スキャルピングはFXなどで活用しているトレーダーが多い印象ですが、株でもスキャルピングすることは可能です。
株のスキャルピングはFXと同じで短期スパンで取引を完結させる取引手法で、うまく活用すると初心者でも利益を積み重ねることはできます。
しかし「スキャルピングって具体的にどうするの?」「実際どう動けば良いのかわからない」という初心者が多いです。
そこで今回は、株のスキャルピングについて詳しく解説します。
具体的な手法や、注意点を分かりやすく説明しているので参考にしてください。
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株のスキャルピングとは?

スキャルピングは、投資全般で使える手法の1つです。
スキャルピングとは
- 数十秒~数分間の短期スパンで売買するトレード手法
通常株式投資は、数時間~数年間時間をかけて取引します。
スキャルピングは通常の取引方法より早く取引を完結させる為、突発的な株価の値動きに対応出来るメリットがあります。
取引期間が短いので取れる利益は減ってしまいますが、リスクも低く抑えることができます。
株のスキャルピングにメリットはある?
株のスキャルピングは下記のメリットが存在します。
株スキャルピングのメリット
- リスク軽減
- 突発的な動きに対応できる
- 少額運用可能
株でのスキャルピングは短期間で売買を行う為、損失したとしても最小限に抑えることができます。
また経済指標の発表で起きる突発的な株価変動に対応可能で、状況によっては大きなリターンを得ることもできます。
これからスキャルピングのメリットを詳しく解説していくので、スキャルピング手法を利用したい人は必見です。
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リスクを抑えられる
スキャルピングはデイトレードやスイングトレードと比べて「ローリスク・ローリターン」の取引が出来ます。
株を保有する期間が長ければ長い程、利益幅は広がりリスクも比例して大きくなります。
利益を得たケースではデイトレードやスイングトレードの方が良い場面もありますが、損失場面では大失敗すると取り返しのつかない事になる可能性があります。
スキャルピングは早期に損失を抑えて次のチャンスに挑戦できるので、失敗しても軌道修正を楽に行なえます。
突発的な株価の動きで利益を得られる
株価の変動は経済指標の発表や、企業の新サービス導入発表などで大きく上昇するケースがあります。
スキャルピングの場合、上記のような場面で売買を行えば短期的に大きなリターンを得ることができます。
情報収集や分析が必要になりますが、短期的な上昇を狙える様になれば利益率や勝率も向上します。
少額でも始められる
スキャルピングは少額でもコツコツ利益を貯めることができます。
割安株や成長株といった中小企業の株を狙うと、10万円以下でも現物投資でスキャルピングすることが出来ます。
1株投資はリアルタイムトレード出来ない為、スキャルピング手法は利用できませんが、デイトレードやスイングトレードに比べて気軽に始められるので初心者にもおすすめです。
株のスキャルピングで注意すること
メリットが魅力的なスキャルピングですが、注意すべきポイントがいくつかあります。
スキャルピングにもデメリットがあるので、訳も分からず始めると資産を大きく減らす結果になります。
注意点を把握して、間違ったスキャルピング手法で運用しないようにしましょう。
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手数料を考慮して取引する
スキャルピングは手数料を考慮して取引しないと「手数料負け」が発生します。
例として、SBI証券の手数料を紹介します。
約定代金 | 手数料 |
---|---|
5万円まで | 55 円 |
10万円まで | 99 円 |
20万円まで | 115 円 |
50万円まで | 275 円 |
100万円まで | 535 円 |
150万円まで | 640 円 |
3,000万円まで | 1,013 円 |
3,000万円超 | 1,070 円 |
SBI証券はスタンダードプランと1日定額プランが存在し、スタンダードプランの場合5万以下の利益で55円の手数料が発生します。
手数料以下の利益で約定してしまうと手数料負けになってしまうので注意が必要です。
1日の約定代金合計 | 手数料 |
---|---|
50万円まで | 0円 |
100万円まで | 0円 |
200万円まで | 1,238円 |
300万円まで | 1,691円 |
以降100万円増加ごとに | +295円 |
1日定額プランの場合、100万円まで手数料が無料になります。
スキャルピングトレードをしている人は手数料を考慮して取引する必要がないので、適しているプランです。
手数料を考慮して取引コースや証券口座を選ばないと、不利な状態で運用開始してしまう恐れがあるので、スキャルピングに適しているサービスを選びましょう。
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確実に優位な時以外狙わない
スキャルピングは取引期間が短い為、必然的に取引回数が増えます。
しかしスキャルピングでも期待値の高い時に取引しないと損失を積み重ねてしまいます。
勝算の無い取引をしてしまうと、スキャルピングのメリットを潰してしまうので注意が必要です。
確実に優位な時だけ取引出来るようになるには、細かな取引ルールを作成する必要があります。
