して投資を始めよう!
ネット証券にて口座を開設する際のデメリットを中心に、リスクやおすすめのネット証券を紹介しました。
ネット証券では個人に担当者がつかない分、個人で分析・情報収集を行い、セキュリティ面や機会損失で生まれるリスクを考慮しながら取引を行う必要があります。
デメリットやリスクに目を向けた場合、ネット証券を利用するメリットが薄れますが、魅力も豊富にあるため、気軽に投資ができるネット証券で資産運用を始めてみませんか?