株式投資や債券投資など、数多の投資商品を活用して自己資産を増やしていく方が増加しています。
自己資産をうまく活用すれば、投じた額に応じて利益獲得が為せる一方、損失を生むこともあります。
いずれもリスク・リターンのバランスが取れているものが、ほとんどの中、少額から始められるにも関わらず、投じた額の数倍にも及ぶ額が手に入る取引方法があります。
それが、先物取引です。
今回は、先物取引の仕組みと、取引上のメリット・デメリットを解説すると同時に、先物取引が始められるおすすめの証券会社を紹介します。
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先物取引の仕組み
先物取引とは、とある商品(銘柄)を前もって決められた日までに、取引時点で決定した価格で売買する取引方法です。
簡潔にいうと、将来的に欲しい銘柄を購入・売却することを約束(契約)する取引になります。
先物取引を行うには、担保となる証拠金を所定の口座に振り込んでおく必要があり、その証拠金を数倍もの額に膨らせた状態で取引が行えます。
証拠金があるおかげで、先物取引は少額から始められる取引方法として初心者におすすめされています。
先物取引が始められるおすすめの証券会社の比較表
以下は、先物取引に対応している証券会社の銘柄数と取引手数料、取引ツール、建玉上限との相性を比較した表になります。
証券会社 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | 松井証券 | auカブコム証券 | GMOクリック証券 | SBIネオトレード証券 | 岡三オンライン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
取引手数料 (日経255) |
275円 | 275円 | 275円 | 220円 | 330円 | 220円 | 210.1円 | 330円 |
銘柄数 (株価指数先物) |
3種類 | 12種類 | 3種類 | 7種類 | 10種類 | 2種類 | 2種類 | 10種類 |
建玉上限 (日経255) |
買建・売建 (200枚) |
買建・売建 (200枚) |
買建・売建 (合計400枚) |
買建・売建 (200枚) |
買建・売建 (200枚) |
買建・売建 (200枚) |
買建・売建 (300枚) |
買建・売建 (200枚) |
スマホアプリの相性 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
先物取引が行えるおすすめ証券会社ランキング
ここからは、前節で紹介した証券会社8社の基本情報を詳しく解説していきます。
楽天証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
0コース(信用取引込) | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | 195銘柄 |
---|---|
投資信託 | 2,613本 |
外国株 | 米国株式(4,810銘柄)/中国株式/ASEAN株 |
ポイント投資 | 楽天ポイント |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
楽天証券では、日経225、日経225ミニ、マザーズ先物の3種類の株価指数先物しか扱っていませんが、証券会社の中では唯一、金などの商品先物を用いた先物取引が行える証券会社です。
そのほかにも30種類以上もの銘柄を取り扱っている海外先物取引を、ドル建てで売買できるなど、様々な取引方法で多種多様な銘柄を売買できます。
また取引では、トレーディングツールとして利用者から高い支持を得ている「マーケットスピード」や「マーケットスピードⅡ」、商品先物取引にも対応しているスマホアプリの「iSPEED」を活用していきます。
いずれも、投資初心者から玄人レベルの投資家を想定したつくりをしているので、先物取引における操作性は申し分ないです。
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楽天証券の口コミ
SBI証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | 208銘柄 |
---|---|
投資信託 | 2,683本 |
外国株 |
|
ポイント投資 |
|
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
SBI証券では、業界トップともいえる種類の株価指数先物を取り扱っている証券会社です。
日経225、TOPIX、NYダウなど、メジャーな株価指数先物はすべて網羅しているので、銘柄選択のふり幅としては申し分ない数です。
また、SBI先物・オプション-APIを利用することで、サードベンダーのシステムトレード(自動発注)が利用できます。
