「積立NISA」は、2018年1月からスタートした投資制度です。
少額からの長期・積立・分散投資を支援するのが目的で、非課税の投資ができます。
また、対象商品も、手数料が低水準・分配金が頻繁に支払われない商品に限定されるなどの特徴があります。
昨今よく耳にする投資方法ですが、始め方がわからなかったり、仕組みがわからなかったりする方も多いでしょう。
この記事では、積立NISAのメリット・デメリットや、商品の買い方も紹介します。
積立NISAをうまく利用して、将来のための資産運用を始めましょう。
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積立NISAとは何か?
積立NISAに興味がある方に向けて、仕組みやメリット・デメリットを解説します。
- 積立NISAの仕組みと目的
- 積立NISAのメリットとデメリット
積立NISAは「投資」です。事前に概要を理解しておきましょう。
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積立NISAの仕組みと目的
積立NISAは、少額から長期・積立・分散投資を支援するため、非課税で投資を進められる制度です。
通常、投資では運用益の約20%が税金と引かれます。
しかし、積立NISAを活用すれば、約20%の課税が発生しません。
また、積立NISAの対象商品は、「手数料が低水準・分配金が頻繁に支払われない」などの特徴があります。
長期的な資産形成に適した商品ばかりで、初心者から上級者まで満足できる制度です。
積立NISAのメリット
積立NISAのメリットを紹介します。
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積立NISAは、金融庁が長期で積立・分散投資向きと判断した商品だけが購入できます。
投資先の商品が限定されるため、初心者でも投資先を迷う必要がありません。
投資信託の購入金額は、原則100円から始められます。
投資を経験したことのない方でも、少額からお試しでスタートできるので、安心して始められるでしょう。
また、積立NISAでは「ドル・コスト平均法」で投資ができます。
長期で一定額を投資できるため、購入単価が平均的になります。一括投資よりもリスク軽減できるのが特徴です。
積立NISAのデメリット
つづいて、積立NISAのデメリットを紹介します。
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積立NISAの対象商品は、金融庁から認定された商品ですが、元本保証はされていません。そのため、元本を下回るリスクもあります。
毎月の引き落としになるため、無理のない範囲で設定しましょう。
また、銀行口座や証券口座は、一人で複数所持できます。
しかし、積立NISAの口座は、複数の証券会社でも一つしか持てません。
金融庁の認定を受けた商品に、投資したい商品が該当しない可能性もあります。
多くの商品から選びたい方には、物足りなく感じるでしょう。
NISAとiDeCoはどちらが節税に役立つ?節税金額と特徴を徹底解説
積立NISAに必要な準備
積立NISAの口座開設の際、必要にあるものを把握しておきましょう。
- マイナンバーカードの取得
- 本人確認書類の用意
- 口座振替用の銀行口座を開設
マイナンバーカードは、手元に届くまでに数週間かかります。円滑に始めるためにも、早めの申請をおすすめします。
マイナンバーカードの取得
マイナンバーカードの取得の手順を解説します。
- 通知カードの交付申請書、または個人番号通知書で交付申請する
- 交付通知書が届いたら、交付窓口でマイナンバーカードを受け取る
交付申請の方法は、以下の4つです。
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※通知カードを紛失した方は、市町村窓口から再交付申請ができます。
本人確認書類の用意
つづいて、本人確認書類の準備についてです。口座開設に使用できる本人確認書類は、こちらです。
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その他、具体的な本人確認書類に関しては、各証券会社へお問い合わせください。
口座振込用の銀行口座を開設
積立NISAを始める際には、「総合口座」と「積立NISA」口座の二種類が必要になります。
総合口座は、銀行や証券会社の商品取引を、一つにまとめた口座です。積立NISAは、金融商品に該当し、積立NISAの講座のみではできません。
また、総合口座・積立NISA口座の両方を、同時に申請できる金融機関もあります。必要な方は、事前に確認しておきましょう。
積立NISAの開設手順
積立NISAの口座開設をする証券会社は、自分に適した証券会社を選ぶ必要があります。
- 証券会社の選び方
- 積立NISA口座の開設手続き
選び方などを紹介するので、参考にしてください。
証券会社の選び方
積立NISAを始める証券会社を選びましょう。
積立NISAの口座は、一人一つしか所持できません。複数の口座を持てないため、取り扱い銘柄数の多い「ネット証券」をおすすめします。
ネット証券を選べば、取り扱い銘柄数も多く、少額から投資を始められます。
積立NISA口座の開設手続き
