先物取引は国内で取り扱われている銘柄を含め、米国などの海外指数やコモディティなどの先物も取引の対象に含まれています。
これを海外先物取引といい、国内で先物取引を行うとき同様、少額運用で大きな利益獲得が望める取引方法です。
今回は、海外先物取引の仕組みと、取引方法を活用するメリット・デメリット、利用上の注意点と併せて、海外先物取引が始められるおすすめの証券会社を紹介します。
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海外先物取引とは
海外商品先物取引とは、世界各国にある公設取引所で取引されている海外指数や、コモディティなどの先物の取引ができる取引方法です。
資本主義体制をとるほとんどの国(アメリカ、イギリスなど)に商品取引所が存在しています。
日本が海外商品先物取引を行う理由としては、取引所の上場商品を取り扱う商社等が、リスクヘッジ(保険つなぎ)のために利用することが多かったです。
しかし、外国為替管理の自由化に伴い、国内でも一般委託者に対して海外商品取引所における売買取引が開かれるようになり、一般にも海外先物取引が定着していきました。
海外先物取引の仕組み
海外先物取引の取引方法は、国内の株式指数などの先物を取引していくわけですが、日本との間には時差が生じているため、米国市場の取引時間は日本の取引時間とでは、真逆になっています。
つまり、時差の都合上、米国市場で起きた価格上昇や暴落などの値動きの影響が、翌日の日本市場に大きな影響をもたらす恐れがあります。
なので、海外先物取引を始めるときは、兵国時間に自分のポートフォリオ金額相当額分の先物を売却することで、ポートフォリオにヘッジが利かせられます。
同様に、商品先物と株式指数との相関が低いので、ポートフォリオの分散効果に期待ができます
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海外先物取引のメリット
海外先物取引を始めるメリットは、下記の4点です。
- 少額投資ができる
- 売り建てから始められる
- リスクヘッジに優れている
- 取引所が不履行(デフォルト)リスクを保証している
少額投資ができる
1つ目は、少額から大きな取引ができることです。
先物取引には、FXのように掛金を何倍にも膨らませて取引を行うレバレッジ取引が利用できます。
レバレッジ取引を利用すれば、少額からでも大きな利益獲得が狙えますが、予想が外れればかけた分の損失を被る諸刃の剣です。
少額からでも大きな利益が得るために伴うリスクを考えて利用しましょう。
売り建てから始められる
通常取引では、銘柄を購入して投資家の裁量で売却するのが一般的ですが、先物取引は、売りから取引を始めて、銘柄を買い戻す売買方法が利用できます。
売り建てともいわれる取引方法は、価格が下落すると利益獲得につながる方法で、もし価格が上昇すれば損失を被る仕組みを持っています。
リスクヘッジに優れている
海外先物取引は、市場の変動に対する効果的なリスク・ヘッジ手段としても知られています。
特に注目されているのがE-miniなどの、マーケットメーカーの存在しない設計が特徴の商品です。
機関投資家と個人投資家が同じ条件下で公平に取引することが可能となり、市場の透明性が向上します。
また、ビッド(Bid)とアスク(Ask)の板の表示により、どの値段にどれだけの注文が実際に来ているのかを一目で把握できます。
その結果より計画的な投資戦略を練ることができるのも、海外先物取引のメリットの一つです。
取引所が不履行(デフォルト)リスクを保証している
安全性の面でも、海外先物取引は高い信頼性を誇ります。
これは、取引所(例:CME)が市場参加者の不履行(デフォルト)リスクを保証しているためです。
内容としては、取引所が投資家の損失を補填するわけではなく、売買契約の履行を保証するものとなっています。
かつて取引所が設立された際、多くの市場参加者が信用リスクに直面しましたが、取引所は様々な措置を講じ、参加者のデフォルトリスクを軽減しました。
トレードの相手同士が信用できなければ、当然ながら相場は成り立ちません。
取引所がきちんとトレードを管理・監督することで、投資家に安心感を提供することに繋がり、市場の健全性を維持する基盤にもなっています。
海外先物取引のデメリット
海外先物取引にも、メリットだけじゃなく、デメリットとも呼べる側面が3つあります。
- ポジション維持が必須
- 決済期限がある
- 証拠金以上の損失を出すリスクもある
ポジション維持が必須
海外先物取引は、少額から取引に応じれるわけですが、買いまた売りポジションを維持するためには、最低委託証拠金をキープする必要があります。
証拠金の維持ができなくなると、強制決済、ロスカットが執行されます。
ロスカットの執行条件は、証拠金維持率が80%を下回ると警告、そして執行という流れで行われます。
決済期限がある
海外先物取引には、期日までに決済を済ませなければならない満期日というものが設けられています。
期日までに利益が得られれば申し分ありませんが、利益が出なければ差金決済を期日までに済ませる必要があります。
いずれにせよ、長期保有を投資スタイルにしている方には、不向きな取引方法と言わざるを得ません。
証拠金以上の損失を出すリスクもある
海外先物取引は、差し入れた委託証拠金を上回る金額の取引をおこなうことができる性質上、大きな損失が発生する可能性もあります。
もし委託証拠金率が一定率を下回った場合は、ロスカットルールにより全ポジションが強制決済されることにます。
市場価格が急激に変動する場合、ロスカット価格がロスカットルール適用時の価格から大きく乖離して約定してしまうことも考えられます。