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SBI証券の口コミ
マネックス証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 550円 | 550円 | 550円 |
積立NISA | 167本 |
---|---|
投資信託 | 1,520本 |
外国株 | 米国株式(5,000本以上) 中国株式 |
ポイント投資 | マネックスポイント |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
マネックス証券では、投資家から絶大な人気を得ている株価指数「日経平均株価指数」や「JPX日経400指数」を原資産にしている銘柄を中心に先物取引を行っています。
会社側で銘柄の選定が行われているおかげで、初めての先物取引でも迷うことなく、最適な銘柄を選び出せます。
取引に使用する「マネックストレーダー先物スマートフォン」は、初心者に寄り添ったシンプル設計の取引ツールです。
簡単操作で発注も簡単にスムーズに行えるうえ、リスク管理も容易に行える優れものです。
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マネックス証券の口コミ
松井証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 0円 | 0円 | 1,100円 |
約定金額ごと(25歳以下) | 無料 | 無料 | 無料 |
1日定額制 | – | – | – |
積立NISA | 199銘柄 |
---|---|
投資信託 | 1,715本 |
外国株 | 米国株式(2,832銘柄)米国ETF(355銘柄) |
ポイント投資 | 松井証券ポイント |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
松井証券では、日経225先物やマザーズ指数先物など、メジャーな株価指数先物を7種類取り扱っています。
取引時に入金する証拠金では、現金とは別で保有する株式を証拠金の代用として活用できるなど、他所にはない独自サービスを多数展開しています。
中でも、一日先物取引は、返済期限が1セッションになる代わりに、通常取引よりもローコストで取引ができるサービスです。
特に1日に複数回取引を行う投資家にとって、一日先物取引は画期的サービスといえます。
松井証券の評判・口コミはどう?サービス内容や取引手数料の評価を徹底調査
auカブコム証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 99円 | 275円 | 535円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | 202銘柄 |
---|---|
投資信託 | 1,634本 |
外国株 | 米国株式(1,800銘柄以上) |
ポイント投資 | Pontaポイント(投資信託・プチ株買付に利用可能) |
取引ツール(PC) |
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スマホアプリ |
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auカブコム証券では、日経225先物、TOPIX先物、日経平均VI先物など、全10種類にも及ぶ株価指数先物から取引が始められ、それぞれの銘柄によって、約定1枚当たりの手数料が設けられています。
さらに取引時に用意する証拠金では、保有する株式や投資信託を現金の代用として差し入れることが可能です。
日頃からauカブコレ証券を活用して、株式や投資信託をしている方であれば、少額の現金を用意すれば、先物取引がその日のうちから始められます。
auカブコム証券の評判・口コミはどう?メリット・デメリットや取引手数料・取引ツールを解説
GMOクリック証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 90円 | 260円 | 460円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | ― |
---|---|
投資信託 | 約6,000本 |
外国株 | ― |
ポイント投資 | ― |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
GMOクリック証券では、日経225先物とミニ日経225先物の2種類のみに絞って、先物取引を行っています。
取引数量は少ないですが、その分取引毎にかかる手数料が他所よりも安いです。
また取引ツールとして利用する「スーパーはっちゅう君」は、株式との併用利用ができるだけでなく、マウス操作で簡単発注が行えます。