積立NISAを始める際は、証券会社へ本人確認・アカウント登録が必要です。所定の手続きが完了次第、口座の開設へ進めます。
- 口座開設手続きへ進む
- マイナンバーや運転免許証で本人確認を完了する
- 個人情報を入力
- ログインIDを受け取る
- 口座開設完了
以上の流れが、証券会社での口座開設の流れです。すでに総合口座を持っている場合は、積立NISA口座の申請のみで完了します。
積立NISAで購入する商品の選び方
積立NISAで商品を購入する際、買い方のポイントを解説します。
- 株式投資信託(ETF)
- 投資信託(ミューチュアルファンド)
- リスクとリターンのバランスを考慮する
それぞれの特徴をみていきましょう。
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株式投資信託(ETF)
積立NISAで株式投資信託(ETF)を選ぶ際のメリットは、非課税で投資できる点です。
毎年40万円を最長20年間非課税で運用できる制度のため、その分利益にも期待できるでしょう。
しかし、積立NISAの株式投資信託(ETF)は、大和証券のみでしか取り扱いがありません。
大和証券でも、対象となる株式投資信託(ETF)は、7種類で少数です。他の証券会社ともしっかりと比較して選びましょう。
投資信託(ミューチュアルファンド)
積立NISAで投資信託を選ぶメリットは、分散投資ができる点です。
一人一口座しか持てない積立NISA口座ですが、限度額の範囲内で分散投資ができます。リスクの軽減になるためおすすめです。
しかし、投資信託を利用して、短期で一気に稼ぎたいという方には向いていません。
積立NISAは非課税ですが、長期投資向けの運用制度です。そのため、長い目で商品を選びましょう。
リスクとリターンのバランスを考慮する
どんな金融商品でも、リスクとリターンの関係を理解して、資産運用を図る必要があります。
一般的に、「リスクが大きい商品はリターンも大きい」、「リスクが小さい商品はリターンも小さい」と考えられます。
大きな収益を期待しても、その分損益になるリスクはついてくるので注意が必要です。
「分散投資・長期保有」を活用し、リスク・リターンのバランスを保って資産運用をしましょう。
【初心者向け】積立NISAにおすすめのネット証券
投資初心者に向けて、積立NISAを始めるおすすめのネット証券会社を紹介します。
- 楽天証券
- SBI証券
- 松井証券
- マネックス証券
証券会社ごとに、受けられるメリットが異なります。特徴を理解して、自分に適した証券会社を選びましょう。
楽天証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
楽天証券で積立NISAを始めるメリットを紹介します。
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楽天証券では、投資信託の購入に楽天キャッシュを活用できます。
楽天カードから楽天キャッシュにチャージした金額は、楽天ポイントが付与されます。
また、楽天カードクレジット決済も同様に、楽天ポイント付与の対象です。
また、普段のお買い物で貯まるポイントも投資信託の購入に当てることができます。
投資信託の商品数も、約180種類と豊富です。普段の生活でもらえるポイントも活用しながら、資産運用を図りましょう。
楽天証券の口コミ・評判まとめ!他社と比較したメリット・デメリット
SBI証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
SBI証券で積立NISAを始めるメリットを紹介します。
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SBI証券では、三井住友カードが発行するクレジットカードの決済で、投資信託が購入できる「クレカ積立サービス」が利用できます。
クレジットカード決済をすれば、投資信託の購入金額から、最大0.5%のVポイントが付与されます。
また、積立頻度も、「毎日、毎週、毎月」で設定が可能です。購入頻度を分散させて、価格変動にリスクに対処できます。
さらに、SBI証券の投資信託対象商品数は、約190本に上ります。
「アクティブファンド」「低コストインデックスファンド」「バランス型ファンド」から、自分の投資スタイルに合わせた商品を選びましょう。
SBI証券の評判・口コミはやばい?口座数NO.1の理由やメリット・デメリットを徹底解説
松井証券
取引手数料 | |||
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取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 0円 | 0円 | 1,100円 |
1日定額制 | – | – | – |
松井証券で積立NISAを始めるメリットを紹介します。
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松井証券の評判の高さに、コールセンターなどのサポート体制が充実している点があります。「株の取引相談窓口」というサービスでは、投資相談のアドバイスを直接オペレーターから受けられます。松井証券の口座を開設していれば、オペレーターが遠隔操作もしてくれるため、初心者でも安心です。