その場合、委託証拠金の額を上回る損失額がでる可能性もあるのです。
海外先物取引ができるおすすめネット証券を比較
以下は、海外先物取引に対応している証券会社の銘柄数と取引手数料、必要証拠金を比較した表になります。
証券会社 | 楽天証券 | SBI証券 | 岡三オンライン |
---|---|---|---|
取扱銘柄件数 | 34商品 | 3商品 | 1商品 |
取引手数料 | 銘柄によって変動 | 900円 | 880円 |
取引時間 | 8:45~翌7:00 | 8:45~15:15 16:30~翌5:30 |
20:00~翌6:15 |
必要証拠金 | 当社発注時証拠金=イニシャル証拠金額 × 当社掛目1.0 当社維持証拠金(当社証拠金所要額)=メンテナンス証拠金額 × 当社掛目1.0 |
70,800円 | 212,760円/枚 |
海外先物取引ができるおすすめネット証券
ここからは、前節で挙げた証券会社が提供している海外先物取引の特徴を解説します。
- 楽天証券
- SBI証券
- 岡三オンライン
楽天証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
0コース(信用取引込) | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | 195銘柄 |
---|---|
投資信託 | 2,613本 |
外国株 | 米国株式(4,810銘柄)/中国株式/ASEAN株 |
ポイント投資 | 楽天ポイント |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
楽天証券が提供している海外先物取引は、世界に上場している日経225先物をすべて網羅していることと、現地通貨で取引ができる点です。
日経225が上場している大阪取引所に加えて、CMEに上場する「Nikkei225(ドル・円)」やSGXに上場する「SGX Nikkei 225 Index Futures」など、日経225に連動している海外先物をすべて取り扱っているので、選択の幅が広がります。
また米国株式同様、米ドルでの取引を可能にしています。
円をドルに替えるとき、為替リスクを考慮しなければなりませんが、外国為替取引の「リアルタイム為替取引」を8時から翌6時の間で利用すれば、取引したいタイミングで為替取引が成立して取引資金を得ることができます。
楽天証券の評判・口コミはどう?楽天ポイントで投資できる仕組みや口座開設手順を解説
楽天証券の口コミ
SBI証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | 208銘柄 |
---|---|
投資信託 | 2,683本 |
外国株 |
|
ポイント投資 |
|
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
SBI証券では、NYダウ先物取引が少額もしくは円建てのいずれかから始められます。
NYダウ先物取引は、米国の大手有名企業が発行する銘柄で構成された株価指数です。
そんな株価指数に1取引当たり70,800円で、証拠金の約38倍になる約240万円の取引が行えます。
無論、大きな利益を得るには、相応のリスクと損失を伴うので、リスクヘッジを考えながら取引に応じましょう。
SBI証券の評判・口コミはやばい?口座数NO.1の理由やメリット・デメリットを徹底解説
SBI証券の口コミ
岡三オンライン
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 108円 | 385円 | 660円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | ― |
---|---|
投資信託 | 802本 |
外国株 | ― |
ポイント投資 | ― |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
岡三オンラインが提供している海外先物取引では、「岡三ネットトレーダーライトF」と呼ばれる先物・オプション取引に特化した専用取引ツールを活用して取引を行います。
通常注文から気になった銘柄をタブルクリックで注文できるスピードショット注文に加え、バラエティーに富んだ分析チャートで投資家の取引状況を全面バックアップしてくれます。
また取引手数料も税込み880円と、ローコストで取引を始められます。
コストを抑えた投資スタイルを主軸に、高利益獲得を目指したい方におすすめです。
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岡三オンラインの口コミ
海外先物取引の始め方
ここからは、楽天証券が提供している海外先物取引の始め方を例に、取引方法の手順を解説していきます。
- Step1.口座の開設
- Step2. 証拠金の振替入金
- Step3. 銘柄の選定・注文
Step1.口座の開設
海外先物取引を行うには口座が必要です。
一言に口座と言っても、まずは証券口座の開設を済ませていることと。
次に先物・オプション取引口座の開設。
そして海外先物取引口座の開設を済ませておく必要があります。
まずは海外先物取引に対応している証券会社であることが大前提です。
海外先物取引対応の証券会社を絞り込んだら、取引手数料の安さや取引ツールの使いやすさ、情報提供ツールの有無などでを比較し、自分に合った証券会社を見つけて口座を開設していきましょう。
Step2. 証拠金の振替入金