GMOクリック証券の評判・口コミはどう?株式・FXの手数料評価や初心者におすすめの理由も解説
SBIネオトレード証券
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 88円 | 198円 | 374円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | 11銘柄 |
---|---|
投資信託 | 27本 |
外国株 | 米国株(28銘柄)・指数CFD(4銘柄) |
ポイント投資 | ― |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
SBIネオトレード証券では、日経225先物と日経225mini先物の2種類のみの取り扱いになりますが、取引毎にかかる手数料は業界屈指の安さを誇っています。
例えば、個人投資家から人気が高い日経225miniに設けられた片道分の取引手数料は、税込み36.3円と前述してきた証券会社の中では最安値です。
取引コストを抑えて資産形成を行いたい方におすすめです。
SBIネオトレード証券(ライブスター証券)の口コミ・評判はどう?手数料の評価なども解説
岡三オンライン
2024/03/08時点の情報です。
取引手数料 | |||
---|---|---|---|
取引金額 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
約定金額ごと | 108円 | 385円 | 660円 |
1日定額制 | 0円 | 0円 | 0円 |
積立NISA | ― |
---|---|
投資信託 | 802本 |
外国株 | ― |
ポイント投資 | ― |
取引ツール(PC) |
|
スマホアプリ |
|
岡三オンラインでは、日経225先物や日経225mini、ミニTOPIX先物など、計10種類もの株価指数先物を取り扱っている証券会社です。
中でも日経225先物と日経225miniでは、アクティブ先物取引という、1セッション限定で先物取引が行えるサービスを用意しています。
当サービスを利用した場合、通常取引時に必要な証拠金額の50%OFFで取引が始められます。
また岡三オンラインでは、顧客資産損失を限定的なものにするロスカット制度を用意しています。
【岡三オンライン証券IPOルールまとめ】資金や抽選方法、入金のタイミングを徹底解説
先物取引を始めるメリット
期日までに銘柄の購入・売買を済ませて、利益を得ていく先物取引を資産形成の1活用方法として利用した場合、投資家は以下のメリットを得ます。
- レバレッジ取引が可能
- 売り建て・買い建ての利用ができる
- 夜間立会の実施
レバレッジ取引が可能
前節でも紹介したように、先物取引は、担保となる証拠金を数倍もの額に膨らませて大きな利益が得られるレバレッジ取引が行えます。
レバレッジ取引は、FXでも利用できる取引方法の1つで、証拠金をてこの原理で数倍もの額に膨らませた状態で取引することで、通常取引したときに入る利益の数倍の額が手に入る取引方法です。
その取引方法が、先物取引でも活用できるので、少額で始めながら、効率よく資産形成を行いたい方におすすめです。
ただし、レバレッジ取引には、膨らませた倍数分のリスクを背負うことになります。
もし予想が外れれば、かけた分だけの損失を被るハイリスク・ハイリターンな取引でもあることを理解しておきましょう。
売り建て・買い建ての利用ができる
現物取引や信用取引では、銘柄を購入して、価格が上昇したら売却する買い建てを基本スタイルにしています。
先物取引でも買い建てから取引が始められますが、価格が下落することを予測して利益を得る売り建てから取引に応じることも可能です。
つまり、先物取引は買いと売りから取引が始められ、両方法で利益獲得ができる取引方法です。
夜間立会の実施
基本的に有価証券の取引は、公設の東証を通じて取引を行い、その日のうちに取引が行える時間帯は、原則15時までになっています。
しかし、先物取引では、16時半以降にも取引ができる夜間立会を導入しています。
これのおかげで日中は、本職が忙しくて、取引チャンスを逃すことが多かった投資家も、チャンスを逃すことなく、資産形成が行えます。
先物取引が抱えるデメリット
高利益獲得のチャンスや、本職に支障をきたすことなく売買取引が行える先物取引ですが、利用すれば、以下のデメリットを抱えます。
- 元本・利益獲得が保障されていない
- 決済期日が決められている
元本・利益獲得が保障されていない
先物取引を含め、現物取引や信用取引を利用する時に掛ける元本には、損失を被らないことを約束する保証や、必ず利益が出ることを保証やる約束事が設けられていません。
なので、値動きを見誤れば、元本がマイナスになる元本割れを引き起こす可能性が高いです。
特に先物取引やFXで行えるレバレッジ取引は、かけた倍数分だけ失う額も大きくなるハイリスク・ハイリターンな取引方法です。