また、松井証券の取り扱い商品数は約180本です。「楽天証券」、「SBI証券」の運用する人気商品をそれぞれ購入できます。それぞれの人気商品へ分散投資できるのも、松井証券のメリットです。
松井証券の口コミ・評判まとめ!他社と比較したメリット・デメリット
マネックス証券
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 550円 | 550円 | 550円 |
最後に、マネックス証券で積立NISAを始めるメリットを紹介します。
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マネックス証券では、投資信託を保有することで「マネックスポイント」が貯まります。実際の獲得ポイント計算例はこちらです。
ポイント計算方法 「月末時点の保有残高(評価額)×付与率(年率)÷12」
※ポイント付与率 0.03%(年率) |
マネックスポイントは、Amazonギフト券やdポイント、マイルなどの特典にも交換が可能です。うまく活用し、お得に利用しましょう。
また、投資信託の購入も100円からできます。
投資頻度も「毎日」「毎月」から選べるため、リスク低減しながら資産運用が図れるでしょう。
マネックス証券の口コミ・評判まとめ!他社と比較したメリット・デメリット
積立NISAの購入手順
積立NISAの買い方を解説します。
- 積立金額と積立間隔を決める
- 購入手続きを進める
- 購入確認と資産運用の開始
積立NISAは、すぐに結果の出る投資ではありません。生活を圧迫しない範囲の、積立設定を心がけましょう。
新NISA制度の仕組みとは?従来のNISA制度との違いを徹底解説
積立金額と積立間隔を決める
積立NISAでの購入では、毎回の積立金額と間隔を自分で決める必要があります。
積立NISAの投資金額上限は、「年間40万円」です。毎月積み立てる場合は、40万円÷12ヶ月で、3万3333円です。
上限額を使いきれなくても、ボーナス月の増額設定を活用すれば、40万円ピッタリ投資できます。証券会社によっては、100円から投資ができます。
しかし、非課税枠を最大限利用するためには、金額を大きく設定するのがおすすめです。
また、「毎日、毎週、毎月」のうち、積立ペースを決めなければなりません。
証券会社ごとに間隔は異なりますが、「毎週で分散させて積立」、「毎月で一括積立」などさまざまです。分散させて価格変動のリスクを低減させることも可能です。
自分のスタイルに合わせて間隔を決めましょう。
※2024年以降、1年間の積立上限額は最大120万円に拡大
購入手続きを進める
つづいて、積立NISAの購入手続きを進めましょう。
口座開設後は、購入したい投資信託を選ぶ必要があります。おすすめの人気銘柄を、以下にまとめました。
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投資初心者であれば、他の投資家からも人気を集める銘柄をおすすめします。
購入確認と資産運用の開始
上記の手順で購入手続きを済ませた方は、資産運用を開始しましょう。
金額や間隔のほかにも、資産の配分など考える必要があります。
資産の配分は、後からでも変更できます。価格変動などを観察しながらの資産運用がおすすめです。
積立NISAの運用管理と確認方法
積立NISAは、購入したら最後ではなく、定期的に投資状況を管理する必要があります。
- 証券会社のウェブサイトやアプリで確認
- 運用成果と資産配分の見直し
- 手数料に注意する
元本割れリスクを避けるためにも、ポイントを確認しておきましょう。
証券会社のウェブサイトやアプリで確認
積立NISAでは、最低でも3ヶ月間隔で積立状況の確認をおすすめします。
各証券会社では、ウェブサイトやアプリで自分の積立状況を確認できます。
確認を怠ると、元本割れにも気づけません。
金額が大きければ大きいほど、より慎重になる必要があります。
運用成果と資産配分の見直し
積立NISAに慣れてきた方は、資産の配分を見直す方法を把握しておきましょう。
積立NISAで投資信託を変更するには、新規購入を停止して、他の投資信託の積立を開始するだけです。
上限額の40万円以下であれば、銘柄の変更は問題ありません。
しかし、現在保有している投資信託を売却後、新たな銘柄を購入する場合は注意が必要です。その場合、非課税枠を余分に消費してしまいます。
見直しの際には、総合的に判断しましょう。
手数料に注意する
積立NISAでは、口座開設時や管理料だけでなく、購入時や運用時の手数料にも注意しましょう。
投資信託の積立では、「購入・売却・運用」などの手数料が発生します。
各種手数料が完全無料で利用できる証券会社もあります。長期運用という点を考慮して、証券会社を選びましょう。
積立NISAの購入方法を理解し資産運用を始めよう
積立NISAは、長期投資により、将来的な資産形成を目指せる投資制度です。
購入方法も簡単で、投資商品も金融庁の認定を受けているため、初心者でも安心して始められます。
しかし、積立NISAは「投資」ということを忘れてはいけません。
元本割れリスクなどの注意点を理解しておく必要があります。事前にポイントを理解して、資産運用をスタートしましょう。
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