世界中で絶大な人気を誇るiPhonやMacを発売しているAppleの株式を保有しても株主優待を得られないという事実を知っていたでしょうか?
日本の上場企業の株式を保有していると商品券などの株主優待を受けることができますが、なぜAppleには株主優待がないのでしょうか?
この記事ではAppleに株主優待がない理由と、株式保有を通してAppleの製品を少しでもお得に購入する方法を解説しますので参考にしてください。
アップルに株主優待がない4つの理由を解説

超一流企業Appleにはなぜ株主優待が存在しないのでしょうか?
Appleに株主優待がない理由はいくつかありますが、ここでは最も大きな要因と考えられる4つの理由を解説しますので参考にしてください。
【理由1】米国では配当で株主に還元するべきであるという考えがあるため
日本では株式を購入して保有していれば株式発行企業から株主優待が贈られることは常識のようなものと認識されているかもしれませんが、米国では基本的に株主優待という考え方がありません。
しかし、米国では株主還元は配当で行われるべきであるという考えが根付いており、日本に比べ配当がより多く支払われます。
さらに、株主優待という制度自体が日本独自のものなので、アメリカ以外の諸外国においても株主優待という制度は基本的に存在しません。
配当金の受け取り回数が日本株に比べて多い
日本株の配当支払い回数が年1~2回なのに対して、米国株は年に3~4回の支払いがあります。
配当の支払い月は銘柄によって違い、うまく組み合わせて購入すれば毎月配当を受け取ることも可能です。
また、PFFやMAINなどは毎月配当を出しているため、毎月配当をもらいたいという方は選択肢として頭に入れておきましょう。
【理由2】日本ではApple Japan合同会社が上場できないため株式を発行できない
Appleは米国の市場に上場していますが、日本にあるApple Japan合同会社は上場していません。
日本で会社を設立する場合の種類は主に、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種類ですが、実際に合名会社と合資会社は設立されることが少なく実質的には株式会社と合同会社の2択になります。
このうち合同会社を設立した場合は、株式市場に上場することができず株式を発行できません。
そのため、日本で合同会社として設立されているApple Japan合同会社は日本の株式市場に上場できず株式発行もできないというわけです。
Appleの株を買うには米国本社のAAPL株を買うしかない
Apple Japan合同会社が日本で株式発行できなければ、Appleの株はどのように購入すればいいのでしょうか。
結論から言うと、日本の一般的な投資家がAppleの株価を購入するには米国本社のAAPL株を購入するしかありません。
ただし、米国株は日本の口座では取引できないため、外国株取引口座を開設する必要があります。
【理由3】Appleにはすでに確固たる信頼があるため日本で上場する必要がない
日本で株式に上場するメリットの一つとして企業の信頼向上やブランディング構築が挙げられますが、Appleはすでに世界的に知られている超一流企業です。
すでに信頼やブランディングは十分すぎるほど構築されているため、今更コストや手間をかけて日本の株式市場に上場する必要はありません。
【理由4】米国で十分な資金調達ができているため
株式を発行し多くの人に購入されれば企業は資金を調達できますが、Appleにはその必要がありません。
なぜなら、Appleの時価総額は世界一で2兆円を超えているからです。
時価総額とは企業価値を測る指標の一つで、ある上場企業の株価に発行済株式数をかけたものになります。
米国市場だけで潤沢な資金調達ができているためわざわざ日本で資金調達する必要もありません。
今後Apple Japan合同会社が株主優待を導入する確率は限りなく0に近い

今後Appleが株主優待制度を導入する可能性は限りなく0に近いです。
元々Appleは日本で合同会社を設立しているため、上場することができません。
もし、将来的に上場する可能性があれば最初から合同会社ではなく株式会社を設立していたはずです。
そこを、あえて合同会社という形で設立しているという事はAppleに上場する意思がないという事であり、株主優待制度を導入する可能性が限りなく低いという事を意味します。
アップル製品を安く買いたい方は家電量販店の株主優待を利用するべき