資産に余裕がないうちは、別の投資商品を活用して資産形成を行うのが最適です。
決済期日が決められている
先物取引は、前もって売買する期日を決めてから取引を行う取引方法です。
その売買する期日を、満期日といい、この日を迎えるまでに銘柄の決済を済ませないと、強制決済が執行されます。
つまり、売買しなければならない期日が決められている以上、株式や債券などの有価証券のように長期保有ができません。
よって、先物取引羽短期間で利益獲得を、投資スタイルにしている方に向いている方法というわけです。
先物取引の始め方
ここからは、先物取引を始めるときの手順を紹介していきます。
- 口座開設
- 証拠金の送金
- 発注
Step1.口座開設
先物取引を行うには、所定の証券会社で口座開設を済ませておく必要があります。
まだ口座開設を行っていない方は、前節で紹介した8社の中から自分の投資スタイルや投資目的、取引したい銘柄等に合致した証券会社で口座開設を済ませましょう。
一番最初に開設する総合口座だけでは、株式の現物取引しか始められませんので、口座開設が済んだら、先物・オプション取引口座の開設を進めましょう。
なお、先物・オプション取引口座の開設は、総合口座開設時に並行して開設が行えます。
また口座開設は、以下の手順で進めていきます。
- 個人情報の入力
- 本人確認書類の提出
- 審査
- ログインID/パスワードが記載された書類の送付
Step2.証拠金の送金
総合口座と先物・オプション取引口座の開設が済んだら、総合口座の方に自己資産を入金して、先物・オプション取引口座に資金を振り替えていきます。
この作業を行うことで、先物取引を行うときに必要な証拠金の用意ができます。
なお、証拠金が不足すると、自動的にロスカットが執行されるようになっているので、余裕ある額を振り替えておきましょう。
Step3.発注
証拠金の振替が行えたら、取引ツールを活用して発注を行います。
先物取引では、株式同様、成行や指値で発注が行えるほか、逆指値や不成、IFDなどの発注方法で取引が行えます。
また銘柄の価格が上昇すると予想したら買い建て、逆に下落すると予想したら売り建てで発注することも可能です。
先物取引を始めるときの注意点
ここでは、先物取引を始めるにあたって気を付けることを2つ紹介します。
いずれも、前述したメリット・デメリットを絡めている内容になります。
差金決済の採用
先物取引では、買い建てと売り建てを行った後の売買で算出された差額分で利益、または損失を算出する差金決済を取り入れています。
例えば、買い建てで先物取引を始めた場合、銘柄の価格と購入した時の価格との差がプラスであれば、利益が得られ、マイナスであれば損失を被ります。
逆に売り建てから取引を始めた場合、銘柄価格と売った時の価格との差がマイナスであれば、利益が入り、プラスになっていれば損失になります。
証拠金不足でロスカットが執行される
先物取引を行うには、担保となる証拠金額が大きな役割を担っています。
もし証拠金が一定ラインを下回ってしまえば、投資家は大きな祖損失を被ることになります。
その防衛システムとして導入されているのが、ロスカット制度です。
ロスカットは、投資家に代わって強制決済、損切を執行する制度で、証拠金の維持が80%を切った瞬間、執行されるようにプラグラムされています。
先物取引に関する質問
ここでは、先物取引を行う前に解決しておきたい疑問を2つ紹介します。
先物取引は、少額からでも始められる取引方法ですが、証拠金が不足すれば取引ができないばかりか、ロスカットが頻繁に執行される恐れがあります。
なので、少額から取引を始めたい方もある程度の資産を持ち合わせておく必要があります。
【手数料】
先物取引を行った時に発生する手数料は取引する銘柄によって、手数料が発生する一方、CFDは、スプレッドの幅によって手数料が決定します。
【決済期限】
先物取引の決済期限は、満期日までに決済を済ませなければなりませんが、CFDは投資家の裁量、好きなタイミングで決済が行えます。
【レバレッジ】
両取引共に、レバレッジ取引が行える取引方法になるわけですが、CFDは原則10倍まで、証拠金を膨らませられ、先物取引は、価格変動によって倍率が常時変動します。
証拠金・決済期日さえ守れば高利益獲得は可能!
ここまで、今回は、先物取引の仕組みと、取引上のメリット・デメリットを解説すると同時に、先物取引が始められるおすすめの証券会社を紹介してきました。
先物取引は、証拠金を用意していれば、少額から取引が始められる取引方法に位置付き、得られる利益も大きい一方、失う額も大きいハイリスク・ハイリターンな取引方法です。
少額から利益獲得を目指したい方や、短期間で利益を獲得したい方も、ロスカットが執行されない余裕ある資産を築いてから取引を始めるのが最適です。
また、先物取引を始めるときは、メリットのみならず、取引上のデメリット、リスクを十分理解したうえで活用しましょう。