勝率の高い分析方法を見つけて、勝率パターンの高い動きをした時だけ参入するルールを作成できれば、不要なトレードを減らせます。
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ボラティリティ高めの中小企業を狙う
スキャルピングは短期的に利益を狙う手法なので、株価変動の大きい銘柄で勝負する必要があります。
業績が安定している大企業の株価は1日の変動幅が低く、成長段階にある中小企業の方が変動幅が大きいです。
特にゲーム業界やテック系の銘柄はボラティリティが高く、スキャルピングでも利益を狙えるのでおすすめです。
但しボラティリティの高い企業は、暴落する幅も大きいので損切り設定は決めておきましょう。
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初心者でも実践できるスキャルピング法
初心者でも実践できるスキャルピング法を紹介します。
スキャルピングは気軽にできる手法ですが、しっかり根拠をもって取引しないと負けてしまいます。
運要素で取引して勝てる場面があっても、継続的に勝てないのでおすすめできません。
シンプルな分析方法でもコツコツ利益を重ねて行けるので、実践に取り入れていきましょう。
初歩的なテクニカル分析を使用
テクニカル分析はチャート画面上にテクニカル指標を用いて分析することを指します。
テクニカル指標は様々で、個人作成している投資家もいます。
上記の内容だけ聞くと「なんだか難しそう…。」と不安になってしまいますよね。
テクニカル分析はシンプルで簡単な方法もあります。
初心者でも使いやすいテクニカル指標
- MACD
- 移動平均線
今回紹介したMACDや移動平均線は、チャートのトレンド発生を見つけられるテクニカル指標です。
初心者から上級者まで利用しているテクニカル指標なので、実践に取り入れてみましょう。
株で使えるテクニカル分析方法は?おすすめのテクニカル指標やチャート形状をくわしく解説
スキャルピングに適している株を中心に取引する
短期スパンで取引するスキャルピングは、適している株とそうでない株があります。
1日の変動が鈍い銘柄でスキャルピングすると、価格変動の予想がしにくく強い根拠で取引することができません。
スキャルピングに適している株は、1日の株価変動が大きい株です。
また株価変動の大きい株といっても、企業の業績が悪化している状態であったり成長見込みのない企業はNGです。
これから企業が大きく成長しそうな銘柄で株価変動の大きいものを選びましょう。
期待値の高い時のみ取引する
当たり前ですが、勝てる可能性が高い場面だけ取引することを意識しましょう。
「勝てる可能性はどうやって判断するの?」と疑問に思う人もいますよね。
勝てる可能性は過去のトレード実績やテクニカル分析での指標を見ると算出することができます。
これから株式投資を始める人は、トレード内容を記録するノートを作って勝てるパターンを見つけていきましょう。
株のスキャルピングで失敗してしまう例
スキャルピングは成功している人もいる反面、失敗して市場から退場してしまう人もいます。
これから株のスキャルピング失敗例を紹介するので、同じ事にならないように注意しましょう。
無駄な取引を増やしてしまう
スキャルピングは取引を数十秒~数分で終える為、株価変動すべてがチャンスに見えて無駄なトレードが増えてしまう人も居ます。
無駄な取引が増えてしまう原因は、勝ちパターンが定まっていない点が大きいです。
勝てる!と分かり始めた投資家は、無駄に取引をしてしまうことが自動的に減って行きますが、どうやって勝つか道筋が立って居ない人は逆に無駄な取引が増えてしまいます。
無駄な取引が増えるとポジポジ病を発動させて、意味も無く株を持って塩漬けしてしまう恐れもあるので注意しましょう。
なんとなく上がるで判断する
スキャルピングは瞬時に取引する為「なんとなく上がるから取引しよう」と判断してしまう人もいます。
突発的な上昇をみて「上がるだろう」と判断しても、購入した直後に落ちて失敗してしまうケースもあります。
上がる・下がるを予想する時に「なんとなく」の気持ちが入ると継続的に勝つことが厳しくなります。
根拠を持って取引することは必須スキルになるので、判断材料を増やして取引に挑みましょう。
損小利大の逆取引を連発
スキャルピングで勝率は5割を超えているのに負けてしまうという人が居ます。
勝率が高いのに資産が損失している人は損小利大の逆バージョンが発生しています。
損失リスクを管理できておらず、利益を取るときに焦って利確する為、損失が大きく利益が小さくなってしまいます。
利益が小さくなってしまう、損失が大きくなってしまう原因は、取引ルールの曖昧さにあります。
利確幅と損切りの数値を決めて行動していない人は「これから上がるかも?」「これ以上上がらないから利確しよう!」とチャートに対して疑心暗鬼になります。
取引に入る前にルールを決めておけば、機械的に取引対応できるので上記のような問題はおこりません。
取引ルールの確立は利率管理にも繋がるのでおすめです。
株のスキャルピングは勝率高めの時に取引しよう
株のスキャルピングは気軽さが魅力的で、初心者でもすぐ実践に取り組めます。
しかし、取引するまでの過程が曖昧になると損失が大きくなり負けてしまいます。
取引手数料と利益のバランスや、取引するタイミングを考えて、利益をコツコツ積み重ねていきましょう。
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