株式投資はキャピタルゲインとインカムゲインを得ることができる投資で、特にインカムゲインの「配当金」を目的として投資方法が流行っています。
配当金は企業ごとに貰える金額が決まっており、配当金の高さなどを見る指標として「配当利回り」があります。
配当利回りは単純に高ければ高いほど配当金が高く、多くのインカムゲインを得られます。
しかし「どのくらいの配当利回りが高いの?」「配当利回りの意味合いを知らない」という初心者も居ます。
今回は、配当利回りとはどのような意味があるのか初心者でも分かりやすく解説します。
配当目的の投資を始める上で、配当利回りを見る事は必須事項です。
また配当利回りは企業を分析する為に必要な一つの情報でもあるので、これから株式投資を始める人も参考にしてください。
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配当利回りとは
配当利回りは、株主が購入した時の株価に対して年間で貰える配当金を示した数値です。
単位は%で、企業によって配当利回りの高さは異なります。
一般的に配当利回りの高い株式は、より多くの配当金が貰えるので「高配当株」と呼ばれて居ます。
国内株でも高配当株がありますが、国内は株主優待もあるので米国株のような高い高配当は少ないです。
配当利回り…購入した株の株価に対し、1年間でどれだけの配当を受け取ることができるかの指標
配当利回りとよく似た言葉に、配当性向という言葉があります。
配当性向は、企業利益をどのくらい配当に回したのか示す数値で、過分子が貰える配当金の数値と異なります。
配当性向は1株あたりの配当金÷1株当たりの当期純利益×100で求めることが出来ます。
企業がだした利益をどのくらい株主に還元してくれるのか参考に出来るので、配当利回りと併用して利用しましょう。
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配当利回りの計算方法
配当利回りはどのようにして求めることができるのでしょうか。
配当利回りを求める計算式は以下のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
つまり、配当金額が同じで購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。
また、購入株価が同じで配当金額が大きいと配当利回りは上がり、配当金額が小さいと配当利回りは下がるのです。
よく分からないと思うので、具体例を出してご説明していきます。
例えば、以下のような2つの企業の株があったとします。
会社名 | A社 | B社 |
---|---|---|
1株あたりの株価 | 1000円 | 500円 |
1株あたりの配当金 | 10円 | 10円 |
1株あたりの配当金が同じなら、株価が安く投資額が低くなるB社のほうがお得ですよね。
これが配当利回りです。
それぞれの配当利回りを求めると以下のようになります。
A社 1株あたりの配当金10円÷株価1000円=配当利回り1%
B社 1株あたりの配当金10円÷株価500円=配当利回り2%
つまり、配当利回りから見ても、B社のほうがA社よりも配当利回りが高いため、より配当金をもらえることが分かるのです。
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配当利回りの平均
配当利回りの高い株は配当金が期待できるということは分かっても「どのくらいの数値が高いの?」と疑問に思う人もいます。
そこで今回は、各主要株価指数と平均配当利回りを紹介します。
株価指標 | 平均配当利回り |
---|---|
日経平均 | 1.91% |
JPX日経400 | 1.54% |
日経300 | 1.78% |
東証1部全銘柄 | 2.14% |
東証2部全銘柄 | 1.58% |
ジャスダック | 1.33% |
引用元:日経新聞
全体的に国内株式の平均配当利回りは約2%となっています。
そして一般的に高配当利回りと言われている水準は4%です。
配当利回りが4%を超えている企業は高配当株と言われていますが、減配・無配リスクもあるので注意しましょう。
高利回りの基準
配当利回りがどのようなものか、また配当利回りの求め方はご理解していただけたのではないでしょうか。
しかし、実際のところ「何%が高いのかわからない…」という疑問を抱いている方が大半ではないでしょうか。
では、実際のところ日本の企業における配当利回りの平均は何%程度なのか、詳しく解説していきます。
まず、配当利回りは証券会社から会社予想の値を見ることができます。
株式の取引ができる最も主流な証券所は「東京証券所(東証)」です。
東証のなかでも、特にやり取りが多く取り扱う銘柄も多いのが東証一部ですが、東証一部の平均配当利回りは以下のようになっています。
東証一部上場の平均配当利回り…1.99%(2020年2月)
つまり、配当利回りの平均は2%前後だと思っておけば問題ないでしょう。
つまり、配当利回りが3%以上であれば、配当利回りのいい銘柄であると言えるのです。
なかには配当利回りが5%、6%といった超高配当利回りの銘柄もあるため、ぜひチェックしてみてください。
配当利回りを基準に投資する時の注意点
配当利回りは数値が高ければ高い程、インカムゲインで得られる利益が増えます。
しかし配当利回りが高いかただけを基準にして投資すると、株価の下落で大きく損失してしまう可能性もあります。
また配当利回りは、企業の業績が悪くても上げることができるので優良企業に見せかける為に配当利回りを高くする所もあります。
このように配当利回りを基準に投資する時は、注意すべき点がいくつかあります。
これから注意点を詳しく解説するので、チェックしておきましょう。
高配当利回りだけで投資先を判断しない
高配当利回りと言われている株は、貰える配当金が高くなる為「高配当利回りに投資すれば良い!」と単純に考える人がいます。
たしかに高配当利回りの株は高い配当金を期待できますが、業績がよくない企業でも配当利回りを上げることは出来ます。
つまり高配当利回りを見ただけで投資すると、業績の悪い企業を間違って投資先にしてしまい、株価下落のリスクを逃してしまう可能性があります。
配当利回りが高いだけで優良銘柄と考えるのは、リスクが大きくなるので企業の業績もみて判断しましょう。
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減配リスクを考慮する
年間にもらえる配当金額が変わらないものの、配当利回りが高くなっているケースがあります。
上記のような状態は、投資先を見直す必要がります。
年間の配当金額は変わらないのに、配当利回りが高くなっているケースは1株当たりの株価が下がったことが原因です。
株価が下がる要因は、企業の不祥事や業績悪化が考えられます。
2020年のコロナショックのように世界経済全体の悪化が原因になることもありますが、業績悪化によるものが多い為、いずれ企業が配当予想の修正を発表し減配になることもありえます。
そして減配発表によって株価が更にさがると、インカムゲインより下落による損失が大きくなってしまいます。
配当利回りが高い場合でも、減配リスクが潜んでいるので注意しましょう。
配当利回りと配当性向の高い企業は要注意
利益利回りが高い企業でも配当性向の高い企業は注意する必要があります。
配当性向の高い企業は、企業で得た利益を株主に還元している優良企業に見えますが、事業成長が期待できない為、企業の取り分を減らしている可能性があります。
利益が出ている企業でも配当が変わらない場合や配当性向が下がっている場合は、成長期待のある事業に利益を投資する可能性があり、今後株価を右肩上がりにしていく期待が見込めます。
よって配当利回りが上がらない企業でも、優良銘柄はあるので、配当利回りと配当性向のバランスをみて投資しましょう。
配当利回りの高さだけで判断するのはNG
配当利回りは1年間に貰える配当金がわかる数値です。
配当利回りが高ければ高い程、配当金が高くなります。
しかし株価の下落などで配当金が減ってしまうケースもあります。
配当利回りは投資した時にもらえる配当金を計算できますが、投資先を判断する時は配当利回り以外も見る必要があります。
配当利回りをみつつ配当性向や業績をみて、バランスの良い企業に投資しましょう。
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