海外先物取引を行うには、ポジション維持に必要不可欠な証拠金を入金する必要があります。
その証拠金を入金するためには、以下の手順で振替を行っていきます。
- マーケットスピードにログインして上段の「総合」をクリック
- 画面左下の先物オプション関連「証拠金振替指示」をクリック
- 上段メニューから「証拠金情報(海外)を選択
- 通貨「円」「ドル」を選択して「検索」
- 振替可能額の「預り金から証拠金へ」に表示されている金額範囲で、その下にある【振替額】を「預り金から証拠金へ振替」に切り替えて振替額を入力
- 「振替確認」ボタンを押す
証拠金の振替入金手順※楽天証券の場合
上記手順に従って進め行くことで、証拠金の振替が完了します。
なお、証拠金が不足すれば、強制決済が執行されます。
Step3. 銘柄の選定・注文
次に銘柄の選定と発注手順を合わせて紹介します。
楽天証券の海外先物取引は、マーケットスピードのグローバルメニューの「注文約定」や「投資情報」から発注できます。
また新規で注文する場合は、グローバルメニュー「投資情報」のローカルメニュー「先物OP市場情報」から新規発注を行います。
以下は、その手順になります。
- 「先物OP市場情報」上部の「Metals」をクリック
- 調べたい銘柄を「銘柄」の欄で検索
- 調べたい銘柄が出たら限月を選択してダブルクリック
- 「市況情報」に注文を出したい商品の市況情報が表示されたら、市況情報画面上で右クリックすると表示されるポップアップウィンドウで「海外先物新規注文」を選択
- 「海外先物新規注文」が表示されたら板情報を参考に「売買」「数量」「指値(成行)」を記入
- 入力を終えたら確認をクリック
- 最後に暗証番号を4桁入力して「執行」をクリック
これで新規注文が完了になります。
海外先物取引の注意点
国内で行う先物取引同様、海外先物取引もハイリスク・ハイリターンな取引方法である以上、前節で紹介したデメリットと合わせてリスク管理を取った取引が欠かせません。
ここでは、海外先物取引で気を付けることを紹介します。
- 経済情勢で大損する可能性がある
- 長期保有ができない
- ポジション維持ができないと強制決済
経済情勢で大損する可能性がある
海外先物取引を行うとき、最も気を付けなければならないのが日本と取引対象になる国との時差とその国の経済情勢です。
米国企業が出す先物を取引するとき、その国の経済情勢の影響が先物の価格に影響をもたらした後、日本の取引市場に影響をもたらします。
なので、海外先物取引を行うときは、その国の経済情勢をある程度網羅しておくことと、時差を把握しておくことが大切です。
もしこれらを加味せず、取引を行うと、大きな損失を被る可能性が高まります。
長期保有ができない
海外先物取引も、国内で行う先物取引同様。銘柄には満期日が設けられています。
設けられた期日までに、投資家の裁量で決済を済ませなければならず、もし、期日までに決済ができなければ、相場の良し悪しを問わず、強制決済が執行されます。
場合によっては、損失を被る可能性があるので、慎重に取引する銘柄を選びましょう。
ポジション維持ができないと強制決済
強制決済が執行されるのは、満期までに決済ができていない状況だけではなく、投資家が保有する建玉ごとに決められた預託証拠金が値洗いを行った時、一定のラインを下回った時にも強制決済が執行されます。
証拠金所要額水準を下回らないためにも、各証券会社が決めた期日までに資金を振り替えなければなりません。
海外先物取引に関するよくある質問
ここでは、海外先物取引を行う前に解決しておきたい疑問と、その回答について紹介します。
- 海外先物取引のメリット・デメリットは?
- 海外先物取引に適した口座選びのコツは?
- ロスカットが執行されるラインはいくら?
海外先物取引のメリット・デメリットは?
海外先物取引の主なメリットには下記が挙げられます。
- 少額投資ができる
- 売り建てから始められる
- リスクヘッジに優れている
- 取引所が不履行(デフォルト)リスクを保証している
一方デメリットは下記の通りです。
- ポジション維持が必須
- 決済期限がある
- 証拠金以上の損失を出すリスクもある
海外先物取引に適した口座選びのコツは?
海外先物取引ができる証券会社を選ぶ時のポイントは以下の3点です。
- 海外先物取引に対応していること
- 取引時に利用できるツールが手持ちのデバイスで使用できること
- 扱っている銘柄に対して情報を収集しやすい情報提供ツールを提供している事
ロスカットが執行されるラインはいくら?
証券会社によって異なりますが、証拠金所要額水準が80~85%を下回るとロスカットが執行されることを知らせるアラームがメールで送られてきます。
そのメールを無視している間に80%を下回ると強制決済、ロスカットが執行されます。
アラームを受け取ったら、証拠金の追加振替をその日のうちに済ませましょう。
海外先物取引はリスクヘッジを考えながら行うこと
ここまで、海外先物取引の仕組みと、取引方法を活用するメリット・デメリット、利用上の注意点と併せて、海外先物取引が始められるおすすめの証券会社を紹介してきました。
先物取引は、少額から取引が始められ、短期間で大きな利益が狙える一方、時期によっては、大きな損失を被る可能性があるハイリスク・ハイリターンな取引方法です。
また取引を維持するための証拠金も必要になるため、それ相応の資産力が求められます。
投資がはじめという方は、現物投資から始めてみて、次点での資産運用の1方法として取り入れてみるのがおすすめです。
【2024年最新】日経225先物取引がおすすめの証券会社はどこ?取引上のメリット・デメリット・口座選びの注意点を徹底解説