ここまでAppleに株主優待制度が存在しない事を解説してきましたが、それでも株主優待を利用してApple製品をお得に購入したいという場合はどのようにすればいいのでしょうか。
その方法の一つが家電量販店の株を購入し株主優待の商品券を受けるという事です。
株主優待として商品券を受け取る事が出来れば、家電量販店でApple製品を購入する際にお会計を割引してもらうことができます。
株主優待を家電量販店別に比較
家電量販店の株主優待でお得にApple製品を購入できることはわかりましたが、具体的にはどの会社の株式を購入すればいいのでしょうか。
ここでは家電量販店の株主優待を会社ごとに比較していきますので、購入株の判断材料として参考にしてください。
ヤマダ電機(証券コード:9831)
ヤマダ電機は都市型店舗のLABIと郊外型店舗のテックランドを全国展開している家電量販店で知名度は非常に高いでしょう。
家電以外にも不動産関連事業や家具・インテリアを展開しており、2019年には大塚家具を買収しています。
会社概要 | |
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社名 | 株式会社ヤマダホールディングス |
設立年月 | 1983年9月 |
本社 | 群馬県 |
従業員数 | 単体10,539人 |
売上高 | 1兆6,115億円 |
株主優待は保有している株式数や期間によって変わりますが、基本的に100株保有で、500円割引券6枚です。
株主優待情報 | |
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内容 | 優待券500円6枚(3月2枚、9月4枚) |
最小株数 | 100株 |
最低取得価格 | 45,700円(475円×100株) |
権利確定日 | 3月末日、9月末日 |
ビックカメラ(証券コード:3048)
ビックカメラは都市部のターミナル駅周辺で大型店舗を展開している家電量販店です。
2010年にソフマップ、2012年にコジマを傘下に収め成長している企業ですが、2020年は新型コロナウイルスの影響もあり売上が下がった月もあります。
会社概要 | |
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社名 | 株式会社ビックカメラ |
設立年月 | 1980年11月 |
本社 | 東京都 |
従業員数 | 単体4,556人 |
売上高 | 8237億円※コジマ含む |
株主優待は保有している株式数や期間によって変わりますが、基本的に100株保有で、10 00円割引券3枚です。
株主優待情報 | |
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内容 | 優待券1000円3枚(2月2枚、8月1枚) |
最小株数 | 100株 |
最低取得価格 | 106,200円(1062円×100株) |
権利確定日 | 2月末日、8月末日 |
コジマ(証券コード:7513)
コジマはビックカメラと同様で、売り上げの5割が家電、3割が通信機器、2割が音響映像商品です。
店舗に関してはビックカメラと違い郊外を中心に展開しています。
会社概要 | |
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社名 | 株式会社コジマ |
設立年月 | 1963年8月 |
本社 | 栃木県 |
従業員数 | 単体2,704人 |
売上高 | 259億円 |
株主優待はビックカメラと同じ1000円優待券ですが、枚数と受け取り時期が若干違います。
株主優待情報 | |
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内容 | 優待券1000円1枚(8月1枚) |
最小株数 | 100株 |
最低取得価格 | 54,300円(543円×100株) |
権利確定日 | 8月末日 |
ノジマ(証券コード:7419)
ノジマは関東圏を中心に店舗展開している家電量販店で、神奈川県に81店舗、東京に52店舗、千葉に34店舗、埼玉に32店舗を構えています。
家電量販店でありながら2019年にスガル銀行を傘下におさめるなど、家電量販店にとどまらない異色の存在です。
会社概要 | |
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社名 | 株式会社ノジマ |
設立年月 | 1982年6月 |
本社 | 神奈川県 |
従業員数 | 単体2,620人 |
売上高 | 5,240億円 |
株主優待は2種類で、1,000円の優待券10枚と株主来店ポイント(500ポイント)4枚があります。
株主優待情報 | |
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内容 | ・優待券1000円10枚(3月5枚9月5枚)
・株主来店ポイント4枚 |
最小株数 | 100株 |
最低取得価格 | 263,800円(2,638円×100株) |
権利確定日 | 3月末、9月末 |
ケーズホールディングス(証券コード:8282)
ケーズデンキは全国で店舗展開している家電量販店で、郊外店舗の面積が非常に広いのが特徴です。
店舗の広さがプラスに働いてか、コロナ禍の2020年も売り上げ上昇を果たしました。
会社概要 | |
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社名 | 株式会社ケーズホールディングス |
設立年月 | 1947年3月 |
本社 | 茨城県 |
従業員数 | 単体14,968人 |
売上高 | 7,082億円 |
株主優待券は100株保有で1000円の優待券2枚となっています。
株主優待情報 | |
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内容 | 優待券1000円2枚(3月1枚、9月1枚) |
最小株数 | 100株 |
最低取得価格 | 136,000円(1,360円×100株) |
権利確定日 | 3月末、9月末 |
エディオン(証券コード:2730)
関東地方から九州、沖縄に向けて展開するエディオンと北海道、北陸地方を中心に展開する100満ボルト2つのストアを持っています。
家電を幅広く取り扱っていることに加え、住宅関連やロボットプログラミング教育事業といった家電販売以外も展開中です。
会社概要 | |
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社名 | 株式会社エディオン |
設立年月 | 2002年3月 |
本社 | 大阪府 |
従業員数 | 単体15,889人 |
売上高 | 7,335億円 |
株主優待はエディオングループ全店舗で利用可能な3,000円分のギフトカードです。
株主優待情報 | |
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内容 | 優待券3000円 |
最小株数 | 100株 |
最低取得価格 | 100,700円(1,007円×100株) |
権利確定日 | 3月末 |
上新電機(証券コード:8173)
上新電機はジョーシンという名前で関西を中心に店舗展開している家電量販店で、店舗数は200を超えています。
また、上新電機は野球チーム阪神タイガースの公式スポンサーとしても有名です。
会社概要 | |
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社名 | 上新電機株式会社 |
設立年月 | 1950年2月 |
本社 | 大阪府 |
従業員数 | 単体3,439人 |
売上高 | 4,156億円 |
株主優待は買い物優待券200円分36枚ですが、株主優待は1株からも取得できます。
株主優待情報 | |
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内容 | 優待券200円36枚 |
最小株数 | 100株 |
最低取得価格 | 203,900円(2,039円×100株) |
権利確定日 | 3月末、9月末 |
家電量販店の株式を購入すればアップル製品を安く購入できる

この記事ではAppleに株主優待が存在しない理由とApple製品を安く購入する方法について解説しました。
Apple製品が好きな方にとって株主優待がないことは少し残念ですが、家電量販店の株式を保有し取得した優待券でApple製品を購入することは可能です。
解説した、家電量販店の株主優待比較を参考にお得な買い物をしてください。